ゲッサン 2009年11月号


【出典】…雑誌 小学館 ゲッサン 2009年11月号
 
【説明】…小学館が発行する日本の月刊少年漫画雑誌
2009年10月10日発売。創刊第6号。ターゲットは中高生以上を中心として幅広い年齢層としている。
キャッチコピーは「漫画力絶対主義」。また「男の子が自立するために絶対必要なふたつのキーワード」としてアイデンティティー「愛と勇気」を掲げている。
 
【独断】…面白くなってまいりました!
…地獄の出張から帰ってきました。本当に地獄のようで死ぬかと思いました。
気が付くと地獄雑誌ゲッサンの新刊が出ていたので、毎度恒例の地獄紹介をしたいと思います。
…なんか「地獄」「地獄」言ってると聖教新聞みたいだな…。
あんまローテンションなのもなんだし、なんか景気の良い事も言っておくか…。
「大勝利!」
 
というわけで、今月も気になる作品を個別に取り上げていこう!
あらすじ等の具体的な作品紹介は省くので、よろしければ本誌を実際に読んで頂きたいです。はい。 
 

『Waltz』…原作:伊坂幸太郎 漫画:大須賀めぐみ
殺し屋育成漫画。新連載。
週刊少年サンデーで連載されていた『魔王 JUVENILE REMIX』(2007-2009)の登場人物「蝉」を主人公にしたスピンオフ作品。『魔王JR』が終了して即行でゲッサンに来た形になる。
ゲッサンの中では青年誌寄りなバイオレンス色の強い作品である。設定だけ見ると厨臭いが、その分上手い方向に転べばかなり面白くなるのかも知れない。まだ判りません。
 

『QあんどA』あだち充
幽霊共存型青春ラブコメディマンガ。
今月の名言…「どうってことのない話を、温かい読者と太った編集がやさしく見守るという━━愛と根気の物語である」。
そう、読者に求められているのは根気である。話がどう転ぶのか未だにさっぱり分からない。
次号は単行本1巻発売記念表紙&カラー! 話は進んでいないが単行本は出るのである。
 

アオイホノオ島本和彦
漫画家志望者マンガ。
今月の名言…「サンデーには注意しろよ!」。
雷句誠先生に端を発した一連の騒動がまだまだ元気なので、このセリフ、全然シャレになっていない。そしてそれが素晴らしい。
やはり一話一話を雑誌で見ていくより、単行本で一気に読んだ方が雰囲気に浸れる作品だと思う。
 

『よしとおさま』四位晴果
御庭番スタイルBLギャグマンガ
面白い雰囲気なんだけど具体的に面白いギャグがあるわけでもないので、多少下品でもいいからはっちゃけたギャグが欲しい。
極度にBLが嫌いという人でなければ、誰が見ても安心して楽しめます。
 

ここが噂のエル・パラシオあおやぎ孝夫
萌え萌えハーレム女子プロレスマンガ。
坊主頭にして色々楽になったらしいあおやぎ先生。これで頭を洗う必要がなくなったので、その分の時間を原稿に回して頂きたい。
…本当にこの作品ページ増えないかな。心地良いお約束展開をキチンとやってくれる作品って、ありそうであんまない。
 

『アサギロ 〜浅葱狼〜』…ヒラマツ・ミノル
沖田総司マンガ。
なぜかページ数が増えている。先月まで26ページ、今月38ページ。約1.5倍。これなら読み応え十分。
一晩中ぶっといアレを振っていた近藤さん。人間、運動をしていてその苦しみがある一定を超えると、突然何かが吹っ切れてその身に鬼気を宿すことがある。近藤さんの素振りシーンはそれがガッツリ表現されていた。その後の飄々とした表情も格好いい。
ちなみに『銀魂』の方の近藤さんは先週までリアルゴリラになっていた。というかまだゴリラのままの可能性も…。
 

『No.1海童』…鳴海アミヤ
No.1青春バスケットボールマンガ。
みんなのヤエさんが殺された! 仇を討て! 海童凱!
でも、殺したのもお前だ! 海童凱!
 

リンドバーグアントンシク
大空恐竜マンガ。
エルドゥラの全貌、ガーディアンとの戦闘、飛空挺の登場…、全てのシーンのクオリティがなんかもう色々とたまりません。
この作品はどう転んでも絶対に買いです。
 

『タイムメール』…鯨統一朗
過去の自分にメールを送りつける読切型小説。
作者コメントに「タイムメール読んでる人、手あげて」と書いてあったので、挙げてみました。アンケートで意思表示しなきゃ意味ないから、今月はアンケートを出してみよう。
分かりやすい設定と、流れるように読みやすい文章でシンプルに構成されている。それでいて、一体どういうオチが付くのか!?毎回程良く緊張する。話がバッドエンドとなっても読了後の後味はなぜだか悪くない。(基本的には「自業」の話だし)
普段、文章なんか読まない私でも十二分に楽しめているので、オススメです。
 

マコトの王者 〜REAL DEAL CHAMPION〜』福井あしび
人格入れ替わりボクサーズ・ロードマンガ。
珍しくボクシングシーンがあった!
絵の粗さが抜ければかなり印象の変わる作品だと思う。ただ、今のコロコロコミックっぽい絵も個人的には好きである。
 

信長協奏曲石井あゆみ
戦国ファンタジーマンガ。
斎藤道三の最期。たまりません。
このままの綺麗な雰囲気で突っ切っていって欲しい作品。汚れ役は秀吉に任せようZE!
 

『仕事場見たいし!』横山裕二
ゲッサン連載漫画家紹介マンガ。
1ページマンガだったのだが、好評なのか、今月から3ページになった。今回の標的は福井あしび先生。
これまで登場してきた漫画家たちが全員社会不適合者だったせいか、福井先生がえらくまともに見える。
ただ、ゲストがまともな人だとオチが付かないので、その場合は、編集のKYワタナベさんにおとしてもらうようだ。
 
ネタ抜きに言って、本当に少しずつ面白くなってきているゲッサン
若手の作家先生が多いため、各作品、似た題材を取り扱っている大御所のソレと比べられてしまうと、正直弱みは見える。が、独立して面白いことは事実だし、見方を変えれば、雑誌全体がこれから成長していくというワクワク感もある。(今のところ、わりと落ち着きがちな作風が多いけど)
約束の半年はエントリーを書いたが、まだもう少しの間購読を続けてみたい。もう半年くらい。…なんか新聞の契約みたいだな。
 
全体的に崩した絵や粗い絵の多い雑誌なので、個人的には、やはり丁寧でキレイな絵柄の作家さんが一人居て欲しい。この場合、物語に派手さはなくてもいい。居てくれるだけで雑誌全体の雰囲気が良い意味で締まると思う。
あと、欲を言えばスケールの大きな作品があれば…。「少年誌」のわりに全体的に物語の舞台が小さい。山賊王でも目指して世界を舞台に戦ったり、エクソシストとして人類の存亡を懸けて悪魔と戦ったり、そういう無闇にでかい話がない。
上記のどちらかがフォローされれば緑の鎧になったアーサー(超魔界村)くらいは頼もしい。あずまんが大王が抜けた痛手があるので、現状はパンツ一丁だ。ジャンプ中に片玉はみ出さないか心配である。
 
ゲッサンが平和の光として人類を照らして大勝利!な日は果たしてやってくるのだろうか。
そんな日はやってこなくてもいいから、この調子で面白くなっていって欲しいです。
 
大勝利!
…じゃなかった。ゲッサ〜ン!
 
おわり
[rakuten:book:13299660:detail]
 
【追記】…横山裕さん
横山裕二先生の名前がはてなキーワードになっていないため、「横山裕二」とフルネームで書くと、「横山裕」がキーワードとしてリンクされてしまう。あの関ジャニ横山裕さんだ。
このキーワードによってここに来てしまう人が結構いらっしゃるみたいで、何か申し訳がない。
横山裕さんはトークも軽妙な二枚目タレントですが、横山裕二先生は猫視点でピーピングをするマンガを描いている人です。何か本当に申し訳ありません。
 
おしまい