範馬刃牙最終巻(37巻)発売記念 グラップラー刃牙シリーズ 強さランキング!


【ネタ】…ネタ 漫画 グラップラー刃牙シリーズ(1991-) 作:板垣恵介
 
【説明】…グラップラー刃牙シリーズに登場した主要キャラクターたちの強さをランク付けする企画
<ルール>
第一条…該当キャラクターは『グラップラー刃牙』『バキ』『範馬刃牙』に登場した全登場人物とする。*1
第二条…各キャラクター個人の格闘能力のみを強さの判断基準とする。ただし、複数人で構成されるユニットの場合、これを例外とする。
第三条…予め用意した武器の使用は認めない。ただし、その場の環境や肉体に直接仕込まれた武器を利用するのは認める。
第四条…キャラクターの劇中最盛期と思われる時点の強さで判断を行う。
第五条…全て私の独断で決定されるが、人の意見を聞いて揺らぐのは認める。
 
 
【独断】…範馬刃牙完結二ヶ月くらい記念エントリー
範馬刃牙』最終回の感想を二ヶ月近くも書かず、しかもなぜか『魔法少女まどか☆マギカ』のエントリーを挟むという不誠実極まりない本ブログですが、いよいよ満を持してやはり感想はほったらかしに強さ番付を行いたいと思います。
前々からずっとやりたかったので。
2ちゃんなどでも刃牙シリーズの強さ議論は散々っぱら行われているが、ここはあえて私個人の完全独断で私自身が「エフッエフッエフッwwwハハハハハハハハハwwwwwこれが強さランキングの決定版だぜッ!!!」と思うがために、一旦本編が完結した今だからこそやっておきたいのだ。
 
補足として。
格闘という相対的なジャンルなので、勝ち負けにおいては相性の要素も非常に大きい。
顕著な例がオリバvs渋川だろう。
作中ボスキャラの一人という扱いをされていて、実際にトップクラスの強さを誇る筋肉モンスターのビスケット・オリバだが、合気道の達人である渋川剛気に対してはその筋力が全く通用せず、取り押さえられた上に関節を外されている。
しかし、総合的な能力や作中での扱いにおいて、やはりオリバの方が強いと思うのだ。
その他にも単純な勝ち負けの三段論法でいくと…スペックに勝った花山…に勝ったガーレン…に勝ったシコルスキー…に勝ったガイアは超ウルトラ爆裂に強いということになるが、そのガイアに勝った中学時代の刃牙がそれらのキャラクターの誰よりも強いとは考えにくいだろう。勝敗が必ずしもそのまま強さの序列に直結するとは限らない。
さらにいえば、刃牙や独歩などは「勝負に言い訳無用」と言いつつ、かなりの頻度で油断して実力を発揮することなくノックアウトされている。
ランク付けにおいて、こういった勝ち負けの矛盾がいくつか生じる可能性があることはご了承いただきたい。
 
また、『グラップラー刃牙』シリーズは、当然、主人公の範馬刃牙の成長物語でもある。刃牙に限っては強さが著しく変わった各時点でのランキングを記載する。
それにより人物名が重複して若干見づらいこともあるかとは思うが、「ああ、なるほど、あの時点ではこれくらいの位置だよな」等々、色々考察していただけたら幸いだ。
 
なお、ランクとして用いているアルファベットの最上位は「SSS」である。
「SSSってなんだよww最上位がSならS一個でいいじゃねえかww厨くせえwww」と思われるかも知れないが…そうなると結果的に愚地独歩や渋川剛気といった達人たちがCランク、はたまたDランクという評価をされてしまうのだ!
そんなことが許されるのか! 否! 断じて否!
というわけで、こちらも目をつむっていただきたい。
ちなみに、同ランク内のキャラクターは強い順に記名していく。
 
というわけで行ってみましょう! きゃおらァッ!!
 
 
【SSS】…神の領域
範馬勇次郎範馬勇一郎、範馬刃牙(勇次郎戦後)
 
注目キャラクター…範馬刃牙(勇次郎戦後)
範馬刃牙』の最終時点において、刃牙は勇次郎に並びかけたと思っている。
総合的な戦闘力で言えばまだ勇次郎が上ではあるのだが、勇次郎戦で刃牙範馬としての「成人式」は完了した。それは「勇次郎に対してパンチがパンチとして通用する」という描写できっちりと示されている。
範馬の血が完全覚醒する前の時点でピクルを追い詰めていたことからしても、現在の刃牙は作中最上位に位置していると言っていい。
勇一郎は勇次郎自らが「対極にある」と言っているほどの人物なので、その強さはまさに勇次郎に匹敵するほどのものなのだろう。勇一郎の霊を見たピクルがビビっていたくらいなので半端ではなさそうだ。

 
 
【SS】…生物史上最強クラス
範馬刃牙(ピクル戦後)、ピクル
 
注目キャラクター…ピクル
板垣先生が「どうしても描きヤツがいる!」と言って登場させたのが白亜紀最強生物ピクルだ。
これによって刃牙の世界は「当代世界最強決定戦」ではなく、「生物史上最強決定戦」というタイトルを超強引に打ち出すこととなった。
作品的には、勇次郎の強さがあまりにも他のキャラクターからかけ離れていたため、ピクルの登場はその中継点としての役割を果たすこととなった。実質的に、ピクルに勝つことが勇次郎への挑戦権獲得という位置づけになっていた。
また、ピクルに挑戦すること自体が他のレギュラーキャラから抜きん出るという意味合いもあり、「ピクルに対してどの程度通用したか」が各キャラクターの強さを示すこととなったため、彼は強さの物差しとしての役割も大きかった。

 
 
【S】…人類史上最高位
<上位> ティラノサウルス、愚地克巳、郭海皇
<下位> トリケラトプス範馬刃牙(オリバ戦後)、ビスケット・オリバ
 
注目キャラクター…愚地克巳
克巳の俺マッハ拳を見た郭海皇が「拳法を50年は進化させよった」と言ったのは、事実上拳法の到達点であった郭海皇自らが敗北宣言をしたのにも等しい。それほどピクル戦での克巳は強かった。
でき得ることなら、真マッハや俺マッハを喰らったピクルのダメージはもっともっと深刻なものとして描いて欲しかった。俺マッハを喰らった時には、血反吐を吐いて、完全に身動きが取れず、克巳に畏敬の眼差しを向けるくらいが良かった。
範馬刃牙』はオリバ→ピクル→勇次郎という刃牙のボス戦ステップで構成されている*2。勇次郎に惨敗したとはいえオリバはここのランクからは外れないだろう。改めて『バキ』を見返してみても、オリバの格上ぶりは顕著に描かれている。
刃牙は、ピクル戦の前にはティラノサウルス(少し小ぶり?)とのリアルシャドーに勝利した模様。

 
 
【A】…伝説級の闘士
<上位> ジャック・ハンマー烈海王範馬刃牙(初体験後)
<中位> 範馬刃牙(ジャック戦後)、ジャック・ハンマー(骨延長前)、郭海皇の師匠
<下位> 範馬刃牙(烈戦後)、ブラキオサウルス、純・ゲバル、マホメド・アライJr.
 
注目キャラクター…ジャック・ハンマー
オリバやピクルが『範馬刃牙』におけるボスキャラだとしたら、ジャックは『グラップラー刃牙』におけるボスキャラだろう。
骨延長手術を経て『バキ』ではさらにパワーアップ。アライJr.との闘いでは当初負ける予定だったのだが、ジャックに凄味があり過ぎて板垣先生が「アライJr.ではジャックには敵わない」と判断。『バキ』のボスキャラになるはずだったアライJr.を逆にボッコボコにしてしまった。
それほどまでの強さを誇るジャックだが、『範馬刃牙』での扱いはあまりにも残酷なものだった。ピクルに完膚なきまでに敗れ、勇次郎と刃牙の闘いは泣きながらテレビ観戦…そこは駆けつけろよジャックッ!
烈海王は元々強キャラだった上に、ピクル戦でさらに一皮剥けて、他のレギュラーキャラとは一線を画した境地に至った。烈、克巳、ジャックの地球防衛軍の3人はレギュラー陣の中でも選び抜かれた面々だったと言える。
ゲバルは強さの判断が難しいキャラクターではあるが、あのタイミングで出た新キャラ、オリバに対する挑戦権を刃牙に先んじた、という点で、そうそう格落ちするような強さではなかったと思う。
あと私がなんとなくゲバルが好きなので好位置につけておきたい。ああいう、街中を素早く駆け回って周囲の環境をフル活用して実戦的に戦うようなタイプのファイターが好きなのだ。ガイアとか。
 
 
 
【B】…超人レベル
<上位> 渋川剛気、愚地独歩、花山薫、ドリアン、李海王(古代)、本部以蔵(公園)、ガイア、プテラノドン、カマキリ、超規格外アフリカゾウ
<中位> マホメド・アライ、劉海王、スペック、柳龍光、最大級サーベルタイガー、龍書文、シコルスキー、最大級ホオジロザメ
<下位> アレクサンダー・ガーレン、へクター・ドイル、天内悠、多目的戦闘マシーンM.P.B.M.
 
注目キャラクター…ドリアン
死刑囚5人の中で総合的に最も強いと判断したのがドリアンだ。
拳法の腕は海王として劉海王からも認められている上に、手段を選ばず勝利に徹する姿勢はドイル以上だ。元軍人という事もあり状況対応能力もピカイチだった。地下闘技場戦士たち複数を相手取り、一人であそこまで堂々と立ち回ったのは彼だけである。
独歩とのタイマンでズタボロにやられたものの、その後すぐに反撃に転じて独歩をノックアウトしている。身一つでの純粋な格闘能力は作中のトップファイターたちに一歩譲るところだろうが、「なんとかしてしまう感」において、彼以上のキャラクターはなかなかいない。若い頃のエピソードも見てみたいところだ。
花山は放っておいても、解説トリケラトプスと化している間にも強くなっているので、今の花山を最大トーナメントで克巳に敗れた花山と一緒にしてはいけない。お願いだから『疵面』や『創面』だけではなく本編でもまた戦う姿を見せて欲しい。
ちなみに、15歳時の花山だったらCランク下位といったところ。
ガーレンはシコルにこっぴどくやられたが、あの時は半ば不意打ち&大けが中だったため、元来の強さ、本編での描かれ方からしてこのランクからは外れないだろう。
公園補正の付いた本部の強さは言うまでもない。

 
 
【C】…達人レベル
<上位> 最大級ホッキョクグマ、鎬昂昇、御輿芝喜平、マスター国松、範馬刃牙(連載初期)、マウス
<中位> 鎬紅葉、夜叉猿Jr.、最大級シベリアトラ、マウント斗羽、猪狩完至、範馬刃牙(幼年編ラスト)、アイアン・マイケル、ズール、おでん屋(山下)、李海王
<下位> 範馬刃牙(夜叉猿戦後)、夜叉猿、最大級アナコンダ、ジョー・クレーザー、加藤清澄、本部以蔵、寂海王、三崎健吾、郭春成、ローランド・イスタス、範海王
 
注目キャラクター…夜叉猿
刃牙の成長過程において、「ボス戦」と言えるものがいくつかある。
明らかにその時点の刃牙よりも格上で、それ故にそのボスに勝つことによって刃牙自身がランクアップするマッチメークだ。
そういう意味で、刃牙にとって最初のボス戦となったのが夜叉猿だ。その前に負けたヤンキー100人やユリーなどよりも圧倒的に強い。大男の安藤が武器を使っても全く歯が立たない。そもそも人間じゃないというか、なんなんだあれ。
そんな化け物に勝とうと肉体改造と決死の訓練に励んだ刃牙は、一回りも二回りも強くなった。そして自分自身が常識外れの化け物レベルの強さを獲得することにより、真っ向勝負で夜叉猿に勝利することとなった。
そういう意味で、夜叉猿は作中、ゲートキーパーの役割を果たしているとも言える。夜叉猿に勝てる=現実離れした強さの持ち主=グラップラー刃牙の世界における一線級のキャラクター…ということだ。
哀しいかな、デンジャラスライオン加藤の空手は夜叉猿Jr.には全く通用しなかった。目突きが決まったところで勝てそうにない。そもそも基礎力が違うという感じ。そんな加藤があの手この手でドリアンとタイマンを張った姿は本当に格好良く、切なかった。
そして克巳は夜叉猿Jr.を瞬殺。当時の克巳はまだまだ未熟ながらもすでにめちゃくちゃ強かった。
マウスの強さは対人戦特化なので、位置的には上位にいるものの夜叉猿には通用しないだろう。武器を使わせたら話は別だが。

 
 
【D】…地下格闘士有資格者レベル
<上位> ライオン、花田純一、ビル・ライレー、末堂厚、ユリー・チャコフスキー、ゲリー・ストライダム、Sir、自衛隊の双子、張洋王、金竜山
<中位> 昂昇の師匠、剛体術の先生、カモミール・レッセン、猛牛、ディクソン、デイヴ、ロブ・ロビンソン、サムワン海王アンドレイ・ワーレフ、倉石、稲城文之信、リチャード・フィルス、セルゲイ・タクタロフ、ロリオン・グラッシー、楊海王、ドリュエス
<下位> 柴千春、セルジオ・シルバ、船井零、黒川(バトルサンボ)、自衛隊のナイフ使い、狼の群れ、アンドレアス・リーガン、毛海王、孫海王、陣海王、山本稔、ラベルト・ゲラン、チャモアン、龍金剛、除海王、加納秀明、安藤玲一、ヤンキー100人
 
注目キャラクター…柴千春
チャンピオンクラスの格闘家や歴戦の軍人、猛獣までもがひしめき合うこのランクに、気合いと根性だけで割って入った柴千春。
単純な身体的・技術的スペックだけで見れば彼の能力はFランクが良いところだろう。しかしだ、見えてしまうのだ。彼がボロッボロになりながらそんな強豪たちを倒してのける姿が。
彼はこの作品の中のイレギュラーとも言えるし、弱者が強者にどう挑むかという点においてこの作品の象徴的なキャラクターとも言える。
刃牙は勇次郎戦においてノーガードでガチの殴り合いをしていたが、作中、それを一番最初にやったのは千春とマイケルなのである。当時の刃牙は格上相手にバカみたいに打ち合う千春を見て「なんであんなことできんの?」などと言っている。勇次郎戦を前に千春に教えを請うたのは大正解だった。
ただ、私はアイアン・マイケルと千春の対戦自体は大好きだし、あそこは千春が勝ってこその名勝負だったと思うのだけど、あの試合でのアイアンはもっとタフに描いて欲しかった。そこんところのフラストレーションに加え、ジョン・L・サリバンの表情が絶妙にムカつくので、あの試合は見ていて暴れ回りたくなったものだ。
自衛隊の最精鋭部隊は武器をフルに使わせたら恐ろしく強いだろうが、ガイアの言う「格闘」の枠ではこのくらいの位置が妥当だろう。

 
 
【E】…世界レベルの強者
<上位> 蝙蝠の大群、館岡、ジョージ・ハーマン、ロジャー・ハーロン、マイク・クイン、デントラニー・シットパイカー、李猛虎、畑中公平
<中位> 久隅公平、自称ファースト、ジャガッタ・シャーマン、トミー・カービン、フリオ・ゼール・ケバス、センサラック・ディーノイ
<下位> フランシス・シャビエル、栗木拓次、金田、島田、佐藤、張、内藤(レスリング)、範馬刃牙(幼年編初期)、ツキノワグマ
 
注目キャラクター…範馬刃牙(幼年編初期)
幼年編初期の刃牙の強さは意外と判断が難しい。
並の格闘家や中学生の格闘技全日本優勝者クラスなら相手にもならないくらいに強い。しかし、地下闘技場に出場するような国内トップクラスファイターには及ばない…といったところだろうか。
だとするなら、刃牙はユリーに敗れてから夜叉猿に勝つまでの三ヶ月間に本当に劇的にパワーアップしたことになる。
最大トーナメント編のやられ役や、花田にやられた地下闘技場の正ファイターたちの位置の微調整もこれまた難しい。表立った実績としては、全員、五輪出場や各競技各階級のナショナルチャンピオンなのだろう。そうでなければ徳川から話は掛からない。
最大トーナメントに出場した選手たちは、地下闘技場のレギュラーリーグの選手たちよりも選りすぐられているはずなのでやや上位に置いている。

 
 
【F】…一流格闘家クラス
<上位> シマウマ、俵矢、高山、ギャリー、ジョンソン、鬼頭文吉、副島信吾、吉村功大木康
<中位> 知念、北嵐、麻仁アキオ、園田、寺田、剣持武史、警視庁対テロ機動部隊隊員
<下位> 栗谷川、ジェフ・マークソン、高木
 
注目キャラクター…シマウマ
ピクル編で登場したペイン博士曰く「格闘技などシマウマにすら通用しない」そうなので、一般的に知られている格闘技のレベルではやはりシマウマに勝つことも困難なのだろう。というわけで、このランクでは、現実レベルにいそうな格闘家たちの上にシマウマが君臨している。
ペイン博士は意外と常識的なことしか言わないが、生き物の強さを見る目は確かなようなので案外的外れではないと思う。
警視庁対テロ機動部隊隊員は装備なしでの強さで判断している。
ジェフ・マークソンは元々格闘技の心得があっただけでなく、オリバにやられてからダーティーファイトに徹した強さを身に着けたはずなので、武器の取り扱い以外にもかなりの身のこなしができるのではないかと思う。そうでなければ、綿密に計画していたとはいえたった一人であの規模のビルジャックをするのは不可能だろう。
高木は加藤に組手でやられた神心会の指導員だが、どなたか憶えていらっしゃるだろうか?

 
 
【G】…準一流格闘家〜街の喧嘩自慢
<上位> 強い猫、木戸、タクシードライバー(神心会)、マーク、ハワード、リチャード、スミット、タカハシ、柳瀬
<下位> 木茂山、西田徹、柴田勝利、平尾文彦、脇本丈巳、村上進、内藤(ヤンキー)
 
注目キャラクター…木戸
少年課のベテラン刑事の木戸。逮捕術に自信があるらしく、逮捕術で全国優勝した若手刑事の柳瀬よりも実力があることを匂わせている。
不良たちも木戸の姿を見ただけで「アアッやべッ」「きッ木戸だッ」「木戸だッ」「にィッ逃げいッ」「ヒッ」と言って逃げ回るくらいなので事実強いのだろう。格闘家ではないが、並の喧嘩自慢なら簡単に取り押さえられるだけの腕前があることは確実だ。
西田徹は伝統空手の、柴田勝利は相撲の、平尾文彦はボクシングの、脇本丈巳はレスリングの、村上進は柔道の、それぞれが中学生全国大会優勝者だ。なぜか全員幼年編の刃牙と同じ中学校にいた。
スポーツに物凄く力を注いでいる学校だったのだろうか? 江珠がそういう学校を選んで刃牙を入学させたのかも知れない。校長のスピーチが板垣節過ぎて鬱陶しい。

 
 
以上ッ。
いやー大変だった。
初めは自分の記憶だけを頼りにランキングを作成しようと思っていたのだが、「そういえばあんなヤツいたよな」「アイツはあの闘いの時どんなもんだったかな」というのを単行本でちょくちょくチェックし出したら、気付いたら結局シリーズ全巻を総ざらいすることになってしまった。
 
最後にこのランキングの根拠というか、選定方式のようなものをいくつか挙げていきたい。
「なんであいつがあんなに上なんだよ!」「こいつがそんなに弱いはずがない!」というご感想はどこかしらに抱くと思うので、どういう基準でランク付けしていったか、漠然とした形ではあるが一応明かしていきたい。
 
まず、事実として表現された<強さ>が最優先だ。
誰の目にも明らかにとんでもないパフォーマンスが発揮されたのならというなら、それは「強い」だろう。技術的な相性云々以前に、破壊力・耐久力が常軌を逸している、つまり格闘家というよりも生き物として強いキャラは当然上位にくる。
ティラノサウルスが大抵の格闘家よりも強いのが当たり前であるように、範馬勇次郎は強い…という感じで。
ただし、これだけでは全てのキャラクターは判断できない。
 
次に優先されるのは作品内での<格>だ。英語にするとまんまランクだが、私はこれが決め手になると思っている。
その高低は判断の難しいものではあるが、やはりキャラクターごとの格というのは確かにある。
これは作品の中で、板垣先生が如何にそのキャラクターに熱量を込めたか、凄味を持たせたか、エピソードを描いたか…という部分で判断される。
Aランクの項で書いたように、本来はアライJr.がジャックに勝つ予定で描き始めた対戦を「闘わせてみたら、やっぱりアライJr.ではジャックに勝てっこない」と思った板垣先生は、当初の予定をひっくり返して、逆にジャックがアライJr.を完膚なきまでにノックアウトするという結末に変えてしまっている。
これは強さに格があることを最も顕著に表した例だと思う。
『バキ』におけるオリバも、当時の刃牙や死刑囚たちにとって圧倒的な格上として描かれており、実力がフルに発揮される以前から明らかに彼らよりも強いことがうかがえた。
この格がなぜ大事かというと、勝敗による三段論法が刃牙シリーズにおいて有効な時とそうでない時があるからだ。そして、刃牙シリーズは強さという価値を通じての男雄漢比較べ(おとこくらべ)の作品であるからだ。この男雄漢っぷりこそが格なのである。
なので、あまり細かい描写をとって「あっちが強い」「こっちが強い」というよりも、この格を優先させた方が結果的には矛盾の少ないランキングが作成できる。
 
もちろん対決による<勝敗>も大事な要素である。
特に真っ向勝負で問答無用に決着した闘いは決定的な判断材料になる。そういう意味で、最大トーナメント編は環境が均されていたため「どちらが上か」はとてもわかりやすかった。
ただ、問題は「どの程度差があったか」で、こればかりはその闘いその闘いの描写をよくよく見るしかない。
勇次郎にしてみれば勝負の勝ち敗けこそが強さを決定しているのものに他ならないのだろうが、総体的な序列を考える上ではそれのみが絶対の判断材料ではないと思う。
 
そして、次点として採用したのが<状況証拠>である。
例えば、私は郭海皇の師匠をかなり高位にランクインさせたが、郭海皇の師匠はまだ未熟だったころの郭海皇としか闘っている描写はない。
ただ、当時表舞台での中国No.1だった郭海皇にその筋力志向を捨てさせ、拳法の権化にまで成長させたあの老人が並大抵の人物でないことは確かであろう。
そういった状況証拠をかき集めていくのもまた面白いのだ。
他には、この作品においてサーベルタイガーが闘っているシーンなどない。
しかし、勇次郎が800kgはあろうかという巨大な熊のはく製を見て「(刃牙なら)やれば造作もねェ」と言い、サーベルタイガーの骨格標本を見た時には「手こずるな……無傷じゃ済まねェが、檻の中でなら30分以内ってところか」と発言している。このことからサーベルタイガーの強さの位置付けもある程度推測が可能なのだ。
 
その次が<体格>だ。
そもそも主人公の刃牙からしてサイズが小さいし、この漫画では体格差を覆して勝敗が決するなんてのはよくあることである。
ただ、格闘技のセオリーで言えば、体格の大きい人間の方が小さい人間よりも圧倒的に有利である。その理屈自体は作品内でもよく出てくるし、基本的には無視するべきではないと思う。
渋川剛気のような超達人クラスのキャラクターを除けば、特に同一格闘技の選手同士であれば、基本的にはヘビーウェイトの方が強いという判断を下した。
 
そして最後に…これが一番厄介なのだが<作者のお気に入り補正>である。
キャラクター、もしくは格闘技のジャンルによって板垣先生のひいきがある。確実にある。
長年の読者の方であれば「なんでいきなりここでコイツが活躍するの!?」という場面や、「この格闘技はなんかやたらと取り沙汰されるなー」という場面、あるいは「この格闘技の選手は絶対に活躍しないよな」という場面を何度か目撃してきているだろう。アレだ。
直接的な対決シーンのない違うジャンルのファイター同士を比べる場合、異なるタイトルの実績だけを見てもどちらが強いのか判断しづらい。なので、作中で「このジャンルは強い」という扱いをされているものをわずかに優遇させることにした。
基本的にキックボクシングや柔道など一般に強いと言われている格闘技はやられ役に回されることが多い。これは板垣先生ご自身も明言している。そうした方が作品的にインパクトを作りやすく対戦するキャラクターに箔を付けやすいからだ。
ただし、難しいのが、そうした扱いも時を経て揺らぐことがあったりする。特にボクシングに関しては「やっぱり先生ボクシング好きなんだろうな」というのがうかがえて、「不完全な格闘技」としてやられ役になったり、かと思えば不意に強キャラボクサーが出てきたり、扱いが非常に不安定なのだ。
低い位置で安定してしまっているのがムエタイとテコンドー。特にテコンドーは永久に浮上の可能性がないと言えるくらい作中では弱い。
高い位置で安定しているのが中国拳法。雑魚キャラも大勢いるが上位に食い込むキャラもとても多い。

 
…こんなところだろうか。
当然このランキングが絶対というはずもなく、特に対戦相手との相性に左右されやすいキャラクターはどのランクに置くべきかかなり迷った。そもそも弱いキャラクターは一瞬でやられてしまって見せ場が全くないなんて場合もある。その辺は、状況証拠による憶測でしか強さを判断できない。
そんなわけで、「ここはこうだからこっちの方が強いんじゃないか」という意見を受けたらわりと簡単に微調整できるくらいのあそびはある。
ただ、一応、いい加減に配置したキャラは一人もいないつもりだ。全員根拠を以てランク付けした。
そして、できれば一度、徳川の爺さんの気持ちで、あるいは範馬勇次郎の気持ちでこのランキングをご覧になっていただきたい。
Cランク以上の猛者が如何にレアで世界中を探し回ってもなかなか出くわすことがないかを考えれば、彼らがその“レアもの”を見つけた時の喜びようが少し解るだろう。
死刑囚編で労せずしてBランクの怪物たちが集まったときは、徳川の爺さんからしたら爆裂な幸運だったのである。
 
最後に。
恐竜や動物を除いて、作品の中で名前が出てきて、現役の登場人物個人のみを具体的に順位付けするとこういう感じになった↓。
 
1位…範馬勇次郎
2位…範馬刃牙
3位…ピクル
4位…愚地克巳
5位…郭海皇
6位…ビスケット・オリバ
7位…ジャック・ハンマー
8位…烈海王
9位…純・ゲバル
10位…マホメド・アライJr.
11位…渋川剛気
12位…愚地独歩
13位…花山薫
14位…ドリアン
15位…ガイア
16位…劉海王
17位…スペック
18位…柳龍光
19位…龍書文
20位…シコルスキー
21位…アレクサンダー・ガーレン
22位…へクター・ドイル
23位…天内悠
24位…鎬昂昇
25位…マスター国松
26位…鎬紅葉
27位…夜叉猿Jr.
28位…マウント斗羽
29位…猪狩完至
30位…アイアン・マイケル
 
上位30名はこのようになっている。
もし、あなたのお気に入りのキャラが過小評価されていると感じたら、納得のいくランキングをご自身で作成して一人でにんまりとしてみるのも乙なものだと思うぞ!

 
おわり

範馬刃牙 37 (少年チャンピオン・コミックス)

範馬刃牙 37 (少年チャンピオン・コミックス)

*1:『疵面』と『創面』のみに登場する人物は除外する

*2:カマキリは中ボス