ゲッサン 2010年6月号


【ネタ】…雑誌 小学館 ゲッサン 2010年6月号
 
【説明】…小学館が発行する日本の月刊少年漫画雑誌
2010年5月12日発売。創刊第13号。ターゲットは中高生以上を中心として幅広い年齢層としている。
キャッチコピーは「漫画力絶対主義」。また「男の子が自立するために絶対必要なふたつのキーワード」としてアイデンティティー「愛と勇気」を掲げている。
 
【独断】…ゲッサン創刊一周年おめでとうございます
うーん、1年間悪口を言い続けてすみませんでした。
…1年…1年あれば…受精卵が赤ちゃんとして生まれて、「おい、おふくろ、おむつの中がバーストしてるぜ」とか言い出すくらいに成長する。ニートがニーターに、ニーターがニーテストになっている。引き籠もりの「エロ」フォルダが20ギガほど増えている。素人(西原理恵子先生)がFXに手を出して数千万円をユダヤ人にかっぱらわれている。
ゲッサンにとっての1年はどうだったのだろうか?
どうだったのだろうかと言われても私にはわからない。
というわけで、今月も普通に気になった作品をピックアップ。粗筋省略。カワバンガ
 

とある飛空士への追憶…原作:犬村小六 作画:小川麻衣子
御令嬢空輸マンガ。
まだ無人島で療養中。フャナとシャルルがいい雰囲気で無人島生活をしている。
本当に、あと一歩絵の描き込みがなされていれば大分印象が変わる作品だと思う。
 

ここが噂のエル・パラシオあおやぎ孝夫
萌え萌えハーレム女子プロレスマンガ。
主人公の面目躍如。桜花大活躍の回。しかも最後のページの表情がすごく可愛い。相変わらず、独特な雰囲気の良さを持つ作品。
まだマリーさんのエピソードが少ないので、来月はマリーさんがメインの話だ(断定)。
ところでこのマンガ、舞台となっている街の住人たちのデザインは、まんま既存のプロレスラーの容姿を拝借しているのだが、まさか故・破壊王がモブキャラとして出てくるとは思わなかった。
 

『QあんどA』あだち充
幽霊共存型青春ラブコメディマンガ。
運動能力が極めて高いボクサーは、稀にではあるが、リングの上でしか呼吸が出来なくなることがあるらしい。
あだち先生は、今、それに近い状態であると思われる。
漫画能力が極めて高い漫画家は、稀にではあるが、女子高生のパンツを描かないと呼吸が出来なくなるのである。
 

アオイホノオ島本和彦
漫画家志望者マンガ。
今月の名言「俺は……欲しいものばっかりだっ!!!」
本当にそうだよ!
若いうちって、欲しいモノが小さいのから特大サイズまであっちこっちに転がっていて、目標が定まっていないと、もうどこから手を着けていいのやらワケがわからなくなる。まさにTHE BLUE HEARTSの「夢」のような状態。
なんかすっごい大それた目標があるくせにせせこましいことに気を患わされていたり、客観的に見れば少しの工夫と努力で手に入れられるモノを取り逃していたり、自分の時間が貴重だと思っているくせに無駄遣いしかしていなかったり…若いうちってそんなんばっかだよな。
今回の焔はまんまソレです。ああぁ…メチャクチャ気持ちがわかる。
…というか、私の場合は現役でそんな感じか。
今は、ビットキャッシュEXとCLIP$とセキュリティーマネー・ゴールドが欲しい。…全部エロサイト用の電子マネー
今回はブルース・リーのイメージ描写が出てきたこともあって、ただでさえ暑苦しい作風が、致死レベルで暑っ苦しくなっている。
 

マコトの王者 〜REAL DEAL CHAMPION〜』福井あしび
人格入れ替わりボクサーズ・ロードマンガ。
青コーナーはこれからいよいよ5階級王者との勝負というところ。俄然盛り上がってる。大地妹ズのやり取りも凄く良かった。
赤コーナーは…何をどうしたら巻き返せるのだろうか。新生活の基盤さえままならない。『ベルセルク』のガッツがゴッドハンドに勝つのと同じくらい難しい状況。
逆に言えば赤コーナーが巻き返すときは爆裂に燃える展開だろうな。 
 

『よしとおさま』四位晴果
御庭番スタイルBLギャグマンガ
プライドの高い善透が、周りの援助を断ち切るために失踪。サビも暗殺チームも大慌て。
久々に外面モードの善透が見られる貴重な回。メガネ男子の奮闘ぶりを見たければこの漫画を読め!
ところで、サビ丸が「一緒に帰りましょう!」と言っているコマは襲いかかっているようにしか見えないが、善透をとっつかまえてどうするつもりだったのだろうか。
…わりと普通に良いマンガなんだよな。油断していると好きになりそうだ。
 

『アサギロ 〜浅葱狼〜』ヒラマツミノル
沖田総司マンガ。
近藤勇vs山南敬助、決着。今回は勝負に関してのバレはやめておきます。
いやぁ、凄くイイ。本当にストレートに面白い作品。
 

リンドバーグアントンシク
大空恐竜マンガ。
飛行大会スタート!
初めての本格飛行にニットが大感動! …しかし、臆病風に吹かされて低速飛行で進行する。このまま不甲斐ない飛び方をしているとプラモ(龍)は姫に奪われてしまうが、果たして…。
街もアクションシーンも一々賑やかでイイ。私も姫様に蔑まれたいです。
 

信長協奏曲石井あゆみ
戦国ファンタジーマンガ。
今回は、自国の城を自分で陥としてみせた美濃の竹中半兵衛の話。
基本的に淡々としたテンポでドラマをやるマンガなのだが、ときおりもの凄い緩急が使われる。
 

『仕事場見たいし!』横山裕二
ゲッサン連載漫画家紹介マンガ。
今回のゲストは『リンドバーグ』のアントンシク先生。
「やらなきゃダメなことをヤバくなるまでのばしちゃう」と言う自称ズボラのアン先生だが、毎月あれだけの描き込みで作品を描かれているんだから、全然OKなレベルなんじゃないでしょうか。
横山先生との4コマバトルはアン先生の勝ちです(断言)。アン先生の絵が4コマ向きじゃないにも関わらず、アン先生の勝ちです(断言)。
 
★ まとめ ★
あえてマジコメントをする。
この雑誌、青春マンガが多すぎる!
これ以上青春マンガを載せるというのなら俺の屍を越えてからにしろ! というレベルで多い。
『FULL SWING』、『まねこい』、『QあんどA』、『アオイホノオ』、『ぼくらのカプトン』でまず5つ。他に、青春マンガというには微妙なラインだが、学校を舞台にした作品として、『イボンヌと遊ぼう!』、『ハレルヤオーバードライブ!』、『妹先生 渚』とさらに3つある。しかも現在読み切りで掲載されてるルーキーの方々の作品もモロに青春モノばかり。
 
学校を舞台にした作品が多いのはゲッサンに限った事ではないし、少年誌だから当たり前とも言えるのだが、少年マンガの場合、大抵大筋として何か方向性があるものだ。
例えば『SLAM DUNK』だったら「青春マンガ」でもあるが、スジとしては「バスケットボールマンガ」だろう。『ドカベン』だったら「野球マンガ」だ。学校が舞台であっても「霊能力バトルマンガ」もあれば「関東ヤンキーマンガ」もある。登場人物達に何か強烈に目指すところがあったり、戦いを強いたりするのが少年誌の学校マンガだ。
 
ゲッサンに掲載されている学校を舞台としたマンガは、全部、やること・目指すところが曖昧なのである。
別に、ストイックで分かり易い題材が必ずしも必要なわけではないし、当たり前だが、「青春マンガ」としか言えない作品にも名作は沢山ある。実際ゲッサンの作品も個々には面白い。…しかし、そういう作品“しかない”ところが問題だと思う。
結果として、雑誌全体が「面白いけど地味」な印象になっている。
 
少年マンガのキャラ同士の交流なんて、「殴り合ってたら仲良くなっていました」でもいいのだ。目標に向かって突き進んだ結果として仲間ができていく…そういう男の子チックな作品が極端に少ないのである。
そういう意味では、学校を舞台とした作品の中では『アオイホノオ』の焔燃のもがきっぷりが、一番マッチョでスパルタンな輝き(なんだそれ)を放っている。
 
…えー…結局一周年の初めから悪口になってしまいましたが、これも一つの愛の形です。
嘘です。ただの不満です。
一周年おめどうございます。
 
おわり

ゲッサン 2010年 06月号 [雑誌]

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