フレンズ(Friends)


【ネタ】…テレビ ドラマ フレンズ(1994-2004)
 
【説明】…アメリカ・NBCで1994年から2004年にかけて放送されたテレビドラマ(シチュエーション・コメディ
いわゆるジェネレーションX世代である「社会に出てもなかなか大人になれない」登場人物たちの、都会的なライフスタイル、友情や恋愛を、オフ・ビートなユーモアでコメディに仕立てあげている。
1994年9月22日にアメリカのNBCテレビで放送を開始して以来、瞬く間に世界に広がり、最もヒットしたシットコムの1つとなった。2004年5月6日にアメリカでシーズン10の最終回を迎え、このときのアメリカでの視聴者数は5020万人にものぼった。
放送開始当初の出演者のギャラは1話30万円ほどだったが、番組の人気が高まるにつれてシリーズ更新ごとにギャラが上がっていき、シーズン9からシーズン10では1話につき主要キャストの6人のギャラはそれぞれ1,000,000米ドル(当時の日本円で約1億2000万円)にまでなった。一説ではこれがシーズン10で終わった理由と言われている。

 
【独断】…好きすぎる!
「T-260Gさんって、意外と青春モノとか友情モノのドラマや漫画が好きだよね。自分がまともな青春送っていないからそういうの好きになるんじゃないの?」

…昔、リアルに面と向かってそう言われたことがあった。
その時は本当に「ぐぬぬ…」となって言葉に詰まってしまったのだが…今、敢えて言おう。「その通りである!」と。
 
まぁ、もう、大好きです。『フレンズ』。
昔、WOWOWでこのドラマが放送され始めたとき、私は中学1年生だったのだが、当時は「なんとなく面白いドラマだな」というくらいにしか感じていなかった。
しかし、時が経つごとに、シリーズを重ねるごとに、そのエピソードの一つ一つがじわーっと心に染み込んできて、最終シリーズを迎える頃には、もはやドラマの世界が自分の半生であるかのように感じていた。
愛すべき6人のメインキャラクターと共に過ごした10年は、紛れもなく私の青春そのものである。…ような気がする。
 
あれだよねー、もうね、フレンズは見続けていると自分が7人目のフレンズになっちゃうんだよね。
 
…なんか今、薄ら寒いことを言ってしまった気がする。
 
あれだよねー、もうね、フレンズは見続けていると自分が7人目のフレンズになっちゃうんだよね。
 
気恥ずかしさを振り切るためにもう一度言ってみた。
やはり、触手だのビキニカンフーだのの話をしているときよりも恥ずかしい。

 
舞台はニューヨーク・マンハッタン。
6人の男女が、友情に恋にキャリアに悩み、互いに励まし合って前進していく様をユーモアを交えて描いている。
一流のシェフになるためニューヨークで修行中のモニカ。
自分の結婚式から逃亡し、高校時代の親友だったモニカの家に(勝手に)居候しに来たお嬢様レイチェル。
そのレイチェルが昔から好きだった、モニカの兄、考古学者のロス。
ロスの大学時代からの親友、モニカの部屋のお向かいさん、情報系大企業に勤めるチャンドラー。
チャンドラーのルームメイトで、売れない役者のジョーイ。
モニカの元ルームメイトで、自由奔放に生きるマッサージ師のフィービー。
彼ら6人は、それぞれに働き、生活しながら、暇さえあればコーヒーハウス「セントラル・パーク」に集まり、だべっている。
 
 
レイチェルを除く5人は第1シーズンの第1話から友人同士であり、その出会いに関する説明は特にない。各人物の職業や関係性もわざとらしい説明はなされていない。
なので、なんの前情報もなしに見始めてみると、まるでシーズンの途中から見ているかのように唐突な印象を受けるかも知れない。そういった過去やそれぞれの関係は追々掘り下げて描かれていく。
 
第1話の最初のシーンは、コーヒーハウス「セントラルパーク」から始まる。
離婚直後で意気消沈しているロスを仲間がみんなで励ましている。ロスは、妻をレズビアンの女性に寝取られてしまったのだ(いきなりスゲー出だし)。
そこに世間知らずのお嬢様レイチェルがやってくる。自分の結婚式から逃亡し、ウェディングドレス姿のままモニカを訪ねてきたレイチェル。彼女は持ち前のワガママぶりで強引にモニカの部屋に泊まろうとする。
消沈していたロスは初恋の人レイチェルの登場に浮き足立ち、他のメンバーも面白げにレイチェルを歓迎するのだが…
…という具合。
ここから6人の物語が始まっていく。
 
モニカとレイチェルはアパートの同室で2人暮らしをすることになる。向かいの部屋にはチャンドラーとジョーイがやはり2人暮らしをしている。ロスはモニカたちのアパートの近くで1人暮らし。フィービーも近くで1人暮らしをしている。そして全員の中心にセントラルパークがある。
シチュエーション・コメディなのでロケーション撮影はあまりなく、シーンの多くがセントラルパークかモニカの部屋、またはチャンドラーの部屋になっている。
そこでみんなで集まってあれやこれやと揉めたり騒いだりイチャイチャしたりするわけだ。
  
 
シーズンごとに登場人物たちもリアルタイムに年齢を重ねていき、それぞれのキャリア、お互いの関係も変化し続ける。
シリーズ序盤(20代半ば)は6人とも現状の仕事や恋愛に満足していない。
モニカはもっと一流のレストランに勤めたいと思っているし、レイチェルはお嬢様生活から一転してウェイトレスでチップ稼ぎの日々。ロスはただでさえ女性遍歴に乏しいのにその上離婚でトドメを刺されている。チャンドラーはビジネスマンとして優れているが面白味のない今の仕事が決して好きではない。ジョーイはなかなか役者としてブレイクできずナンパの腕ばかりが上がっていく。フィービーは変な男ばかりつかまえてしまい交際が一月と保ったことがない。
彼らは、ある日突然報われたり、逆に転落したり、三歩進んで二歩下がり、あれやこれやと現実と戦い、互いに支え合いながらそれぞれの人生を歩んでいく。
中には劇的なキャリアアップを果たすキャラもいるし、もの凄く素敵な恋愛に恵まれるキャラもいる。
 
都市を舞台に恋に仕事に悩む男女の物語…というと、お洒落で取っつきにくそうな印象を持たれるかもしれないが、実際は全然そんなことはない。基本はコメディである。全てのやり取りに細かいネタが仕込まれていて、ジョークも良い塩梅に気が抜けている。
しょっちゅうパーティを開いたり、わりと気軽にキスしたりと、日本の文化と違うところも当然あるのだが、日本人が見ていてこんなにも共感できるものかと驚かされる。
  
 
神懸かり的とも思えるのが、このドラマの倫理観である。ドラマの中の笑いというのは、作り手のそれがモロに試される。
例えばキャラクターの誰かが“悪いこと”をしたとする。この“悪いこと”が小さすぎるモノばかりだとエピソードとしては面白味に欠ける。しかし、大きすぎれば当然視聴者は引いてしまう。この辺の配慮が常に絶妙なのである。
小さい“悪いこと”は小ネタとして笑いにするし、大きすぎる“悪いこと”にはキッチリと相応のツッコミが入る。
 
単純に善悪だけの問題ではない。難しいテーマをさり気なく、イヤミなく入れていくのも非常に上手い。
同性愛、代理母、身体的特徴、お国柄の話、学歴差別、職業差別、宗教観、親子の問題、不妊…ここいら辺の話題も全てコメディに仕立て上げる。
6人のメインキャラクターたちは、そういったことに偏見やコンプレックスを持っていないわけではないのだ。ここが良い。
それぞれに間違いや問題を抱えているけれども、最終的に理解と協力を以てそれらを解決していく(たまに解決していない)。
友人たちの励ましでコンプレックスを改善したり、自分の過ちを指摘されてそれを修正したりと…健全すぎない健全なドラマがそこにあるのである。
制作会社の精鋭たちが10数人体勢で脚本書いているんだから、そりゃそうそう間違いないわな。
  
 
さて、ここまで言っておいてなんだが、どんな風に面白いのかは実際に見ていただく他はない。何しろ私の説明は下手である。
私は、テレビ放送、レンタルDVDで、もう既にこのドラマを4周見ている。一回レンタルすると4、5回見直すので、そういうのを合計したら15周ほどだ。2クール×10シーズンあるので300クール分見ていることになる。それだけハマる人はハマる。
…というか、いい加減セルDVD買えよって話だわな。
 
アメリカで、フレンズの公開収録を見に来たファンが「このドラマは人生の参考になる」と言っていたけれど、本当にその通りだと思う。
大人になって、自分がフレンズの登場人物たちと同年齢になってくると、味わいがより一層増してくる。そして、共感すると共に、学ぶべき点が沢山ある事に気付かされる。
「一時の失敗で崩れたらダメだ」「友達だけが解ってくれることもある」「人生楽しく生きていこう」
本当にそんな気にさせてくれるドラマである。
 
…しかし、これだけフレンズを参考にしているはずの私の人生が全然冴えた感じがしないのはなぜなんだろうか…
学生時代とかさ、“汚ねえフレンズ”とか“汚ねえげんしけん”みたいなコミュニティは周りに沢山あったんだけど、その全てにツバを吐いて生きてきた気がする。
本当はさ、多分…羨ましかっただけなんだよ。
…言わせんじゃねえよ、そんなこと。
泣くよ。
またもう一周見るよ…
 
おわり

フレンズ 〈シーズン1-10〉コンプリートDVD BOX (初回限定生産)

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