芋虫日記


【ネタ】…なし
 
【説明】…T-260Gの2011年6月の日記

 
【独断】…6月はjunの誕生月
いきなり真面目な話だが、6月に大仕事があって、私にしてはそれがわりと上手くいった。
まだまだこれからだが、これで一端くらいにはなれたと思う。
そんなわけで5月と6月は結構本当に大変だったのでブログをほとんど更新できなかった。というか、仕事以外のことをしている時間そのものが短く、日記として書けるような事もあまりなかった。
7月は少し余裕ができるので、週2…週2更新を目指したいです。

 
■ 七夕祭り
知り合いの子供(5歳男児)が幼稚園で七夕祭りをやるとのことで、短冊を見せてもらったら、そこに「まじょになる」と書いてあった。
…織姫と彦星もどこから手を付けて良いのやら困る願い事である。
まずは性転換、そして魔女見習いか。どっきりどっきりどんどん♪
 
■ マンガ『キガタガキタ! 〜「恐怖新聞」より〜』が終わる
週刊少年チャンピオンで2010年35号から連載していたロマンティック★ホラーマンガ『キガタガキタ』が、2011年29号をもって終了することとなった。
私はこのマンガがチャンピオン誌上では『範馬刃牙』の次に好きだった。というか、チャンピオンは刃牙とキガタのツートップだとばかり思っていた。しかし、どうもキガタの人気は今二つだったようである。単行本が増刷されている気配ないし。
『キガタガキタ』は恐怖新聞*1に予言された怪異を、主人公の鬼形冥(きがためい)が知恵と勇気と暴力で覆していくというお話だ。
キガタは別に霊能力を持っていたりするわけでもない普通の(?)中学生なので、基本的に悪霊たちと真っ向から戦ったりはしない。
あの手この手で悪霊たちの裏をかき、騙し、トラックに轢かせたり電車に轢かせたりトラックに轢かせたり電車に轢かせたりして退治していく。基本、悪霊は轢かれて退治される。
ぶっちゃけかなり大味でシュールな作品なのでマスな人気を得るのは難しいであろうことは解っていた。しかし、チャンピオン読者は好事家が多いから細く長く続くのではないかと期待していたのだが…
とにもかくにも、今回の打ち切りは残念極まりない。
打ち切り間近の回は悪霊の退治の仕方もより雑になっていて、「キガタがただ悪霊を殴る」とかになっていた。
 
■ アニメ『黄金バット』が爆裂に面白い
ニコニコ動画内でフルアニMAXから毎週配信されているアニメ『黄金バット』がとてつもなく面白い。
フルアニMAXは、放送終了したツッコミどころの多いアニメ作品をチョイスしてそれをニコニコ動画で配信しているチャンネルで、ご多分に漏れず『黄金バット』もツッコミどころが非常に多い。毎回毎回ツッコミコメントが雨あられと書き降らされている。
黄金バット』は良くも悪くも“昔のアニメ”で、バカなキャラは徹底的にバカに描かれるし、話ももの凄くご都合主義だし、「科学」と言えば大体ソレでなんでも解決すると思っている。
そして我らが黄金バットはとにかく強い。話の最後に「強い!絶対に強い!」というナレーションが毎回入るのだが、本当に絶対的過ぎる強さを誇る。敵の攻撃など全く効かない。いつも「フハハハハハハハ!」と高笑いをしながら悪の科学者ナゾーの一味をイジメている。
本編自体が良作なのも間違いないが、この面白さはツッコミコメントが入るニコニコ動画ならではだと思う。配信が終了する前に是非リアルタイムで毎週チェックしてほしい。*2
 
■ カエルツボカビ症
大昔にこのブログでも書いたカエルツボカビ症
2006年の12月に日本国内で飼育されているカエルからカエルツボカビが検出されて、その後も次々と感染が確認されて大騒ぎになったのだが…

ところが、2009年5月にカエルツボカビがアジア起源ではないかとの報告がなされた。
国立環境研究所などの調査で日本のカエルより約30系統のカエルツボカビが見つかったが、中米や豪州では1系統しか見つかっていないとのことであり、これが正しければ、アジア起源のカエルツボカビが世界に拡散し被害をもたらしたと考えられ、日本・中国・韓国などで感染の報告があっても被害の報告がない説明ともなる。(毎日新聞2009年5月5日の記事)
2010年9月時点で50種類のカエルツボカビが確認されており、サンプルの3%が菌に感染していたが大量死は発生していないこと、1932年のオオサンショウウオの標本からもこの菌が検出されていることなどから、日本ではカエルツボカビが昔から自然に存在し、日本の両生類は抵抗力を持っている可能性が高い。
Wikipediaカエルツボカビ症」より

だそうだ。
というわけで国内としては即座に甚大な被害があるわけではなく一安心…と言いたいところだけど、影響力の強い病気であることは間違いなく、アジアから新種の菌をばらまいてしまう可能性もあるわけで、その具体策が欲しいところである。ゲ〜ロゲロゲロ♪
 
■ 「最近の女の子はウンコしない」
小6女子と話をしているときに言われた一言。…そうなんですか?
最近の女の子はいつの間にか生物として進化(退化)していたようだ。
いや、「学校のトイレをあまり使わない」という話である。ましてウ〇コなんてしないんだと。
「トイレにずっとこもっているのはイジメられて泣いている子くらいだよ」
…うっわぁ〜…ウン〇の方がまだいいよ。
 
■ 脚速い
速い!絶対というほどでもないけど速い!
わけあって一ヶ月以上ウェイトトレーニングをしないでいたのだが、ウェイトを抜いて3週間くらい経ったら体がやたらと軽く感じるようになり、試しに10年以上ぶりに100m走のタイムを計ってみた。
そしたら驚きの11秒台。
自分は脚遅いもんだと思っていたのでこれは嬉しかった。
しかし、陸上選手でもサッカー選手でもない28歳の男が全力ダッシュをするのってなかなかないな。
短距離走をやったところでモテることはないので、もうダッシュはいいや。長距離走をやれば「ランナーズ」とか「ターザン」とかを読んでいる爽やかスポーティ女性と知り合えることもあるのではないだろうか。今度、それ目的で皇居周辺を走ってみようかね。
天皇陛下もご自分の家の周りをぐるぐる走り回るやつが多くて迷惑な話である。
 
■ 暑い
6月末から急激に気温が上がり始めた。
体がまだ暑さに準備できていないせいか、あっという間に熱中症にかかる。
 
■ ゲーム『アイドルマスター』をやろう!
我が家にも一応Xbox360版の『アイドルマスター』があるのだが、昔、雪歩で一度クリアしてから全然やっていない。
どうスケジュールをこなしてどう育てればいいのかもよく解っていない。なんか休みを与えるとイベントが起きるらしいのだが、私はずっとレッスン漬けで雪歩をアイドルサイボーグとして育てた。
思えば『モンスターファーム』でも、疲労とストレスを除去する食品をモンスターに与え続けて、休みなしでずっとトレーニング漬けにした。『パワプロ』もリセット可能だった頃は疲労困憊のままトレーニングをぶっ続けた*3
「日に30時間の鍛錬という矛盾!ジャックハンマーたれ!雪歩!」とばかりにレッスン三昧。
しかしあのゲームはイベントがいいわけだし、そのバランスをどう取るかなんだよな。攻略サイトとにらめっこでイベント時期を把握していれば事足りるんだろうとは思う。
せっかくソフト持っているんだし、他のキャラもやってみようか。特にあずさと春香はやっておきたい。あずさは小野坂昌也さんが熱を上げてた。春香は中の人がとても面白い。
 
■ 高校生によくmixiに誘われる
最近よく色んな高校生にmixiに誘われる。
チャラそうな感じの子に誘われた時はなんかわかる気もしたが、わりとそういうのに疎そうな子からも誘われて意外だった。
聞くところによると、「クラス中みんなやっているから、なんかもうやらざるを得ない感じ」らしい。うーん、面白そうだけど、面倒くさそうな話である。ここ5年くらいで若年層のコミュ作法ってだいぶ変わってきているのかも知れない。
ちなみに私はmixiはやらない。
私は自分が関わったことがないものに関しては否定から入るので、mixiも悪の巣窟だと思っている。あれは絶対にマルチ商法の類だ。あと、mixiをやると骨が脆くなり、北極の氷が溶ける。
 
■ Twitterが憎い
…まだ言ってんのか…
それというのも、私が立ち上げたいくつかのクラスタに全然人が集まらないからである。
「自分からは連絡しないのに相手から連絡が来ないと怒っちゃう人クラスタ
「東進の先生が決め台詞を言う瞬間に突如殴りかかりに行って視聴者を唖然とさせたいクラスタ
Twitterが憎くて仕方がないのにすっかり懐柔されていつの間にかいい人になっちゃってる人クラスタ
どれもこれも入会希望者が全くやって来ない。
今入会すれば記念品としてスイブルスイーパーを1個贈呈するのに…
 
■ Twitterで逃げも隠れもする
なぜか人のいない時間を見計らってツイートをしている事が多い。
ツイッターなんて、他人にツッコミを入れられるのを怖がる連中のやっている児戯に過ぎぬ」とまで言っておいて、自分が最もチキンな振る舞いをするという…
いやー、声が響いて残る独り言ってのが気持ち良いんですよ。
しかし、誰もいないと思って油断していると、たまに訳のわからない時間に起きてくる人が現れてひぃっ!となる。
ツッコミを入れられるとひぎぃっ!となる。
 
■ サンドイッチを買わされる
キヨスクのおばちゃんに「半額にするからサンドイッチ買っておくれよ」と言われたので、店に残ってたサンドイッチ3個を全部買った。
…ん? ババア、ほんとにこれ賞味期限ギリじゃねーか!
「夕方までに食べてね」
今が夕方だよ! つーかもう夜だよ!
 
■ ふと思ったが
理屈としての綺麗事は嫌いじゃないし、好き嫌い以前に理念として力を与えてくれればそれでいいと思うのだが*4、積極的に綺麗事ばかりを言う人って、喋る内容が「苦労話」と「感動話」ばっかりだなと思った。
で、意外と、筋を通した「人情話」が少ない。
自分がどんな目に遭ったか、何をしてもらったかという話ばかり。そういう人は信用できんわな。
 
■ 七夕の願い事
女性用インナーウエア専門メーカー・エスポールの社長さんが、服越しに見ただけで女性のバストカップをズバリ言い当てるという神技をテレビで披露していた。
あれを是が非でも習得したい。
多分、どんだけ“つくってる”とかも判ると思うんだよな。偽りの乳…偽りの正義…! 俺が蹴り砕く!(蹴るな)
というわけで、今年は織姫と彦星に「あの技を習得できますように」と頼みたい。
よろしくお願いします。
 
 
おわり

ゆかいなかえる (世界傑作絵本シリーズ)

ゆかいなかえる (世界傑作絵本シリーズ)

*1:女の子の姿をしている。単行本おまけマンガによると名前はキョーコちゃん

*2:配信から一週間が過ぎても有料で見られます

*3:ケガしたらリセット

*4:個人レベルの事なら

『グラップラー刃牙』バックチョークスレ


【ネタ】…マンガ グラップラー刃牙シリーズ(1991-) 作者:板垣恵介
 
【説明】…グラップラー刃牙シリーズにおけるバックチョークの成功率を検証するスレッド(全部自演)
バックチョークとしてカウントするのは、作中で描かれた「頸動脈ないし気管を狙った背面からの攻撃」とする。
天蓮華など頸椎の損傷を狙った技は含まない。
またローランド・イスタスがライオンの首に手を掛けているシーンがあるが、あれは関節技へのポジショニングなのでカウントしない。同じくジャック・ハンマーが白熊の首を抱き絞めているシーンがあるが、あちらもそのまま絞め落とすというよりは首の骨の破壊と引き倒しが目的なのでカウントしない。
なお、キャラクターの回想シーンで描かれたものも一律にカウントする。
成否の判定は、バックチョークで勝負を決したものを成功(〇)、そうでないものを失敗(×)とする。
このマンガをご存じの方しかわかりようのない内容だが、「ふーん」と思って見て頂ければ幸いです。
 
【独断】…みんな大好きバックチョーク
刃牙』シリーズを見ていてふと思ったのだが、このマンガ、完全に入ったはずのバックチョークが極まらないことが多いのではないだろうか。
バックチョークのシーン自体は結構多かったと思うのだが、どうにも決まり手がバックチョークだった闘いが思い浮かばない。大体外されたり問答無用で極まらなかったりする。
勇次郎やジャックが刃牙裸絞を喰らって平然としているシーンが象徴的である。花山vsスペックでは「完全にキマった裸締めは絶対に逃げられない」とまで振っておいて、ご存じの通り、花山が握撃でスペックの裸絞を脱している。刃牙vsアライJr.は、刃牙が昏倒しているアライJr.にチョークを入れるが、なんとなんとアライJr.の親父が乱入してきてそれを阻止してしまう。
もうここまでくると作者の板垣先生はバックチョークに対して何か恨みでもあるのではないかと思ってしまう。*1
 
普通の格闘技の試合では綺麗にキマればまず間違いなく一本が取れるバックチョーク。野試合や白兵戦であればそのまま死に直結するであろう、文字通りの必殺技だ。果たして刃牙の世界でこの技はどれほどの成功率なのだろうか。
というわけで、以下検証!
なお、作中に登場した順番に沿って古いものから取り上げていきます。
 
No.01 「花田vs張」 … 〇

中国拳法の張が花田に跳び足刀を入れるが、威力が足りずそのまま花田に掴まれ脚ごと絞められて一本。
ちなみに、張は初めて紹介された時は「チャン」とルビが振られていたが、あとで名前を呼ばれた時には「ちょう」になっていた。
 
No.02 「刃牙vs斗羽」 … ×

斗羽が刃牙にスリーパーホールドを仕掛けるが、刃牙は絞められた体勢のまま背後の斗羽の顔を蹴り込み脱出。
 
No.03 「刃牙vs斗羽」 … ×

No.02の直後。蹴りを喰らった斗羽だが、即座に再び刃牙を掴まえてチキンウィングフェースロック仕掛ける。
しかし刃牙は斗羽の腕に噛みつき、斗羽が怯んだところに頭突きを入れて脱出。
 
No.04 「勇次郎vs独歩」 … ×

試合開始前に独歩が不意打ちを仕掛け、勇次郎に跳びかかりながらバックチョーク。
しかし、勇次郎は闘技場の柵を利用してジャンプ。背中を地面に叩き付ける。独歩もそれを喰らう前に技を解いた。
 
No.05 「刃牙vsナイフ使いの人」 … ×

北海道での自衛隊戦。刃牙がパラシュートでの降下直後に不意打ちを食らう。
一見完全に失神しているがそれは擬態であり、この技によって勝負が決したわけではないので失敗とする。
 
No.06 「刃牙vs倉石」 … ×

水攻めとチョークの二重攻撃。
完全に死んだかと思われたが、これもNo.5と同じく擬態*2であり、勝負が決したわけではないので失敗とする。
 
No.07 「刃牙vs倉石」 … 〇

No.06の直後に刃牙が反撃。こちらは完全に極まって刃牙の一本勝ち。
 
No.08 「ガイアvsウガンダ兵」 … 〇

なんかワイヤーっぽいもので絞めているガイア。そのまま殺したであろうから一本。
 
No.09 「刃牙vsガイア」 … ×

ガイアが鼓膜破りを使い、刃牙の意識が混濁したところでチョークをする。
しかし、刃牙が絞められたまま前にのめり、背後のガイアへ後頭部での頭突きを敢行し、脱出する。地力の差が出た。
 
No.10 「刃牙vsガイア」 … ×

蔓技とチョークの合わせ技。常識的に考えて確実に死ぬ。実際刃牙もこの技をくらって幽体離脱を経験した。
しかし、打倒勇次郎の意志により刃牙は復活。吊ってあった枝をへし折り、見事脱出に成功した。
…それにしても、さすが軍人戦というか、ガイア編は死に直結する技としてバックチョークが非常に多用された。刃牙の喉と首もポロポロになったことであろう。
ガイア本人はバキの二本指によるフロントからの頸動脈絞めで落ちた。
 
No.11 「刃牙vs勇次郎」 … ×

このシーンはみんな憶えている。完全に刃牙のチョークが入っているが勇次郎には全く通用しなかった。勇次郎は体を振るっただけで刃牙を吹き飛ばした。
 
No.12 「刃牙vsアメリカのレスラー」 … 〇

刃牙が勇次郎に敗れて、アメリカに単独修行に行ったときの一コマ。
多分名の知れた人だと思うが、このマンガ的にはただのザコ。
 
No.13 「刃牙vsディクソン」 … ×

公には世界最強の男である700戦無敗の柔術家・ディクソン。刃牙がディクソン宅を訪れた時になんの前触れもなく絞められた。
刃牙は難なくディクソンの腕を振りほどく。
 
No.14 「独歩vs天内」 … ×

追いつめられた天内が独歩に怒濤の組み技を仕掛ける。ただ、このバックチョークは完全には極まっておらず、独歩に蹴りを出させるための前振りであった。
極められるものなら極めていたであろうし、一応×としてカウントさせて頂く。
 
No.15 「渋川vs昂昇」 … ×

渋川が昂昇を手玉に取る。完全に遊ばれてしまった昂昇は自身の長髪で首を絞められる。
別に渋川もこれで極める気はなく、すぐに放す。
 
No.16 「ジャックvs柔術家」 … 〇

ガリガリ時代のジャックが柔術道場で練習していたときの様子。完全に失神している。
今更言うのも詮無きことだが、ジャックの少年時代ってどんなんだったんだろう。いつから格闘技を始めていつからあんなガリガリだったんだ…?
 
No.17 「刃牙vsジャック」 … ×

勇次郎に仕掛けた時と同じく、完全に入っているバックチョークが全然効かない。
刃牙の背中に鬼の貌が出た時のフロントネックチョークは、見事にジャックを絞め落とした。
 
No.18 「勇次郎vsアメリカ兵」 … 〇

ただ後ろから首を掴んでいるだけだが、頸動脈が絞まっていて、この後のコマでこのアメリカ兵は失神する。
そのまま勇次郎はこのアメリカ兵を銃撃の盾として使った。
 
No.19 「ドリアンvs絞首刑」 … ×

舌が飛び出しどう見ても死んでいるのだが、どっこい生きてたドリアンさん。
10分の絞首に耐えきったドリアンの勝ち。
 
No.20 「ドリアンvs克己」 … ×

帯で首を絞められる克己。正中線連撃でこの危機は脱する。
しかし、直後に尖った板を喉に突き刺されダウン。愚地親子はよく不意打ちされる。
 
No.21 「花山vsスペック」 … ×

伝説のシーン。この作品屈指の名バトル。
スペックのバックチョークは完全に入っていたが、花山は握撃でスペックの腕を潰して脱出。
作中、他のキャラクターのバックチョークの脱し方は相対的な力の差や偶然に頼ったものが多いが、花山の場合は常にこの手段が使える。両手が相手の手足を掴めるポジションにさえあれば握撃が可能なので、腕を一緒にロックしない限り花山には絞めも関節も通用しない。
 
No.22 「ドリアンvs末堂」 … ×

運転中のジェットコースター上で裸絞。まさかのシチュエーションに動揺する末堂。
しかし、足場が振られて技も解ける。
 
No.23 「柳vsドイル」 … ×

克己の帯は絞めるのによく使われる。最トー編ではバンテージ代わりに脚に巻かれたこともある。
ドイルはギミックパンチでなんとか切り抜けるが…
 
No.24 「刃牙vsアライJr.」 … ×

金的→下段のかかと蹴りを喰らって気を失ったアライJr.にとどめを刺さんとチョークに入る刃牙。これはいよいよ極まった!
…と、思いきや、直後アライ親父がまさかの乱入。刃牙を殴り飛ばして御破算になる。実質的には極まったと言えるのかも知れないが、極めた!という事実は得られなかった。
板垣先生のバックチョークへの冷遇が最も露わになったシーンである。
 
No.25 「刃牙vsカマキリ」 … ×

刃牙はがっちりと背後に組み付くが、カマキリは体勢を変えて見事にチョークを外してしまう。
 
No.26 「刃牙vsピクル」 … ×

さしものピクルもモロに入った裸絞には苦しそうにしていたが、絞める刃牙を抱えたまま走り回り、闘技場の上方からジャンプして最下部へダイブ、刃牙もろとも地面に衝突して難を逃れた。
作中、刃牙は地面に叩き付けられることが多いが、今回は、刃牙の目算で約30mの高さから受け身なしで落っこちたようである。
ちなみにガイアに時速80kmで水面に叩き付けられたこともあるが、逆算するとそれは25mくらいの高さから落下したのに等しい。
オリバにコンクリに叩き付けられたときは、「7階からの転落事故より遙かに強い衝撃」という描写がなされている。
最近は父親と一緒に高層ビルからダイブしている。
 
No.27 「ピクルvs恐竜」 … 〇

現時点で最も新しいバックチョークのシーン。まさかのvs恐竜。多分このまま極めきったであろう。
これは何サウルスなんだろうか?
 
 
…以上!
はい、というわけで早速計算してみましょう。
グラップラー刃牙シリーズで描かれた27のバックチョーク。そのうち成功したのは…7回!
成功率…なんとたったの26%! 低い!絶対に低い!
 
しかもメインキャラ相手に極まったことはほぼ皆無。ジャックのガリガリ時代が唯一の例外だが、あれもエピソードの前振りでしかないので正直なところカウントするには値しない。
つまり、このマンガにおいて、実質的にバックチョークで勝負が決することはまずないのである。*3
むしろ、バックチョークという現実に喰らったら絶望的な技を、各キャラクターがそれぞれのシチュエーションでどうくぐり抜けていくか、こちらに主眼をおいて見てみると面白いかもしれない。
 
…しかし、我ながらかなりナンセンスなエントリーだと思う。
この記事が一体誰の何の役に立つというのだろうか。
 
おわり

RDF/烈海王 強きを求めし者 (PVC塗装済み完成品)

RDF/烈海王 強きを求めし者 (PVC塗装済み完成品)

*1:逆に、このマンガはフロントでの絞めの成功率は高い

*2:一時的には本当に失神していたかも

*3:一応倉石戦があるが、あれも主戦級ではないしね

範馬刃牙 単行本第29巻感想


【ネタ】…マンガ 範馬刃牙 作者:板垣恵介
 
【説明】…格闘マンガ『範馬刃牙』の単行本29巻の感想
今回のエントリーはある程度本作を読んでいないとわからない内容だと思います。
2011-02-05「『グラップラー刃牙』シリーズ 好きな登場人物ベスト10!」

 
【独断】…29巻というか最近の刃牙に対する感想です
2011年6月8日発売の『範馬刃牙』29巻。発売日に即行で買って読んでみた。
一言でふつーの感想を言うなら「メチャクチャ」である。
「メチャクチャ凄いバトルが繰り広げられている!」とか「メチャクチャ話が盛り上がっている!」とかではなく、文字通りメチャクチャなのだ。有り体に言えばストーリーが破綻している。
 
刃牙シリーズは総連載期間20年。これまでだって良くも悪くも読者の度肝を抜く超展開は数多くあった。
強引な理屈でキャラクターが突然パワーアップしたり、ストーリーの主軸に絡ませようとしたキャラを捨て駒にしてしまったり、散々引っ張っておいたエピソードのオチをスカしたり…言い出したらキリがない。
というか平時が常に超展開なので、ファンは「まぁバキだからね」という感じで、時には呆れ時には大興奮でその大波乱の物語に付いてきた。
 
しかし、ピクル編が終わってからのバキは、それとはまた違う、一見すると完全に迷走してしまったかのような状態に陥る。
それまでの「波乱」という意味での超展開ではなく、話の主軸がどこにあるのかも判らない「破綻」という意味での超展開だ。
これまでは強敵が現れて刃牙を始めとした主要人物がそいつらと闘っていく…という一応わかりやすい物語には違いなかったのだが、今は何を目指した話なのかもわからない。
ストライダムのどうでもいいエピソードをやったり、徳川の爺さんの寿命が迫ったり、烈海王がボクシングを始めてみたり、独歩や剛気が素人相手にストリートファイトをしたり、千春が刃牙に喧嘩を売ったり、勇次郎が雷に打たれたり…もう訳が分からない。
真っ当なファンからしたら、「なんなの!? 一体何がしたいの!? もう刃牙と勇次郎が闘えばそれでいいんじゃないの!?」という感じだろう。
 
29巻ではその破綻が極みに達している。
最初の話は烈のボクシング。次の話では千春と花山の会話。そしてその次は独歩が通り魔を撃退。その次はまた烈のボクシングに戻る。胡散臭いチャンピオンが登場して烈は一体どうなる!?…と思いきや、また場面が変わって今度は勇次郎がストライダムや独歩と会話をしていたりする。
ハッキリ言って展開がバラっバラ。それらのエピソードが最終的に一本の軸に集約される気配もない。本連載をやりながらスピンオフを同時進行で描いているような感じ。
一応ストーリーマンガなんだから、こんなメチャクチャな展開が本来許されるはずはない。
 
…そう、許されるはずはないのだが、実は、私は今の『範馬刃牙』の空気が好きで好きで仕方がないのである。
 
この作品も長年続いているが、私はシリーズ最新部に当たる『範馬刃牙』が一番渋くて好きだ。
本作では闘いをセックスに喩えることがしばしばあるが、それをそのまま下品に流用させて貰えば、『バキ』までは、萌えキャラやセクシーキャラが次から次へと現れてどんどん過激なセックスシーンを放出してくれるような作品だったのである。
現在は、その萌えキャラ達が彫り深く描かれているうちに「人物」へと成熟して、それぞれの意志でそれぞれの人生をリアルに歩んでいるような感じがするのだ。
 
キャラクター同士が落ち着いて会話をする場面も、シリーズが『範馬刃牙』に入ってからかなり増えた。
刃牙、勇次郎、独歩、克己、烈、花山、千春、紅葉、オリバ、ピクル、徳川、ストライダム…それぞれがそれぞれのスタンスで人間関係を築いている。
闘う相手とどういうアプローチを経てどういうコミュニケーションを取るか。これも『範馬刃牙』以降かなり突き詰めて描かれている。
オリバの時もピクルの時も、そして勇次郎の時も、これから闘おうとする相手との関係は密に密に練り上げられるようになった。
つまり、件の喩えで言えばきちんと“恋愛”をしているのである。
 
現在の破綻っぷりは、そういったキャラクターたちの一人歩きと、思い付いちゃったネタを描きたい欲求を、板垣先生自身が抑えられずにいることが原因だ。
もちろんこれはストーリーマンガとしてはやはり失敗なのだと思う。
ただ、その分、登場人物達は好き勝手に動き活き活きとしている。
今の『範馬刃牙』は、育て上げてしまったキャラクターたちにちゃんとそれぞれの人生とそれぞれの落としどころをつくっているような感じがして、何か見ていて良い意味で切なくなってくるのである。*1
 
ここまで来たらメチャクチャだろうが何だろうがもう板垣先生の好きなようにやってもらって、ファンは黙って付いていくのが一番いいのかも知れない。
実際、ここ最近の板垣先生は、話作りに関してはスタッフとも編集者とも一切相談をせず完全に一人で考えているのだそうだ。
 
現在、週刊少年チャンピオン本誌では、刃牙と勇次郎が最終バトル*2を繰り広げている真っ最中。
結末は全く予想が付かない。ファンもどういうオチが着いたら自分たちが納得できるのかわからない。多分、板垣先生自身もこの先どうなるのかわかっていない。何せ刃牙と勇次郎は勝手に動いてしまっているのだから。
私は一読者としてただひたすらに刃牙を応援するのみである。
…え? 勇次郎が負けるところは見たくないって? んな、放っておいたって勇次郎は負けやしませんて。だからみんなで刃牙を応援しましょうぜ。
 
おわり

範馬刃牙 29 (少年チャンピオン・コミックス)

範馬刃牙 29 (少年チャンピオン・コミックス)

 
【追記】…格闘技回帰
長年の読者の方であればお気付きであろうが、刃牙シリーズは『範馬刃牙』に入ってから「今更何言ってんの?」というような話が非常に多く出てくる。
強さはインフレにインフレを重ねて、ありとあらゆるシチュエーションのノールールバトルが繰り広げられ、もはや既存の武道や格闘技の理論など介在する余地はないかのように思われる本作。しかし、実は『範馬刃牙』に入ってから一度は捨てた*3かのように思われる“常識”を取り戻しているのである。
 
体格的に不利だからオリバと真正面から打ち合うなと叫ぶアイアン・マイケル。
格闘家がいくら強いといっても単純な身体能力は常人の2、3倍程度だと言うマウス。
強い推進力を持つものは横からのエネルギーには弱いと語る花山薫。
金的は絶対だ、カウンターは相手の心の隙間を打つから有効だと言い張る烈海王
空手には本来殺傷性のある技が存在すると説く愚地独歩
ボクシンググローブ特有の感触を利用して脳震盪を狙うスモーキン・ジョー。
 
本当に全部「なんで今更そんな話を!?」というものばかりだ。
烈のボクシング編なんて全部そうだが、なぜ今更常識的な格闘知識をことさらにクローズアップするのか。
 
この回答は、刃牙vsピクルで刃牙が言った
「俺たちは格闘技を手に入れたッ 何も捨てちゃいないッッ」
のセリフに集約される。
 
荒唐無稽なことをやってやってやり尽くした本作が、突き詰めた結果「あ、そうか、格闘技って凄いな」に戻ってきたということなのだ。
多分、あのセリフに感動した読者は少ないと思う。「だったら烈の中国拳法や克己の空手でピクルが倒されたっていいじゃんよ」という話で。
ただ、それでも私はあのセリフを聴いて感動した。本作が、究極のノールール・究極の肉弾戦を追い求めて続けて、ピクルというトンデモキャラまで引っ張り出して…行き着いた先が格闘技回帰だったというのが、なんか妙に嬉しかったのである。
…烈や克己が負けたのは「未熟ではある…しかし、貴様はまちがってはいない」というところだろうか。ぶっちゃけそこは主人公補正の有無だよな…
 
おしまい

*1:ジャックの落としどころがあのままだったらイヤだけど

*2:最終かどうかは不明。勝手な予想だけど、多分この一戦だけでは終わらない。

*3:というか初めからなかった

芋虫日記


【ネタ】…なし
 
【説明】…T-260Gの2011年5月の日記

 
【独断】…一度ナシゴレンを食べてみたい
正直な話、5月は真面目に仕事をしていただけなので良くも悪くも特筆すべきことは何も起きていない。
教えて貰ったきなこトーストを高頻度で食べていたというくらいだろうか。あと、NHKの『きょうの料理』でやっていたナシゴレンが凄く美味しそうだったというくらいだ。
完璧に仕事をこなし、一日を無事に過ごせたことを神に感謝する、そんないつもと変わらぬ日常であった。
今月は純粋に私のヤンエグ(死語)ぶりを綴っていきたい。

 
■ 風の谷のイナゾウ
職場の窓を開けていたら大事な書類が風に吹かれて飛ばされていった。28歳にもなる大和男子がマンガみたいなドジっ子ぶり。
ビルの三階からひらひらと繁華街に舞い落ちる一枚の小さな書類。うあああぁっ!と思って即行で外に出てみるが、階段を降りた時には…ない! 本当に見つからない。
風の強い日ではあったがそんなにもすぐに飛ばされてしまうものなのか? しかし、周辺を丹念に探すがまぁもぅ見つからない。
「うう…怒られる…」と思って半べそをかいていたら、なぜか5000円札が私の足下に飛ばされてきた。持ち主と思しき人もいない。
神様が「可哀想だからこれでカレーでも食いな」とおっしゃってくれているのだろうか。
昔から凹んでいるときに限って降って湧いたようなリアルラックに恵まれることがあるのだが、なんなのだろう。
とりあえず交番に行って書類が届けられていないか聞いてみたが、やはりなかった。ついでに5000円も届けた。
 
■ 鳩を全力で追いかけるババア
鳩を全速力で追いかけるお婆様を駅のホームで見かけた。
なぜ追いかけているのかは不明だし、仮に捕まえたらどうするつもりなのかあまり想像したくもない。ただ、一心不乱に追いかけている。
しかし、哀しいかな、鳩の歩みの方がお婆さまの全力疾走よりもはるかに速く、捕まえられる気配は全くない。鳩も余裕こいてホームに落ちているエサをついばみながら逃げていた。
ちなみに私は心の中で鳩の方を応援していた。
 
■ 致命的なパンツ不足
我が家にある下着の大半は貰い物で、トランクスやお洒落ブリーフやボクサーパンツなど、モノに統一感がない。
で、最近、一番数の多いトランクス勢のゴムがみんな一斉にダメになってきて、いきなりのパンツ不足に悩まされることになった。
自分で下着を買う習慣もないので、買おう買おうとは思っていても出かけるといつも買い忘れてしまう。
そのため最近はパンツを穿かずに出歩くことが多い。
先日もパンツを穿かずに街中を歩いていて、帰宅した時にジーンズのチャックが全開だったことに気付いたのだが…これは…これはいよいよヤクイのではないかと思う。
 
■ 「好きな人がいるってだけで幸せなことだぜ」
5月の迷言。
これまたどういう経緯で言ったのか不明だが、思っていたことが自然に口から出た。
同世代の男女が半強制的(?)に一緒にいるって案外若いうちだけである。好きな人が同世代である必要も異性である必要もないけれど、どちらにせよ大人になったらある程度頑張って出会いをつくらなければならない。
で、頑張った挙げ句誰かと付き合い始めてみても、出会いに頑張ってしまっている分、それが好きな人かどうかは案外分からなかったりする。明確に好きな人がいるというのはやはりそれだけで幸せなんじゃないかなぁ。
…という思考が明文化されないまま頭の中でパッと浮かんでしまい。それをそのまま口に出した結果がこれである。
魔法陣グルグル』のギップルが聞いたら即死しかねないレベルでクサい。
 
■ 憎しみを取り戻せ
先月の日記でも書いたが、最近すっかりツイッターに馴染んでしまっている。このままではいけないと思う。
私のエネルギーの源はやはり憎しみだ。喜怒哀楽の怒哀で生きるのが男のダンディズムである。神谷浩史さんも言っていた。
Twitterの悪口を言っていた頃はあんなに活き活きとしていたのに、今では死んだ鮮魚のような目をしている。
これは一度ツイッター上で下品なことを書きまくって、好きな相互フォロワーさんたちにブロックされるべきではないだろうか。
 
■ ダジャレ苦労
ツイッターでもう一つ苦心しているのが、ダジャレである。
公共広告機構の「魔法の言葉」のCMのせいで、一文字繋がりのダジャレとも言えないダジャレを言うのが習慣になってしまっているのだ。
基本的には「ただいま」に繋がる単語を挙げていくだけなのだが、毎回何にするか悩んでいる。
ただいマンティコア、ただいマケイン、ただいマクシミリアン・ジーナス、ただいマクシミリアン・テルミドール、ただいマリオ、ただいマウント斗羽、ただいマリンちゃん、ただいマウアー、ただいマグニート、ただいマンモス西、ただいマニトゥ、ただいマヨーネ、ただい丸井、ただいマカロニほうれん荘…等々等々。
頭に「ま」が付けばなんでもいいというものではなく、それなりに思い入れのある言葉で、ちょっとした解説も入れられるものでないとダメなのだ。
これを毎日やらねばならず正直もう苦しくて仕方がない。「ただいま」ネタを考えたくないがばかりに帰宅を躊躇う日まである。
 
■ メガンテ泣き
先日、ショッピングモールの通りで、パンツ丸出しも辞さず大の字で寝転がって「うおおおー!」と泣き叫びながらだだを捏ねている4、5歳くらいの女の子がいた。
どうも、この子がショッピングモールのあちこちの店に勝手に入って行くものだから、お母さんが腹を立てて一人でスタスタ先に行ってしまったようなのである*1。置いていかれたのを不服に思い、捨て身の抗議に出たというわけだ。
両手両足を目一杯広げて「オビゼビダビヴォー(お店見たいの)!! ウオオー!」と全力で泣き叫ぶ幼女。
そのあまりの堂々たる主張っぷりに私も感服してしまった。自決を覚悟したゲリラ兵のようである。
この泣き方をメガンテ泣きと名付けることにした。
 
■ マンガ『それでも町は廻っている』が凄まじく面白い
何年か前にとしあきがススメていたのを思い出して、何の気なしに『それでも町は廻っている』の一巻から最新巻までを一気に買って読んでみる。
これが思いの外大当たりでとてつもなく面白い。主人公の歩鳥(ほとり)の挙動がモテモテ王国のファーザーっぽくて妙にツボにきてしまう*2
いわゆるゆるい日常系マンガなのだが、回を重ねれば重ねるほどに話の作りも落としどころも秀逸になっていく。
一巻ではまだ比較的等身が高くて可愛い女の子だった歩鳥だが、キャラと絵柄が固まってきてからはギャグ等身で描かれることが多く、最新8巻では美少女に片足を突っ込んでいたかつての面影はすっかりなくなっている。
未見の方は騙されたと思って8巻全部買ってみて欲しい。
 
■ テレビ番組『ネッキーとあそぼう わんぱく☆パラダイス』を知る
静岡県伊東市にある地域放送局「シーブイエー」にて今年の4月から放送を開始した幼児向け番組『ネッキーとあそぼう わんぱく☆パラダイス』。
この番組の本編が(おそらく無許可で)ニコニコ動画にアップされているのだが、これがむちゃくちゃ面白い。これほどまでに目が離せない幼児向け番組は久々に見た。
言葉では説明しにくいので本編を無断転載させていただこう。
MCのネッキーは本当に歌のお兄さんらしい素晴らしい歌唱力で、ダンスもキレキレ。魅了されてしまう。
マスコットキャラクターの猫のフラワーはビジュアル的に某サンリオ様に似ていてチャレンジ精神に溢れている。声もわざとらしい少女ボイスではなく、昭和の人形劇を連想させる骨太なハスキーヴォイスが採用されている。
そしてピアノを担当するフレッシュの名前が何故フレッシュなのか…大いなる謎も秘めている。
これは是非一度ご覧になって頂きたい。

 
■ 俺と海
淫夢が見たい」「淫夢が見たい」と言い続けて十余年。未だその足掛かりすら掴めずにいる。
最近は海関連の夢を見ることが多く、この間は全長6mにもなる巨大な鯉を海岸で何匹も釣り上げる夢を見た(淡水魚だけど)。
文字通りの入れ食い状態で、エサが付いていなくても針を入れるだけでガンガンかかる。で、鰹の一本釣りのようにバーンとそのまま釣り上げるのだが、鯉の自重が重すぎるため口の中が針で裂けていたりして、これがどうにも可哀想なのである。
「食べる気もないのに釣ってしまうなんて可哀想だな…」というスポーツフィッシングを否定するオチで夢は終わった。
その前は、ジンベエザメに乗っかってサーフィンをする夢を見た。気持ち悪かった。
どうも聞いた話では、海の夢というのは欲求不満の現れらしいので、上手く転べば念願の淫夢が見られるのかも知れない。
…しかし、巨大なフジツボに飲み込まれてその中で果てる夢とかはイヤだぞ…
 
 
こんなところでしょうか。
6月の目標は「憎しみを取り戻す」です。よろしくお願いします。
 
おわり

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

*1:とはいえ見える距離にいる

*2:泣きながら両腕をぐるぐる回したりする

困ったお父さんスレ


【ネタ】…二次元 お父さん
 
【説明】…マンガやアニメに登場する困ったお父さんをただ挙げていくスレッド(全部自演)

 
【独断】…父の日先行エントリー
去年の3月に父が退職した。定年前だったが、傍目にも十二分に働いていたし住宅ローンも完済したし、他にやりたい商売もできたので、好きなことをやるにはこれが最良のタイミングだったのだろうと思う。
…その一人息子である私は、父の退職祝いも商売を立ち上げた祝いも一切することなく、毎日毎日夏休みの小学2年生男子のように「うぇ〜いww」「おで、今日かぶとむし獲ったどー」と愉快に過ごしていた。
 
実家のことなんてすっかり忘れていたそんなある日、不意打ちで父が私の家に来た。そして部屋にあったあるものに目を付ける。
「お祝い」と書かれたのしを巻いたご立派な日本酒だ。
私が仕事で上手くいったお祝いとして、顧客の方の一人が結構な日本酒を贈呈してくれていたのである。
「どうしたんだ、これ? お祝いと書いてあるぞ」
………
………
………
「…いや〜、ほら、父さんの退職祝いも何もしていなかったでしょ? それで、これを贈ろうと思っていてさ。本当は実家に帰ってちゃんと渡すつもりだったんだけど、見つかっちゃったから持って帰ってよ」
普段何も気を回さないダメ息子が自分の退職祝いを考えていてくれたということで、すげー喜んでお父さんは帰って行きましたとさ。
めでたしめでたし。
 
今回はそんなステキな父子の物語を取り上げていくエントリーです。カワバンガ
 
■ 海原雄山 …出演作品:美味しんぼ(1983-)

困った二次元お父さんの中でも日本屈指の知名度を誇る海原雄山
陶芸・書・絵画・文筆に秀でた100年に一人出るか出ないかと言われる天才芸術家だが、仕事で自分を追いつめるあまり妻と息子にも辛く当たってしまう(山岡視点)。結果、妻は死亡、一人息子もドロップアウトして左翼のMac信者になり下がる。
しかし、『美味しんぼ』が巻を重ねるごとに性格にも若干の丸みができ、息子の士郎とも徐々に理解し合う部分が生まれてきた。
連載序盤では、フランス料理店で出されたカモ料理に店が用意したソースではなく持参したわさび醤油を付けて食べるという、今の雄山からは考えられない蛮行を見せていた。
雄山がハンバーガーを食べて手を汚して逆ギレするシーンでは、数多くの雄山フリークたちが萌え死んだという。
 
■ マジック …出演作品:南国少年パプワくん(1991-1995)

『パプワくん』は連載当時小学生の間で大ブームとなっていて、その渦中にいた私もやはりこの作品が大好きだった。
とても女性が描いているとは思えないゴツゴツとした絵柄、シュールで意味不明ながらなんか妙に面白いギャグ、なんとも言えない前衛的なキャラクターたち、そしてまた意外と熱いバトルとドラマ…純然と全てが面白かった。
…が、今改めて見てみると、これだけ男同士で露骨にラブラブわっしょいしている少年マンガもそうはないと思う。
人気があったのをいいことに、腐女子作家が日本全国の男児やおい教育を施していたと思うとなかなかゾッとする。
マジックは主人公シンタローの父親なのだが、自分の息子のぬいぐるみを作って、それに頬擦りをして鼻血を出すという発禁もののキャラクターであった。
マジックのあの姿は柴田亜美先生ご本人の人格が投影されていたのではないだろうか。
 
■ 範馬勇次郎 …出演作品:グラップラー刃牙シリーズ(1991-)

ミスター困ったお父さん。「地上最強の生物」「オーガ」の異名を持つ戦士。
息子刃牙に施した教育は「強くあれ」、ただそれだけ。
「いいか刃牙ッ 目に焼きつけろッッ これが武術における敗北だァッッッッッッ」と叫びつつ、幼少期の刃牙の前で武道家たちをミンチにしていく勇次郎。
幼少期の刃牙に全力で左拳を打ち込み(寸止め)走馬燈を見せて「死に際の集中力!!! こいつをモノにしろ!!!」と言う勇次郎。
刃牙と和解した夜叉猿を惨殺して、刃牙を挑発する勇次郎。
息子がこれから童貞喪失しようかという場面に仁王立ちで登場する勇次郎(しかも半笑い)。
デリカシーや情操教育の面では最低最悪としか言いようのない父親だが、一つの価値観を発信し続けるという意味ではこれほど徹底した人物もいない。
しかし、最近はちゃんとした教育を施してこなかったことに対して息子からイヤミを言われたりしている。当然のごとく逆ギレ。
 
■ デューク東郷 …ゴルゴ13(1968-)

実はゴルゴには息子と思われる人物が今のところ2名出てきている(母親はそれぞれ違う)。
そのうちの一人は幼少期に爆発物をいたずらしていて死亡してしまっている。もう一人は現在どうなっているのかは不明だが、少なくとも作中の話では普通に生きていた。
あれだけ臆病を自称するゴルゴだがどうも基本的にゴム無し派らしく、どちらも行きずりで妊娠させいて本人は子供の存在を知らなかった模様である。
父親としてのゴルゴの顔は未だ不明だ。「…」とか言いながら息子とキャッチボールをするゴルゴを見てみたい。
 
■ 前田郷介 …出演作:えの素(1997-2003)

本編の主人公。42歳。妻とは離婚し、息子のみちろうと二人暮らし。TSURA 社課長だったが、一度解雇されかけた後に清掃課に異動、後に課長に昇任。姉に道江がいる。
バカでデブでスケベで見栄っ張りで大食らいと、一見いいとこなしの中年男だが、誰に対してもそれを隠さず「男とはこういうものだ」を堂々と体現して憚らない。
最終巻で二比のインポテンツを治す為に田村と共に二比の体内に入るが、田村の裏切りによって二比の精子と共に射精されてしまい、タミの卵子に受精して10ヵ月後に二比とタミの息子として出産される。
Wikipedia 「えの素」より

まんまWikiから抜粋したが、なんのことやらさっぱりな文章だ。
いや、原作を実際読んでいてもわけはわからないのだが、男ってのは常に自由であることを教えてくれるお父さんだ。
 
■ オルテガ …出演作品:ドラゴンクエスト3(1988)

主人公・勇者の父親であるオルテガ。彼は子供の物心が付く前にたった一人で旅立ち、魔王の城を目指していく。
成長した勇者は冒険と戦いを重ねて、最後の最後、ラストダンジョンであるゾーマ城で父親と再会することになるのだが…そこで出会った父親の姿は、覆面マントにパンツ一丁で手斧を持ったど変態であった。
グラフィックの問題はさておき、勇者がゾーマ城にたどり着くまでに攻略してきた数々のギミックを、カンダ…じゃなかったオルテガはどうやってくぐり抜けてきたのだろうか。
なんせ攻略に必要なアイテムは勇者が持っているし、イベントも当然勇者が起こしている。オルテガはそれよりも以前に強引にそれらを突破してきたことになる。それこそゾーマ城だって海で隔てられていて「にじのしずく」というアイテムがないと渡れないようになっているのだが、これも自力で泳いで渡ったということになる。
そもそもゾーマ城一直線で、地上にはびこる魔王バラモスはスルーしているのはどういうことなのだろうか。
さらに、旅の途中でなぜか「ポカパマズ」という偽名まで使用している。まるでいかがわしいお店に入って偽名を騙る有名人のようではないか。
どちらにせよ、その旅がかなり豪放なものであったことが伺える。いい旅夢気分
 
■ 天野河大輝 …出演作品:人造昆虫カブトボーグ V×V(2006-2007)

お父さんキャラは半裸にならないといけないという不文律でもあるのだろうか。彼も半裸。しかも仮面付き。
カブトボーグの主人公・天野河リュウセイの父親にして悪のボーグ組織ビッグバンの総帥・天野河大輝。
普段家では優しいお父さんなのだが、仮面マントの半裸姿でいるときはビッグバンとしてリュウセイの前に立ちはだかる。
口調としては完全に悪の親玉ではあるものの、なんだかんだリュウセイの成長を促しているあたり相当な親バカがうかがえる。
…しかし、もし実際あんなのがお父さんだったら恥ずかしいだろうな。十二分にイジメの原因になりうる。…いや、ひょっとしたら逆に友達から気を遣われるかも知れない。
 
■ 早乙女玄馬 …出演作品:らんま1/2(1987-1996)

らんま1/2の主人公である早乙女乱馬の父親で、実戦格闘技『無差別格闘早乙女流』開祖。水を掛けるとパンダになる。
乱馬の物心が付く前に「乱馬が男の中の男に育たなければ、父子揃って切腹する」という約束を勝手にする。また、乱馬の許嫁を二重に約束してほったらかしにもしている。そして困ったらいつもパンダになって誤魔化す。
まさにちゃらんぽらんを絵に描いたようなおっさんだが、私は玄馬が大好きである。
とりあえず行動してみるフットワークの良さ、思いつきと運で切り抜ける要領の良さ、何かあったら即逃げる腰の軽さ、男とはこうありたいものだなと思ってしまう。
人家でパンダを飼っているのは天道家だけ!
 
■ タクマ・サカザキ …出演作品:龍虎の拳(1992)

龍虎の拳シリーズの主人公であるリョウ・サカザキ、そしてユリ・サカザキの父であり、極限流空手の創始者
龍虎の拳1では天狗の面を着けて「Mr.カラテ」として登場。2では面は外すが半裸になって登場する。…こいつもか。
ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズでは息子のリョウと女性格闘家のキングをくっつけて跡継ぎをつくろうと画策。その白々しい演技にキングは辟易している。
『SNKvsCAPCOM』ではMr.カラテとして現れ、自分の正体がバレていないと思って極限流空手の宣伝をして回る。ちなみに知り合い全員に正体はバレている。
リョウやユリも含めて、もはやSNKのギャグ要員になってしまっている感のあるサカザキ家。妻のロネットは天国で泣いているぞ。
 
 
うーん、どれもどうしようもないが魅力的なお父さんばかりだ。
野原ひろしや磯野波平のように家族と責任に生きるお父さんたちも格好いいが、上記のように好き勝手やって男の生き様を見せてくれるお父さんたちもまたステキではないだろうか。ドッジボールの修行の旅に出ていなくなっちゃうとかね。
私も彼らを見習ってそのうち立派な父親になりたいものである。息子の童貞喪失直前にガールフレンドごと説教するようなステキな父親に是非なりたい。
 
現実世界でのお父さんは、仕事が忙し過ぎると家族とあまり顔も合わせず、下手をしたら家庭の中で異物のようにもなってしまう。
というか、大抵のお父さんは実際顔を合わせるとウザいもんだ。多分世の中のお父さんの80%が子供に一度は「死んでくれマジで」と思われたことがあるだろう。
しかし、それでもやはりお父さんはお父さんなのだ(雑なまとめ方)。
孝行したい時に親はなし、孝行したい時にブルマなしだ。なくなってからでは遅いのである。
もし貴方のお父さんがご健勝で居所も判っているのならば、是非父の日に何か送りつけてみてほしい。普段ぞんざいな扱われ方をしている分、大層喜ぶかもしれないぞ。
 
おわり

ソフト・オン・デマンド サプリメント 【WILD】 ワイルド

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ブラック・スワン


【ネタ】…映画 ブラック・スワン(2010) 監督:ダーレン・アロノフスキー
 
【説明】…バレリーナが主役を演じるプレッシャーにより徐々に精神を壊してゆく、アメリカのスリラー映画
主人公ニナ(ナタリー・ポートマン)は、ニューヨークのある一流バレエ団に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っている。
ニナの所属するバレエ団は次の公演『白鳥の湖』の上演準備に入っていた。
バレエ団のフランス人監督トマス(ヴァンサン・カッセル)はこの演目のプリマ(主役)「スワン・クィーン」を誰にすべきが腐心していた。スワン・クィーン役は、純真で無垢なホワイト・スワンと官能的で邪悪なブラック・スワンの二役を一人で踊らなければならず、相反する性質を一人で表現するために、技術的および精神的な実力が必要となる。
ニナは卓越した技術で有力なライバルたちと共にスワン・クイーンの候補者として選ばれる。
しかし、潔癖性で生真面目なニナはホワイト・スワンとしては完璧だが、蠱惑的なブラック・スワンの演技が全くできない。
巡ってきたプリマのチャンスがプレッシャーとなり、ニナはそれまで目を向けていなかった自分自身のコンプレックスに飲み込まれ、次第に精神を崩壊させていく。

 
【独断】…腰が抜けた(以下:中くらいのネタバレあります)
あまりの怖さにエンドロールが終わってもしばらく立てなかった。もしかしたら少し漏らしたかもしれない。すみません、TOHOシネマズ府中さん。
 
前情報がほとんどない状態で見に行ったのだが、こんなに強烈だとは思わなかった。
漠然と「バレリーナが主役を演じるプレッシャーにやられてしまう」という粗〜い粗筋だけ知っていたのだが、正直「たかがそれだけの話」としか思っていなかった。
だってまぁ、どう考えてもそんなに派手な展開はないだろう。その地味な話をバレエという華美なモチーフで演出して、なんか良い塩梅にエンタメの入った人間ドラマに仕上がっているのかな…とかなんとか、安い想像をしていたのだが…実際の内容は全然違っていた。
本作は観ている人間に圧倒的な緊張を強いるスリラー映画となっている*1
 
主人公のニナはニューヨークの一流バレエ団に所属している若手のバレリーナ
バレリーナだった母親から幼少期よりバレエの教育を施され、今もその母親とともに二人で暮らしている。懸命に練習し、悩み、躓けば優しい母親に相談し、またバレエに打ち込んでいくという毎日を送っていた。
そんなニナにある日チャンスが巡ってくる。バレエ団の次回講演『白鳥の湖』において、監督のトマスが「主演に若手を抜擢する」と発表。バレエ団の転換期として今後の顔になるべきプリマを選ぶこととなった。そして、その候補にニナも選ばれたのだ。
しかし、『白鳥の湖』の主役である「スワン・クイーン」は純真で無垢なホワイト・スワンと官能的で邪悪なブラック・スワンの二役を一人で踊らなければならず、潔癖性で生真面目なニナはホワイト・スワンとしては完璧だが、ブラック・スワンの演技が全くできない。
有力なライバル達に煽られる中、ニナは次第に焦りを覚えていく。
 
…やはり、たかがそれだけの話…ではある。別に悪霊が襲いかかってくるわけでもなければ、猟期殺人者が出てくるわけでもない。さらに言えば感動的な人間模様があるわけでもない。ただニナが葛藤し、もがき苦しむだけの話である。
しかし、この「たかがそれだけ」という閉塞的な状況こそが、観客にド級の緊張と恐怖をもたらす。

 
本作は基本的にずっとニナの視点で物語が進行していく。
そして、その舞台の大半は母親と一緒に暮らしているアパートの部屋の中か、バレエ団の練習場と控え室である。本当に上映時間のほとんどがどちらかのシーンなのだ。
どういうことかというと、ニナの人生のほぼ全てがそこだげで構成されているのである。
ニナは朝起きて母親と朝食を取り、バレエ団に行きレッスンをし、帰ってきたら母親に今日あった出来事を言って寝かしつけてもらう。
多少の違いこそあれ、おそらくはこのルーチンを20数年間繰り返してきたと思われる。
過保護な母親になんら疑問を持たず、自分の幸せはバレリーナとしての成功以外にはないと信じ、人生の全てをバレエに捧げてきた。
 
しかし、バレエしか知らないニナに官能的で人を誘惑するようなブラック・スワンの演技などできるはずもない。
踊りの技術こそ高度で正確だが「人形のようだ」と監督のトマスから何度もダメ出しをされる。そして、自分とは対照的に躍動的で自由に踊るライバルたちを見ているうちに、ニナはそれまで目を向けていなかった自身のコンプレックスにぶち当たる。
自分には人間らしい経験や感性が欠けていて、またそれを得ようとする勇気もない。そして、そうなるように育てたのが、誰であろう、自分が最も信頼している母親であることに気が付いていく。
 
本作が残酷なのは、ニナ、そして観客に逃げ場を与えないところにある。
バレエ団に行けばブラック・スワンを演じられず苦悩し、アパートに帰れば干渉過多な母親が待っている。心を開いて話せる友人もいなければ、憩いになるような場所も趣味も持たない。
物語が進むほどにどんどんとニナは追い込まれていく。自分の人生が抑圧にまみれたものだと気付いていくが、気付けば気付くほどストレスは肥大化し、元々持っていた自傷癖も悪化していく。
観客も見ていて「ああ…どうあってもこれは救われない結末になる…」ということが途中でわかるのだが、一体どうなってしまうのかがわからない。ただただ悲劇をひた走っていく。
 
本作の日本版のキャッチコピーは

純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる…

範馬勇次郎がニナを見たら「挑まれた役に背を向けて震えることを野心と呼ぶなど、生物史始まって以来のことだろうぜw」とバカにするであろうこと間違いない。それだけニナは臆病で繊細だ。
しかし、それゆえに徹頭徹尾利己的だ。
自分がプリマの座を得られるのならば他人のことなどどうでもよいと思っている。ライバルのバレリーナなんて全ていなくなって欲しいと願っているし、自分が何か失敗すれば必死で他人のせいにもする。監督のトマスの心を惹きたいと思っているが、それも全てプリマのためだ。母親も自分のキャリアの妨げでしかない。
彼女の徹底した利己主義は、クライマックスの場面で黒く大いに華開く。
ニナは自分の邪魔になるモノを消し去り、抑圧から解放され、ブラック・スワンとして至上の演技を見せる。

 
そしてまたこの映画、映像全体に妙な迫力があるのだ。
登場人物の肌の荒れ具合までわかるようなリアルな質感で、画面の揺れも多く、なんというかドキュメンタリーのような雰囲気さえ感じる時がある。
トウシューズを履くだけのシーンでも、シューズにもの凄く寄った画でギュッギュッギチギチと力感のある音が流れる。で、そのトウシューズも見事に使い古されて薄汚れていたりする。
また、肉体的にもイタタタタタ!って場面が結構ある。別にスプラッタ映画のように「ひでぶ!」「あべし!」「たわば!」なグロ映像はないが、一々皮膚とかがリアルでもの凄く生々しい。
舞台となる場面も広く開けたところはほとんどなく、全体的に視野が狭くなっていて閉塞的。人や物が常にアップで映され威圧感すら覚える。
ニナの小さくて息苦しい世界観が観客席にも伝播されていく。
 
まぁもう大迫力ですよ。
私は大抵、映画を見始めて20分くらいすると「早く終わらないかな」とか思ってしまうのだが、本作に関しては本当に最後までスリリングに楽しめた。
完全に作り手の思うつぼ。「ああああ! どうなるの!」「ひいい! そんな!」「ぎゃああああ!」…心の中がやかましいことやかましいこと。
演技の貴賤はわからないけど、それだけ没入できるというのは役者さんの力も当然もの凄いのだろう。
怖い映画には違いないので誰にでもオススメというわけではないが、本当に入魂の一作という感じがする。
 
私は高校時代にB級C級映画を沢山見ていて、サイコスリラー作品も漁っていたけれども、大抵ただ人がぶっ壊れるだけで安易な展開になるものが多かった。精神病をちょろっと勉強した監督が、それをモチーフに下品な猟奇サスペンスを描いて終わり…というのがよくあるパターンだった。
本作『ブラック・スワン』だって一歩間違えればそうなるはずなのだが、結局一通り観てそういった安っぽさが微塵もなかった。これは素直に凄いことだと思う。
この手の映画が苦手でなければ是非観に行ってほしい。
ちなみに、かなり性的なシーンもあるので*2、家族一緒に観るのはやめた方がいいと思う。

 
…うーん、しかし、今回のエントリーもまたネタもなく完全にただの感想文と化してしまったぞ…
…無理矢理なんかやるか。
 
テッテッテテー♪ 「ブラックスワン!」
テッテッテテー♪ 「ホワイトスワン!」
テッテッテテー♪ 「レッドスワン!」
テッテッテテー♪ 「イエロースワン!」
テッテッテテー♪ 「…レッドスワン…」
「…あー! 惜しい!」「なんでそこで赤にするかね。考えられへん」「浜田さん、ここは青しかないでしょう!?」
「青しかない言うたかて俺にはわからんがな!」
「も一丁行くかぁ!」
 
テッテッテテー♪ ブラックスワン
 
おわり

ブラック・スワン オリジナル・サウンドトラック

ブラック・スワン オリジナル・サウンドトラック

 
【追記】…感動するよ!
なんか「怖い」「怖い」書いてしまったが、終盤のニナの踊り、そして結末には本当に感動します。
ニナがバレリーナとして死狂いの研鑽をし、自分の殻を破った果てにたどり着いた境地。
必見です。
 
おしまい

*1:単純なスリラー映画というよりは、負の方向の人間ドラマ

*2:エロいはずなのに、怖くてそれどころではなかったりする。あとポートマンさんが貧にゅ(ry

江戸川式護身術−雷雲拳−講座


【ネタ】…護身術
 
【説明】…T-260Gが開発した護身術「江戸川式護身術−雷雲拳−」を解説するエントリー

 
【独断】…雷雲拳は全くのオリジナルです
「サクっと誰でもすぐにできる護身術」というようなコピーをたまに目にするが、そのような看板を掲げる格闘技団体・道場は勇気があるなと常々思う。
道を修めていく理念としての「護身」なら解る。また、途方もない研鑽により強くなった結果としての「護身」も解る。あるいは、軍隊や警察などが格闘戦での勝率を上げるための実戦プログラムとしての「護身」も解る。
しかし、インスタントな擬似格闘としての「護身」は解らない。
一応、即行で実用的に使えないとこれは詐欺なわけだろう。ロクに体を鍛えたこともない、殴り合いの喧嘩をしたこともない人に、ポンと何かを教えて「ハイ、護身完成。あなたは安全です」と言うのはやはり結構な勇気が要ると思う。これは「強くなる」という保証よりも圧倒的に不確かで責任が重い。
 
もちろんある程度鉄板のハウツーはあるはずだ。防災訓練的に、知ってさえいれば被害を受ける確率がちょっと減る。みたいなの。
しかし、高額なセミナーでその程度のことを教えるのはどうかと思うし、また長期的な道場通いを必要とするなら単に手段を教えるだけでなくキチンと強くなれるところに行った方がいいとも思う。
 
当たり前だが、格闘技ってのは別にヘビー級の力持ちがよりジャイアニズムを発揮するために生まれたものではない。
力まず効果的に力を伝える方法なんて、一般的な格闘技のジムや道場であればどこでも教えてくれる。きちんと基礎からだ。その上でストレングスを施していく。
パンチ一つ、投げ一つ、受け身の取り方一つ、繰り返し繰り返してようやく形になる。端から見たらたかが知れた単純な動作も、反復しなければそうそう正確にできるものではない。
「力を使わず相手を制する」とかは、本来そういう基礎を高いレベルで習得したからなせるものであって、「手っ取り早く使える技」とは本質的には真逆だったりする。最近は介護に古武道の動きが取り入れられていたりもするが、習ってすぐに使えるとしたら、そのような形で相手が動かないことを前提に運動効率を上げるというのが精一杯だと思う。
 
インスタントな“護身術”はいきなり応用の話だ。基礎がないから応用の利かない応用の話である。
自分の動作もまともにできないのに襲いかかってくる相手を緊張状態で捌いてみせろって、実際のところ無茶な話だと思う。
仮に教えてくれる先生自身が本当に強くても、基礎がないまま教わった人にとってどの程度身になるのかは甚だ疑問である。それこそボブの絵画教室みたいに「ね、簡単でしょ?」と言われても実際には全然簡単じゃなかったりするのと一緒だ。
 
はい、そんなわけで、今回のエントリーではインスタントな護身術をご紹介していこうと思う。
その名も「江戸川式護身術−雷雲拳−」。
荒くれ者の多い東京都江戸川区で生まれたマーシャルアーツ。実戦空手道とブーメランを組み合わせたまったく新しい護身術である。…どこかで聞いたことがあるような気がするって? それは気のせいだ。
今ここに雷雲拳の門を叩かんとする若者がいる。 それは貴方だ。貴方だけに伝えよう、雷雲拳の極意を。
うおおおおおぉぉぉ――――っ!

 
■ 弱点は目だ! と思わせるのはよくあること
人体の中で鍛えようがなく決定的なダメージを与えられる部位といえば眼球を即座に思い浮かべるだろう。
たしかに、シューティングゲームやアクションゲームで巨大な敵が現れた時に、その敵の弱点が目であるケースは多々ある。『ゴッドオブウォー』でサイクロプスの目を豪快にえぐり取るクレイトスさんの姿に憧れる者も多い。
しかし、実戦はそんなに甘くはない。もう「弱点が目」であることにみんなちょっと飽きているのである。
GS美神 極楽大作戦!!』でも弱点が目だと思わせておいて本当の弱点は背中…という敵キャラがいただろう。1990年代に連載されていたマンガですらそうなのだ。2010年代に突入した現在、目に対する直接攻撃は時代遅れと言わざるを得ない。
最近の流行はやはりトサカの部位破壊だろう。
 
■ 金玉はシャオリーを使う
もう一つ人体の弱点として思い浮かべるのが男性の睾丸だ。いわば体外にある内臓、これは確かに有効である。
しかし、実のところ狙って金的を放つのは難しい。足の甲を下からすり上げる金的蹴りはインパクトの位置、角度、スピード共に蹴り技自体の習熟が必要で、慣れていないとスムーズには入らない。取っ組み合いの中で膝蹴りで狙う方が確実だが、当前その距離であれば相手の攻撃も覚悟しなければならない。
また、金的は角度良く強打しない限りは意外と耐えられたりする。もちろん軽くでも打ち付ければ痛苦しいことには違いないが、あいつらも伊達にグネグネしているわけではなくそれなりにシャオリーらしきことをしてダメージを軽減するのである。
やつらのシャオリーを無効化したくば壁(骨盤)を利用して力の逃げ場をなくすのが最も効果的だ。壁を利用すればシャオリーは使えない。
ちなみに、シャオリーがなんなのか分からない方は格闘マンガ『バキ』の26、27巻を参照していただきたい。
 
■ ブーメランを使え
護身が必要となる緊急事態において、あなたが格闘の素人であるとするのならば武器の使用を躊躇う必要は全くない。
ただし、刃物はやめた方がいい。一度刃物を取り出すと、それはもう命のやり取りになってしまう。
そう、そこでブーメランなのである。長さ50cm強の木製のブーメランがあれば全ては事足りる。
鈍器として使えることはもちろん、打突に用いることも可能。攻撃をされたときの盾にもなる。なおかつ遠距離から投擲武器としても使用できる。ブーメランは全方位型の護身具なのだ。
問題は、ブーメランを携帯する際の日常生活への支障だろう。まだ雷雲拳が浸透していない今の世にあっては、その機能美が理解されず奇異な目で見られてしまうこともしばしばある。
個人的には携帯電話のストラップとして持ち歩くのが一番自然で良いのではないかと思う。携帯電話を持っていなかったりスマートフォンで取り付けが出来ない場合は、サンバイザー等何か身につける物として擬態すると違和感がない。
 
■ ブーメランにはお洒落で可愛いステッカーを貼ろう
ストレングスを課さず即席でできる護身を旨としているのであれば、その術は日常生活に自然に浸透しているものでなければならない。
いくらブーメランを携帯ストラップと称して持ち歩いていても、そのデザインが無骨であれば、傍目には木刀を腰に差して歩いているのとさして変わりはないだろう。ブーメラン自体もお洒落で可愛くなければならないのだ。
最近では、江戸川区江東区を中心に雷雲拳用のアイテムを取り揃えるスポーツショップや格闘技用品店も増えてきた。ブーメランステッカーの品揃えも豊富になってきている。流行をチェックして季節に合わせたステッカーを貼るのがスマートな護身と言える。
 
■ 左を制する者は護身を制す
ここからは具体的な戦い方に関して書いていきたい。
雷雲拳は右手にブーメランを持ち左手は素手というのが基本的な構えとなる。左手の側を半歩前に出す。足のスタンスは横が肩幅くらい、縦もそれと同じくらいの幅を取り無理のない動きやすい形をつくればいい。
右手のブーメランは基本的には決めの攻撃なので、あまりぶんぶんと無闇やたらに振り回すのは良しとしない。基本は左手でのジャブだ。割合としては左3、右1くらいの頻度で攻撃を出すつもりで。
ジャブで出した左手が相手に掴まれた、あるいは相手が間合いを詰めてきた場合は、ブーメランで容赦なく打突しよう。
はい、それでは実際にやってみよう。
ジャブ♪ ジャブ♪ ジャブ♪ OK! ジャブ♪ ジャブ♪ ブーメラーン♪ Yeah!
 
■ 左のトリプルを狙え
左のジャブをやるのに飽きてきたら、ジャブの直後に前足を回転させつつ踏み込んで左のフックも打ってみよう。
この際腰と肩の捻転差を利用して、若干肩をしならせるようにしてやると威力が出るぞ。手先だけで打たないように注意だ。足腰の捻りで打つように心がけよう。
それにも飽きたら、さらにその繋ぎで角度を変えて左のボディブローも狙ってみよう。この際、相手の右手がこちらのセンターに入らないよう注意しよう。右手をガードに引きつけると軸の安定感も増す。
実際にサンドバッグなどで打ち込んでみよう。
左ッ♪ 左ッ♪ 左ッ♪ Good! 左ッ♪ 左ッ♪ バックステッポォ! ブーメラーン♪
 
■ 足元がお留守ですよ
段々とただの(?)ボクシングになってきたので初心に返りたい。
とはいえ、雷雲拳は基本的に蹴り技や投げ技、関節技などは存在しない。それというのもこれらの技はリスクが大きく基礎訓練を経ずに用いようとするのは危険だからだ。へっぽこジャブはあくまでブーメラン攻撃への布石なのでへっぽこなままで構わない。
強いて言えば間合いを取るのに横蹴りを使うくらいである。近接での打突に自信がない場合に横蹴りを用いて遠間からの攻撃を狙う。
しかし、よほど脚力が強いか相手が打たれ弱くもない限り横蹴りは効かせることは難しい。綺麗に垂直にボディに入る保証もない。あくまで間合いを取るためと割り切ろう。本命は離れた後のブーメランの投擲である。
 
■ 普段からブーメランを投げる練習をしよう
いくら誰にでもすぐにできる護身術とはいえ、ブーメランの投擲には若干のコツがいる。
別に訓練だと思わずに、遊びや軽い運動のつもりで公園などで練習してみるといいだろう。最近では練習用・子供用の日本雷雲拳協会(JRC)公認ブーメランも4980円程度で市販されている。
投擲の際は、やはり肩から先だけで投げずに、足腰からしならせるようにして全身を使う。
上級者になると自分で投げたブーメランを自分の口でそのままキャッチしたりもする。バカな上級者は飼い主がブーメランを取ろうとしても口から離さなかったりするので最低限の理性だけは保っておきたいところだ。
最近ペディグリーチャムが美味い。
 
■ 家族・友人同士で技を試してみる
日常的なスパーリングは必要ないが、全く予行練習をしないのも不安である。
上記の事項を踏まえた上で、ご家族・ご友人同士でぜひ技を試してみて欲しい。

 
…こんなところだろうか。
書いている途中で完全にこのエントリー自体に飽きてしまったので、まとめの部分も全然やる気がない。
ぶっちゃけ、「護身術」を看板のメインに据えている団体は、真っ当じゃないところも沢山あるということが言いたかったのだ。もっと突っ込んで言えば、教えている人間がMMA崩れやフルコン空手崩れで、思いつきやパクリで自己流護身術に仕立て上げている場合もある。
真っ当なところももちろんあるが、たとえ技術的に有効であっても、ベースとなる身体能力*1や格闘そのものに対する慣れをある程度必要とするのが普通である。習えばすぐに…とはいかない。
そういったことを知らぬふり、あるいは本当に知らないままで“護身術”を教えているところもあったりするので、どうにも「護身」と高らかに謳うところには悪いイメージが付きまとう。
やるならきちんとルーツがあって組織立って運営しているところにするのが安全だろう。護身的にも。
 
それが面倒臭いというのならば、ブーメランを持ち歩くしかあるまい。
てきとーに書いたこととはいえ、マジで雷雲拳って有用な気がするぞ。
うおおおおおぉぉぉ――――っ!

 
おわり

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*1:相対的なものではなく、自分の体を自在に動かせる能力