ゲッサン 2009年10月号


【出典】…雑誌 小学館 ゲッサン 2009年10月号
 
【説明】…小学館が発行する日本の月刊少年漫画雑誌
2009年9月12日発売。創刊第5号。ターゲットは中高生以上を中心として幅広い年齢層としている。
キャッチコピーは「漫画力絶対主義」。また「男の子が自立するために絶対必要なふたつのキーワード」としてアイデンティティー「愛と勇気」を掲げている。
 
【独断】…もっと仕入れて欲しい
世知辛い。
今月の序盤まで、コンビニにはゲッサン8月号が置いてあったのだ。9月なのに8月号。本エントリーのタイトルを見ての通り、9月には当然10月号が発売される。何故に9月号ですらなく、8月号が置いてあるのか。
バイトさんが一ヶ月強もの間返本し忘れちゃった…というわけではない。少なくとも都内に限って言えばこの現象はあちこちの店で見られた。つまり、わざとだ。先月号の雑誌を置いておくのはTo LOVEるの元なので、普通はこんな事はしない。
これは憶測でしかないが、「あずまんが大王補習編が表紙&最終回の8月号まではとにかく売れるから、ここは大量入荷した上で時間掛けてもいいから売り切ろう。9月号以降は様子見で。なんならカットしてもいいよ」的な指示が、恐るべき事に各大手コンビニチェーンの本社から下ったという事なのではないだろうか。
実際、各コンビニを回っても8月号ばかり目にして、9月号の姿はイマイチ見掛けなかった…。
 
…いや、これは単に9月号がバカ売れだったというだけだ! うん。(←セルフ説得)
まぁ邪推でしかない不景気な話はやめよう!
今月号は各連載作品の物語がいよいよ動き出した! 5ヶ月連続で読んでいる人にとっては文句なしに面白い! そうでない人には…よく分からん!
とりあえず今月も気になる作品を個別に取り上げていこう!
あらすじ等の具体的な作品紹介は省くので、よろしければ本誌を実際に読んで頂きたいです。はい。
 

『QあんどA』あだち充
幽霊共存型青春ラブコメディマンガ。
頭にアオリが入っていた。「ついに5話目にして高校生活をスタートさせる庵堂厚の朝は…!?」。
高校を舞台にした青春ラブコメで、連載開始から四ヶ月もの間登校シーンがないというのも豪気な話である。さすがスケベオヤ…あだち先生。
新キャラ登場、陸上部入部決定、話がちょっとずつ進み出した。
 

ハレルヤオーバードライブ!高田康太郎
ハイスクールバンドラブストーリーマンガ。
各メンバーの相互認識をチラホラ描きつつ、面白エピソードや伏線もしっかり入れる。なんか本当に丁寧な作品です。
悪口を言いにくいのが短所。
 

リンドバーグアントンシク
大空恐竜マンガ。
主人公のニットがついに外の世界に羽ばたいていく。
自分たちの住んでいる国が高空にあって、世界とは隔絶されている、という設定は『FF3』を思い出す。これが地下だったら『グレンラガン』か。
外の世界では、おそらく獣人と人間が闘い合っているに違いない。行けニット! お前のツバサは天を割るツバサだ!
 

ここが噂のエル・パラシオあおやぎ孝夫
萌え萌えハーレム女子プロレスマンガ。
ゲッサン編集部は一刻も早くこのマンガの掲載ページを倍増すべきである。
巻末で「今年も夏らしいことをしないまま…終わっていくようで。」とコメントしているあおやぎ先生。ハッハッハ…ご冗談を。秋も冬も春も差し上げませんよ。ひたすら漫画を描いて頂きたい。
…真面目な話、あまり長期間煮詰まるのは毒なので、環境改善をお祈りしとります。
来月は陽向ちゃんのセンターカラーだ! イヤッフォォォォオオオオオォォォォォォ!
 

アオイホノオ島本和彦
漫画家志望者マンガ。
ガイナックス三人衆(庵野秀明山賀博之赤井孝美)登場。まるで、『HUNTER×HUNTER』で念を使えなかった頃のゴンキルをバカにしていた天空闘技場の住人のように悪役チックである。
五里霧中、迷走ばかりの焔燃。独力のアニメ制作に何かを見いだせるか!?
変な話、このマンガ、1話1話をゲッサン誌上で見てもそんなに面白くない。ただ、単行本でじっくり見ると、時代背景や鬱陶しい青臭さにグーっと引き込まれていく作品だと思う。
何が言いたいのか。皆さん単行本を買って下さい。
 

『アサギロ 〜浅葱狼〜』…ヒラマツ・ミノル
沖田総司マンガ。
惣次郎(沖田総司)の御前試合と介錯シーンは運動連鎖の描かれ方が微妙だと思っていたんだが、勝太(近藤勇)の戦い方は力強さ、技、迫力がしっかりと描かれていた。近藤さんカッコイイ。
逆に言えば、これは成人したときの沖田の剣捌きは非常に見物ということだ。何年後に見られるのか分からないけど…
…それにしても、『銀魂』の方の近藤さんは今リアルゴリラになっている。モデルは同じでも、描かれ方はこうも違うか。
 

『よしとおさま』四位晴果
御庭番スタイルBLギャグマンガ
創刊号から連載しているのだが、五ヶ月目にして初めて取り上げる。
少年誌に露骨なBL狙いの作品が載っていると烈火の如く怒る人たちが居るが、ゲッサン読者の場合、その辺も寛容な気がする。
若様、それは友情ではなく恋です。
 

『No.1海童』…鳴海アミヤ
No.1青春バスケットボールマンガ。
敵が「海童凱」をフルネームで呼びすぎだぞ! 海童凱!
今月は珍しくちゃんとバスケをしているシーン(回想)が出てきたぞ! 海童凱!
 

信長協奏曲石井あゆみ
戦国ファンタジーマンガ。
ぉぉおおおぉぉおお! 斎藤道三の正体が!
突拍子もない設定で始まってどう転ぶか分かりにくかったが、この作品やっぱり面白い。
ただ、信長が血みどろの戦国を駆けていくのはこれから。その辺がどう描かれるのだろうか。元々の焦点が合戦・国取りではないにしろ、主人公サブローの考え方だけはちゃんと解りたいところだ。(それ以前にサブローがずっと戦国時代にいるという保証もない)
まぁ、変に暗い方向には転んで欲しくないし、多分、転ばないとは思う。
それよりも、この作品、いつも後ろの方に掲載されていて、打ち切られるんじゃないかと心配しているのだが…。ジャンプの読み過ぎで掲載順を気にしてしまう。
 

『仕事場見たいし!』横山裕二
ゲッサン連載漫画家紹介マンガ。
今回はなんとあだち充先生宅に、ゲッサン若手連載陣9名が訪問! 普段の5倍、5ページに渡るスペシャル版である!
そしてやはりリアル漫画家はロクなもんじゃなかった! …あだち先生、掲載分だけ見ると、ただの口の悪いおっさんである。
思えば昔(10年くらい前)、週刊少年サンデー誌上で、あだち充高橋留美子青山剛昌の三御大が、直筆サイン&イラスト入り色紙を読者プレゼントするという企画があって、お三方の写真がカラーページに載った事がある。
当然、週刊連載真っ最中だ。三人ともその姿は完全にくたびれている。全然外行きの格好とかじゃなく、本当に仕事場でまんま写真をとっただけ。…現実と真摯に戦う大人の姿として格好良くはあるんだが、もうちょっとビッとした格好で撮っても良かったのではないか…。
でも、この間、テレビであだち充先生が高校野球を観戦する姿が映っていて、そちらは渋くてとても格好良かったです。あれならあだち充作品を描いていると言われても納得がいきます。
 
月刊誌を定期購読するなんて、小学生の頃の少年ガンガン以来である。
当時、ふざけて「ガンガン!」とか言いながら少年ガンガンで友人の頭を殴ったら、結構な量の血が出てきて驚いた憶えがある。
それはともかく、未だに月刊誌のペース感覚が掴めない(こっちは読んでいるだけだが)。忘れたと思った頃に最新号発売。一ヶ月前なんて大昔のことのように感じるが、不思議と作品の新鮮味は失われていなかったりする。週刊誌だと、一ヶ月前のモノなんて白骨化しているだろうに。変な感じである。
しかし、当たり前なんだけど、面白い作品がいくつかあっても掲載ページが今一つ少なかったりするのが口惜しい。物語の導入部だけで、1年は余裕で費やしてしまいそうな雰囲気だ。この辺、人気を受けてページ数を増やすとかないのかね?(スタッフ入れる分、人件費も掛かるけど)
 
とりあえず、今のところ変に尖った作品はない。だから世代・性別問わず読みやすい良漫画誌になっていると思う。
一々オチ付けるのも面倒くさくなってきたので、今回は普通にオススメ&かけ声で終わります。
せ〜のっ…ギッサ〜ン!

 
おわり

ゲッサン 2009年 10月号 [雑誌]

ゲッサン 2009年 10月号 [雑誌]