「大阪に行ってきたよ」のコーナー


【ネタ】…大阪旅行
 
【説明】…大阪に行ってきた時のオモシロエピソードを募集するコーナー
一部、マンガ『孤独のグルメ』とゲーム『ドラゴンクエスト3』のネタが説明もなしに混じっています。ご存知ない方はなんとなくで楽しんで下さい。
また、写真を新世界以外でほとんど撮っていなかったため、文章の内容に関わらずてきとーな写真ばかり貼ってあります。
 
【独断】…いい旅夢キウン
先日、出張とは名ばかりの大阪旅行に行ってきた。一泊二日。
毎年仕事で大阪には行っているものの、いつも缶詰状態で街中を回る機会はほとんどなかった。
今回も仕事ではあるものの、やる事は少なく、そのほとんどが自由時間。ここぞとばかりに行き当たりばったりな観光をしてきた。
 
私の大阪の予備知識はスーパーファミコンソフト『初代熱血硬派くにおくん』しかない。
つまり街中を歩いていると、ヤンキーや女子高生や阪神ファンが脈絡もなくエンカウントしてきて喧嘩になるというのが、私の大阪のイメージだ。
梅田にいる府民が一番のザコで、心斎橋に行くと少し強くなり、難波あたりに行くとなかなか手強くなる。通天閣あたりでヤンキーの上位種であるモヒカンライダーが出没し、甲子園にはたまに鬼のように強い阪神ファンが現れ、もの凄い勢いでこちらにメガホンを投げつけてくる。
そして、そんな荒ぶる府民たちを力で押さえつけるのが史上最強の大阪府警ボブ・サップみたいなガタイをした警察官がパンチ一発でヤンキーたちを屠っていく。(本当にそんなゲームなんです)
 
そんな、暴力のみが物を言う世紀末都市・大阪。
私も身ぐるみ剥がされて『龍が如く2』よろしく道頓堀に投げ捨てられることを覚悟して向かったのだが…
 
…これが意外と、大阪の皆さんお優しかった。
仕事に関係する人達は平身低頭だったし、街中を歩く人達に道を尋ねてもみんな凄く丁寧に教えてくれる。むしろこちらの望んでいる回答に一つ二つ情報を付け加えてくれたりする。道路や電車内のマナーも特に悪い・荒っぽいと感じることもなかった。おまけに、チェックイン時間よりも大分前にホテルに着いたら、フロントの方が早めに部屋を開けてくれる始末。
…こんなの俺の知っている大阪じゃない。
エンカウント率が高すぎて満足に電車も乗れないのが大阪ではなかったのか。仕方ないから地下鉄を自力で歩いていたらそこでもエンカウントして電車が当たり前のようにヤンキーたちをひき殺していくのが大阪ではなかったのか。
…たまたま良い面を見たからといって決して油断はしないが、少なくとも今回行ってみた限りでは大阪の人達は優しかった。
 
 
着いた初日の昼にパッとその日の仕事を済ませ、とっとと観光に出掛けた。
行ったのは新世界・通天閣。これがなんだかメチャクチャ不思議な場所だった。
間違いなく観光地ではあるはずなのだ。有名なところだし。実際「The大阪!」と言わんばかりのド派手な看板が数多く並び、観光客の目を引いている。しかし、観光地にしてはなんか変なのである。
 
夏休み…しかもお盆の真っ最中、大通りも細い路地も人でごった返している。
串カツ屋の客引きが外国人観光客を両サイドからがっちりホールドしていたり、でっかい河豚の人形が宙に浮かんでいたり、まぁ、とにかく目にも賑やかなこと。劇場も沢山あって、演劇やお笑いライブもそこかしこでやっている。
…と思いきや、路地をよく見ると将棋場(?)みたいなところが何カ所かあり、数十人のオッサンたちがひしめき合って熱く将棋をしていたりする。観光地なのに?
他には凄いふつーに床屋がある。いや、床屋くらいあってもいいだろうが、まさかの800円カット。東京にも最近1000円カットの店は増えてきたが、さすが大阪、上を行ってくれる。失礼な言い方かもしれないが、本当に地元の人御用達という感じの床屋さんだ。
で、少し路地の裏手に入るとポルノ映画をやっている劇場があったりする。…観光に来てポルノ映画という選択もなかなかないだろうし、やはり地元の人がメインの客層なのだろうか。
とにかく、観光地なのに生活臭も強く、なーんとも不思議な空間なのである。
予備知識のない観光客にとってはただのカオスな通りなので、もう少し事前に情報を仕入れた上で新世界を回ってみたかったもんだ。
 
一応、新世界に行ったことのある知人から「新世界にある美味しい串カツ屋」の地図をいただいていたのだが、店の名前がわからない上に、地図もドラゴンレーダー並にアバウトなものだったので、私が昼食を取った串カツ屋さんがその店だったのかどうかも判らない。ここには串カツ屋さんが無数にあるのだ。
大行列をつくっている店もあったが、とりあえず程々に混んでいる店に入った。
あからさまに外様の空気を放つ私が、一人で酒も飲まずに賑々しい店でもそもそと串カツを食っている様は、我ながら完全に『孤独のグルメ』だなぁと思った。
慣れない手つきで独り串カツを食べる私に気を遣って、店員さんが明るく色々と話し掛けてくれるのだが、ローテンションで丁寧に返そうとする私がなんか気取っているみたいな構図になってしまってどうにもやりづらい。
でも、生まれて初めて食べた串カツは本当に凄く美味しかった。なんで東京にはあまりないのだろう。

  
さて初日の夜、実はツイッター上で知り合った方と飲みに行った。
仕事や観光よりも個人的にはこちらがメインイベントである。せっかく大阪に行くのだから、仲良くさせてもらっている大阪のフォロワーさんに会ってみたかった。ネットで知り合った方とリアルに会ってみるというのは、初めての経験だ。
…と言っておいてなんだが、どんな人とどんな話をしたかは一切書かない…
いや、こんな厠ブログのくせに勿体つけている…というわけではなく、先方のプライバシーに関わる事でもあるので、やはり一応具体的なことは書かない方がいいかなと思った。
 
2日目の夜にもやはりツイッターで知り合った違う方とお会いして、両者ともに私とプリクラを撮っていただいた。
プリクラなんて撮るのは10年ぶりだったのだが、最近のプリクラの進化っぷりには驚かされた。
目は異様に大きくされるし、眉毛のラインはスーっと綺麗に修正されている。唇はツヤっツヤ。髭のそり残しなんて微塵も写らない。要するに自動でフルメイクが施された顔になるみたいだ。
確かに写真写りってのは大事だが、もはや100点満点を超えた詐欺みたいなルックスに仕上がっている。私なんてまるでアルティメットフルメイク状態の蓮舫さんのようだ。
…とにもかくにもとてもいい思い出の品ができた。
どちらともお会いできて有意義な時間が過ごせたし、以後の付き合いもより近くに感じられるようになった。
オフで会うことが日常化している人からすれば「だからなんだ」って話なんだけど、私としては凄く大きな出来事だった。
 
一通り飲んで話して、初日のイベントは終了。ホテルへ帰る。
ホテルは梅田に予約していたのだが、これがまさかの風俗街のど真ん中。夜にホテル周辺を彷徨いていると全方位から誘われること誘われること。
旅先という解放感もあり、ここは誘惑に身を委ねたいところではあるが、断腸の思いで我慢した。
千切れた腸を抱えながら歩いていると、「兄ちゃんええ体してまんなぁ!ヤクザやらへんか!」とのお誘いもいただいた。
「あぁー、そう、これ! これが私の求めていた大阪の空気だよ!」
なとど失礼なことを考えながら部屋に戻る。…有料チャンネルカードも買わなかった。えらい!
 
百式観音をする寿司屋と、何をするのか全くわからない大西ユカリショーのポスター
 
2日目。
とっとと仕事を済ませて、昼には道頓堀に。
道頓堀は大分前の出張でも行ったことはあったが、本当に行っただけだった。みんなで飲んで終わり。で、今回も行っただけになってしまった。独りで食べて終わり。
以前行った時は日韓サッカーワールドカップの真っ最中で、まぁーそれはもう通りは日本サポーターでごった返していた。
地理がわからなくてうろうろしていたら、日本が勝利を決めた瞬間に道頓堀全体がぎゃわーってなって、見知らぬお姉様に抱きつかれた良い思い出がある。
…それはともかく、店が多すぎてわけがわからない。新世界は串カツ屋だらけだったけど、道頓堀は飲み屋とたこ焼き屋ばっかり。
今回は、一人、たこ焼きを食べた。美味しかった。
 
夕方にはツイッターで知り合った方と梅田で待ち合わせをしているのだが、まだかなり時間は余っている。
道頓堀は食べ物屋ばかりなので、ここは梅田に戻ってお洒落にショッピングでもしようと思い*1、梅田駅近くの阪急百貨店メンズ館へ足を運ぶ。しかし…
これが…高い!絶対に高い!
全ての商品が本当に高額なのである。所謂ブランド物しか置いていないデパートで、建物の造りからしてなんか“上質”な感じ。イヤな予感はしていたが…それにしたって予想を遙かに超える歯の立たなさ。
こっちが着ているのはルイーダの酒場でデフォで支給されるただの「ぬののふく」だ。本来は私なんかが店内を彷徨くのもいけないんじゃないかというような雰囲気。だって「まほうのよろい」クラスの装備品しか売ってないんだもの。エジンベアの門番よろしく「いなかものはかえれかえれ!」と言われるんじゃないかと思った。
一見ふつーっぽいシャツを見つけて、「これなら買えるんじゃないかな…」と思って恐る恐る値札を見てみると…当たり前のように5桁の数字が書いてあったりする。…ド、ドリームキャストが定価で買えるぞ!
 
そんなわけで、メンズ阪急から早々に退散し、お隣のHEP FIVEというデパートに入ってみる。
このビルにあるスターバックスが待ち合わせ場所だ。約束の時間まであと2時間くらいはあるけど、なんとかこのビルの中で時間を潰したい。真夏の快晴、外には絶対に出たくない。これから大事な人と会うのに汗だくだくは勘弁だ。
 
しかし、このHEP FIVEがまた曲者。
カジュアルなファッション全般を取り揃えているものの、基本的には若い女の子向けの店が多いのだ。で、折しも時節は夏休み。ビルの中を女子中高生がわっさわっさと大量に蠢いている。キラキラしていて結構なことだが私にとってはここも完全にアウェーだ。どう見ても私は変質者のポジション。
一応男性用の洋服店もあったので見てみたが、私からすると小さい服ばかりで買い物は早々に断念した。B系を取り扱っておいて長身用のがないってどういうことだ。
仕方ないからなんか軽くスイーツでもいただこうかと思ったら、洋菓子店は女の巣窟。ダイブしたい…いや今の無し。とても男一人で入れる雰囲気ではない。諦めて他の店へ。
しかし、他のレストランはわりとガッツリ食事をするところばかりで、これから飲みに行くってのにそんな食べるわけにもいかない。
じゃあもういっそあちこち行くの諦めて、今からスターバックスで待っていよう。
…と思ったら、スタバがコミケ壁サークル並の大行列…
あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
 
HEP FIVEの観覧車と、夕方の梅田
   
にっちもさっちも行かなくなって、トイレに逃げ込んで独りで泣いた。
トイレで泣くなんて小学生以来の経験ではないだろうか。大阪に打ちのめされた。
なんなんだよこのビル(HEP FIVE)。観覧車とか付いてるし。クレイジー過ぎるだろ。俺だって中高生くらいのときにデートで来たかったよ。
 
結局スタバの大行列に並んだ。一人だったために意外と早く席に通される。
しかし待ち人が来るまでまだ1時間以上ある。一人、ダークモカチップクリームフラペチーノ一杯でずっと席を埋めていていいものなのだろうか。大行列自体は続いている。
まだ誰かと会話をしているというのならば体裁もいいだろうが、私はiPhoneで所在なさ気にツイッターをやっているだけだ。心なしか並んでいる方々からの視線が痛い。
やはりトイレでずっと泣いていた方が良かったのではないかと思いながら、ダークモカチップクリームフラペチーノがすぐに空になってしまわないよう、慎重に慎重にズズ…と、飲んでいた。
永遠に続きそうで一瞬のワンサマー。
約束の時間…果たして待ち人が来た時はその方が神様に見えた。あまりにも一人で長く居すぎて声を発していなかったため、発声が上手く出来ず「はかっ…は、はじめしまて!」となってしまった。
 
そんなこんなで、その後楽しく飲んでプリクラ撮って東京に帰りましたとさ。
…実は新幹線の終電に間に合わなかったから、新大阪のネットカフェでもう一泊したんだけどね。
バカボンド』を胤舜戦のあとくらいから全然読んでいなかったのを思い出して、この機会にネットカフェで一気読みさせてもらったんだけど、これがめちゃくちゃ面白くてかつ勉強になった。
あまりにも『バカボンド』にハマり過ぎて、一睡もすることなく新幹線の始発へ。
なんか最後まで無計画でまとまりのない旅だったけど凄い満足した。
 
…これで帰りの新幹線でジェットシウマイをかましていれば、完全に『孤独のグルメ』だったな。
 
おわり

初代熱血硬派くにおくん

初代熱血硬派くにおくん

*1:東京でもしたことないくせに