パンツァードラグーン ツヴァイ (-Zwei)


【ネタ】…ゲーム パンツァードラグーン ツヴァイ(1996) セガ
 
【説明】…セガ製作のゲーム『パンツァードラグーン』シリーズの第二作
古代文明が産み落とした生物兵器「攻性生物」によって人類が滅びつつある世界で、最強かつ伝説上だけの存在と言われていた「ドラゴン」を駆り、冒険を繰り広げるシューティングゲーム
画面構成は3Dで、ドラゴンの背後からの視点を基本とした奥スクロールシューティングスタイルだが、限定された範囲でドラゴンの位置を移動して敵の弾を避けることができる。また、視界を上下左右に、視点を前後左右に移動でき、奥スクロールでありながらもあらゆる方向から敵が出現する。
攻撃方法には、連続的な直線攻撃が可能なショットと、複数の敵をロックしてから一斉攻撃するロックオンレーザー、そして今作からロックオンした的に自動でレーザーを連射する必殺技の「バーサク」も追加された。

 
【独断】…『ヒックとドラゴン』公開記念エントリー
…相変わらず勝手に何かを記念するブログである。
 
我々の世代の男はドラゴンに対する憧れが半端ではない。
ダンジョンズ&ドラゴンズ』を初めとして、ファンタジーの象徴であり王の位置に座するのはやはりドラゴンなのである。
ドラゴンクエスト』のラスボスは、竜王だ。『騎士ガンダム』シリーズ最大の英雄といえば、スペリオルドラゴンだ。格闘ゲーム史上最高のキャラクターは…そう、ドラゴンクロウだ。
元来でかい魚だったはずのバハムートも、上記『D&D』と某『ファイナルファンタジー』のせいで、いつの間にかすっかりドラゴン扱いされている。それだけみんなドラゴンが好きなのだ。
私も、某RHAPSODYの歌のように、ドラゴンの飛び交う緑なす渓谷のためエメラルドソードを探す旅に出たい…と、常々考えている。そ・れ・だ・け、ドラゴンが好きなのだ。『やっぱり猫が好き』のノリで「やっぱり竜が好き」なのだ。
 
 
そんな竜好きにはたまらない…本当にどストライクな逸品が、本作『パンツァードラグーン ツヴァイ』である。
主人公の少年「ランディ」が飛竜の背に乗り、空を駆け、巨大生物や空中戦艦を相手に戦い抜く…という、奥スクロール型の3Dシューティングゲームだ。
幻想的な世界、壮大な音楽、3D空間を優雅に舞うドラゴン、爽快感溢れるシューティング…本当によくぞ創ってくださいましたと言いたくなるようなソフトである。
 
本作は「ツヴァイ」の名の通り、パンツァードラグーンシリーズの二作目に当たる作品だ。
正直、私は一作目のときは「一風変わったちょっと面白いシューティングゲームだな」という以外にはそれほど強い印象は受けなかった。
一作目は、グラフィックが粗いせいで当たり判定が分かりづらかったり、視点変更が遅かったり、自機の攻撃が単調でテンポが悪かったり、敵の攻撃も手数に波があるだけでバリエーションに乏しかったり…と、コンセプトこそ面白いが、イマイチな要素がかなり多かったのである。
しかし、二作目のツヴァイではそれらが一気に解消される。
グラフィックも操作性も格段に向上し、爽快にドラゴンを操作できるようになった。プレイヤーの視野は広くなり視点変更は高速化。ショットの連射もスムーズで、ロックオンからのレーザー発射も反応が良く滑らか。フィールドも敵もしっかりと描き込まれるようになって、「パンツァードラグーンの世界」が、明確に、美しく映し出されるようになった。
  
 
ゲームが始まると、ドラゴンはステージルートを自動で進んでいく。プレイヤーはその間限られた範囲でドラゴンを操り、敵の攻撃を避け、照準操作をしてショットやレーザーで攻撃する。
ショットとレーザーはサイトが共有で、射撃ボタンを連打すると直線攻撃のショット、射撃ボタン押し続けでレーザーがロックオンされる。ロックオンした状態でボタンを放せば可能ロックオン数分のホーミングレーザーが発射される。
つまり、仮に敵が6体いても、全てをロックオンしていれば、レーザー6本が一度にドラゴンから発射され、敵を高速で追いかけて全部撃ち抜いてくれるわけだ。ボスや大型の敵は一体で複数のロックオンポイントが用意されているので、サイトできちんと捕捉していれば一気に数発分のレーザーを叩き込むことができる。
このロックオン→多弾レーザー発射の「シュートする快感」が本作の大きなウリで、操作に慣れてくると、ドラゴンがゲーム上の伝説にふさわしい一騎当千の活躍を見せてくれる。
ロックオン時の効果音やサイト演出も未来的かつ機械的で一々格好良い。
ピピピピピピッ! バシュゥンッ! ドドドドドドッ!
…という、効果音の一連の流れがクセになる。
必殺技のバーサクは、このレーザーを無数に撃ちまくるというもので、所謂ボムに相当する(使用中自機は無敵になる)。制限時間内にサイトに触れたモノは問答無用にレーザーの雨に晒される、豪快極まりない仕様だ。

 
本作の主役のドラゴン「ラギ」は、ゲーム開始当初はドラゴンの姿をしていない。
ラギはクーリアと呼ばれる乗り物用の家畜の突然変異種で、初めは地面を歩くイルカのような姿(なんだそれは…)をしている。最初のステージでは口からレーザーこそ吐けるものの、空はまだ飛べない。
そしてステージが進むごとに“進化”を遂げる。形状が変わり、機動力が増し、耐久力も向上し、レーザーの可能ロックオン数も増えていく。
プレイヤーの成績・ルート選択次第でステージクリア時にポイントが与えられ、その合計ポイントによって進化の度合いが変わる。つまり難しいルートを上手にクリアしていけばどんどんラギが強くなっていくわけだ。
最終形態候補はいくつかあるのだが、その中でも「スカイダート」と呼ばれる形態は非常に人気で、見た目もカッコイイ。最大12ロックオン、生ける戦闘機といった風情で、攻性生物マニアにはたまらない肢体と言えるだろう。グヘヘ…
  
 
住み家を失い、共に孤独を抱えるランディとラギだが、彼らは安易な友情を超えて人竜一体となって大空を戦い抜ける。
襲いかかる帝國軍や攻性生物たちを払いのけ、不思議な使命感に導かれて、旧世紀の空飛ぶ船「シェルクーフ」を目指していく。
…ストーリー上の続編に当たる『AZEL -パンツァードラグーン RPG-』をプレイしないと、本作『ツヴァイ』の世界の“謎”の多くは解けないのだが、それでもプレイしていて不思議と感動してしまう。
空を駆ける少年と竜の悲壮な姿を見ていると、それだけで心が震える。
 
ぶっちゃけ、容量的には大分少なく、難易度もかなり控えめなので、クリアするだけならば3時間足らずで終わってしまう(一応、やり込み要素として、撃墜率100%などを達成するとスペシャルモードで遊べたりする)。
しかし、ツヴァイが発売された当時、ツヴァイの代わりになるシューティングゲームはあらゆる面において存在せず、発売から15年近く経つ現在でもそれは変わっていない。
たまに「何かの間違いで未来から来たんじゃないか…?」と思わせるようなゲームソフトが出てくるが、本作もまさにソレであると言える。
こういうゲームは必ずしも容量を問題とはしない。

この方のプレイ動画は本当に魅せてくれる
 
…なんか、ネタもなく、気持ち悪いくらい真面目に絶賛してしまったが、短くてデキの良いゲームなんだから仕方がない。
幻想的な世界で、竜の背に乗り大空を飛ぶ…
そんな少年の夢に真正面から応えてくれるソフトです。今でも全然遜色なく遊べます。
もしよろしければ、エミュなどではなく、中古ソフトを探してセガサターン実機でプレイして欲しい。御自宅の物置で埃をかぶったサターンも喜ぶだろう。

…って、えっ!? サターンを持っていないだと!?
じゃあ、あんた、一体何で『THE野球拳スペシャル〜今夜は12回戦〜』をやるというのだ!?
セガサターン、シロ!
 
おわり

エルマーと16ぴきのりゅう (世界傑作童話シリーズ)

エルマーと16ぴきのりゅう (世界傑作童話シリーズ)