ゲッサン 2010年7月号


【ネタ】…雑誌 小学館 ゲッサン 2010年7月号
 
【説明】…小学館が発行する日本の月刊少年漫画雑誌
2010年6月11日発売。創刊第14号。ターゲットは中高生以上を中心として幅広い年齢層としている。
キャッチコピーは「漫画力絶対主義」。また「男の子が自立するために絶対必要なふたつのキーワード」としてアイデンティティー「愛と勇気」を掲げている。
 
【独断】…読者プレゼントに箱○のソフトが一個もないのが気に喰わないの巻
『温泉へ行こう!』というテレビ番組を御存知だろうか。
TBS系列で放送されていた酷似タイトルのテレビドラマではない。フジテレビ系列で2000年から2010年現在に渡ってCS・BSで放送されている知る人ぞ知る人気番組だ。
内容は、タイトルそのまま、温泉宿を紹介していく番組である。その旅館の温泉にレポーターがつかり、部屋と料理が綺麗に映され、値段と予約状況がそっとテロップで表示される。一見ふっつーの旅館宣伝番組である。
別に有名タレントが面白トークや人情エピソードを交えながら愉快に旅をするわけではない。本当に淡々と温泉宿が紹介される。
なぜそんな淡白な宣伝番組が人気なのかというと、レポーターの女性が温泉に入るとき、タオルを体にまかず、おっぱいが丸出しで画面に映されるのである。
別にそこで何か卑猥なことが起こるわけではない。ただ、おっぱいが丸出しなのである。そしてそれを自然な感じでアップで映してくれるのである。
山と川を眺望できるなんとも風雅な露天風呂。そこに美巨乳のレポーターの方が気持ち良さそうにつかる。手を杓にして肩にぱしゃりと湯をかける。その滴りは胸元の曲線を伝っていく…
決して下品に過ぎず、視聴者にとって大満足な画がそこにあるのだ。
 
…この番組、プロデューサーは女性の方なのだが、発想が完全におっさんである。実に素晴らしいと思う。
私も初めてこの番組を見たときは衝撃とともに感嘆することしきりであった。
変な話、こちらはスケベ根性で見ているはずなのに、それと同時に「ああ、こんな温泉行ってみたいなあ…」ということも考えてしまうのだ。
入浴シーンを“邪魔”しているはずの料理の場面でも、「ああ、いいなあ…」と思わされてしまう。いかにもな旅館料理が、おっさんに片足突っ込んでいる私のハートを見事に射抜く。値段が気に掛かったところでしっかりテロップ。で、ワンテンポ開けてまた温泉&おっぱい。もうサイコー。
宣伝とお色気、どっちも相乗してしっかりカバーするハイブリッドなテレビ番組と言える。
 
ゲッサンもまた、少年誌の活力と、ベテラン作家の渋みが交錯するハイブリッドマガジンである。
…話の繋ぎがすげー無理矢理に見えるのは気のせいではない。ゲッサン関係なしに『温泉へ行こう!』の話がしたかっただけだ。
今月も気になる作品を粗筋省略でピックアップ。ムーブムーブムーブムーブ!!!!
  

『QあんどA』あだち充
幽霊共存型青春ラブコメディマンガ。
いい歳をした作家先生がお色気マンガでもないのにJKのパンチラを描き続けるのって、結構照れくさいのではないだろうか。
元々エロエロな作風で「サービスシーンがウリなんです!」というんだったらともかく、ふつーに日常的な作品で散発的にパンチラを描くって、「俺、パンチラなんて描いちゃってるよ」的なニヤニヤ&照れくささが絶対にあるはずである。
そういうオッサンの悪ふざけ感がヒシヒシと伝わってくる生暖かい作品。
 

『妹先生 渚』村枝賢一
情熱妹教師マンガ。
どうなるのかまだ全然わっかんね
 

『よしとおさま』四位晴果
御庭番スタイルBLギャグマンガ
今回はサビ丸の故郷、忍者の里に行くお話。
今更ながら、全体的に絵が可愛くて読みやすい作品。これでサビ丸が忍者モードになったときにシリアスで二枚目に描かれれば、普段とのギャップで凄く格好良く見えると思うんだけどな。アクションもたまにマジなの入れてみたりとか。でも作風として合わないか。
わりと良いキャラが出揃っているけど、まだ一人一人掘り下げられてはいないので、これからが楽しみ。
なんとなく、アニメ向きの作品だと思う。
 

『アサギロ 〜浅葱狼〜』ヒラマツミノル
沖田総司マンガ。
東京都日野市が誇る特産品・土方歳三初登場!!!!
新撰組をテーマにした数多くのドラマや映画、漫画などで常にキーキャラクターとして扱われる土方。その見た目も性格も作品によって描かれ方は様々だが、『アサギロ』の場合は突っ張ったイケメンとして描かれている(細かい性格はまだ不明)。
近藤や沖田にどのように接してくるのか、今後の展開が俄然楽しみになってきた。
それはともかく、沖田の山南さんを見る目が鬱陶しそうで一々面白い。
 

とある飛空士への追憶…原作:犬村小六 作画:小川麻衣子
御令嬢空輸マンガ。
無人島生活でどんどん惹かれ合ってしまう二人。
ぅぁぁぁあ…イイ? イイぞ。
Wikipediaで原作の結末見るんじゃなかった…
 

アオイホノオ島本和彦
漫画家志望者マンガ。
今回は宮下あきらと教習所のお話。
焔はジャンプ掲載作品『激!!極虎一家』を見て「シリアスの中にある笑い」の面白さを確認する。奇しくも、現在のジャンプの『バクマン。』で主人公・亜城木夢叶(あしろぎ むと)がこれからやろうとしていることに近い(作風自体は全然違うが)。
シュールなことを大真面目にやってみせて、爆発的な面白さを発生させる。宮下あきら先生はその道において右に並ぶ者のいない天才である。民明書房を信じた小学生って沢山いるだろう。
…この手のシリアスシュールギャグ技法(?)はホラーマンガに多用されているような気がする。伊藤潤二先生なんて最たるもんだわな。楳図かずお先生や水木しげる先生も昔っから悪ふざけを入れるし。ちょっとパンク寄りだけど『ゾンビ屋れい子』も完全に“故意”だろう。見ているこっちが必笑だもの。
 

ここが噂のエル・パラシオあおやぎ孝夫
萌え萌えハーレム女子プロレスマンガ。
前回のゲッサンのエントリーで、「次回はマリーさんがメインの話になる」と書いたが、見事に予想が外れてしまった。今回は忠輔がみんなの部屋を掃除する話でした。
こういう話って地味なわりに小物を沢山描かなきゃいけないから大変だろうと思う。でも、そのお陰で各キャラクターの部屋の雰囲気が伝わってきて良かった。
…それはいいとして、マリーさんがメインの話はいつやるのだろうか。年増に厳しい作品である。
 

忍びの国…原作:和田竜 作画:坂ノ睦
戦国忍者バトルマンガ。
女の機嫌を良くするためだけに戦場に戻る無門。散り散りになっていた伊賀勢も無門の扇動によって戦いに赴いていく。
今回は無門カッケェと言わざるを得ない。
 

マコトの王者 〜REAL DEAL CHAMPION〜』福井あしび
人格入れ替わりボクサーズ・ロードマンガ。
青コーナー。さすがに5階級統一王者ジョーンズは半端じゃなく強い。1ラウンドは裏の裏をかかれて天堂がクリーンヒットをもらってしまう。遊んでいるかのように戦うジョーンズ。体格的にも二回りは劣る天堂に勝ち目はあるのか。
試合描写も格好いいですぜ、こりゃ。天堂がやってくれるのを信じます。
赤コーナーはほのぼのとして凄く雰囲気が良い。大地妹ズがとても可愛い。
それは良いのだが、どうやったらポンコツボディで強くなれるのか、未だ全く解決策なし。
 

リンドバーグアントンシク
大空恐竜マンガ。
飛行大会中に妨害に遭い、ニットが大ピンチ。
キャラの表情とかもいちいちパーフェクト。とにかく大好きな作品。
 

『いつかおまえとジルバを』横山裕二
HENTAI猫マンガ。
今回は着エロの話。着ている(隠している)からこそ引き立つエロもある。
さすがは横山先生、解っていらっしゃる。つまり横山先生は普段“そんな目”で街行く女性を見ているわけだ。私も同じである。
というか、グラビア撮影なんかではその辺のイマジネーションエロス(?)はよく活用されている。
応用としては、水着の上にスカートをはくことによって疑似パンチラを演出するとかか(というか露出度的には普通のパンチラと同じである)。
横山先生にはこのまま「フェチあるある」の道をひた走って欲しい。
 

信長協奏曲石井あゆみ
戦国ファンタジーマンガ。
戦わずして稲葉山城陥落。サブロー(信長)は見事に美濃を手に入れる。
今回の最後のシーン、斎藤道三の墓参りがなんかイイ。勝手に郷愁を感じてしまうマンガである。
 

『仕事場見たいし!』横山裕二
ゲッサン連載漫画家紹介マンガ。
今回は『月の蛇』の中道裕大先生宅に訪問。
このマンガにしては珍しく、わりとイケメン風に描かれている中道先生。しかし酒を呑みながらでないと作画ができないらしい。
それにしても、編集ワタナベさんの出す企画が毎回すげー気ままな感じがする…
今回は単に婚活アピールのためだけに中道先生に春パスタを振る舞うワタナベさん。この企画、マンガとしての落としどころがないだろう。
まぁいっか。
 
★ まとめ ★
新連載『BULLET ARMAS』を描かれている森茶先生は、3Dロボットアクションゲーム『アーマード・コア』(AC)シリーズのファンなのだそうだ。なんでもACに影響されてメカ好きになったとか。私もACファンの一人としてそういう作家先生の登場は嬉しい限りである。
…しかし、森茶先生、まだ20歳でしょ? 『初代AC』が出たとき7歳かよ…『AC2』でもまだ10歳とか…
うーん、歳は取りたくないもんだね。
 
おわり

ゲッサン 2010年 07月号 [雑誌]

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