コードギアス 反逆のルルーシュ

【出典】…アニメ コードギアス 反逆のルルーシュ 制作:サンライズ 原案:大河内一楼谷口悟朗 監督:谷口悟朗
 
【説明】…サンライズ制作の日本のSFロボットアニメ
皇暦2010年8月10日、世界唯一の超大国神聖ブリタニア帝国は日本と地下資源サクラダイトを巡って対立し宣戦布告、日本に侵攻した。日本は占領され、ブリタニアによって「エリア11」と呼称される。日本人は「イレヴン」と蔑まれ、自由を奪われブリタニアの総督により支配された。ブリタニアは「ナイトメアフレーム」と呼ばれる人型兵器により世界の3分の1を支配下に収めた。しかし、その圧倒的な支配にも亀裂が生まれようとしていた。
日本侵攻から7年後、ブリタニアに恨みを持つ少年、主人公ルルーシュランペルージは謎の少女C.C.(シーツー)から、他人に自分の命令を強制出来る、絶対遵守の力「ギアス」を与えられることになる。ルルーシュは仮面で素顔を隠して「ゼロ」と名乗り、自称正義の味方「黒の騎士団」を結成し日本の独立のため、ブリタニアに戦いを挑む。
MBS・TBS系列で、1話〜23話までが2006年10月5日-2007年3月29日に、間を開けて24・25話は2007年7月28日に放送された。

 
【独断】…面白すぎる
たとえ気になるジャンル、気になる作品に関連したエロ同人誌を見掛けても、キチンとその作品の本編を見てみるまでは、読まずにお預けしておいた方が良い。
エロというものは、二次元・三次元問わず、「有難味」×「質」でその度合いが決まる。写真週刊誌、引いては世の男は、女性タレントや女性アナウンサーのパンチラや胸チラ程度で大騒ぎするだろう。反対に、どうでもいい素人が単に露出しているだけなのは、エロとして弱いのである。
立ち返って、本来の作品情報がない状態で、エロ同人誌でデフォルメされたキャラクターたちを見ても、ほとんど有難味などない。キチンとその作品を知り、しっかり思い入れもできた上でエロ同人を愉しむ。…というのが大人の嗜みなのではなかろうか。
ましてやエロ同人誌でネタバレしてしまってから本編を見てみる、なんていうのもなかなか切ない。良さそうな作品であればあるほど、まずは原作を踏まえるべきである。
 大人の嗜み
 
…我ながら、快調に最低な滑り出しだしだ。
ただ、こういうふざけた話を入れていかないと完全に気持ちがもっていかれてしまう。本作『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、そのくらいに面白く、切なく、感動してしまった作品である。
私は本当に上記の理由で『コードギアス』のエロ同人をお預けしていて、「グヘヘ…本編を見終えたらたっぷり可愛がってやるぜ…」と意気込んでいたのだが、いざ本編全てを見終えてしまうと、とてもじゃないがエロ同人を漁る気になれなくなってしまった。
主人公ルルーシュの生き様が、あまりにも不器用で哀しくて愛おしい。

 
今回もやはりレンタル視聴。恐るべきことに、第一期と第二期(コードギアス 反逆のルルーシュR2)の合計4クールを三日で全て見てしまった。それほどまでに止まらない面白さ。
まさかビデオ屋の店員も、20時にDVDを4巻(12話相当)借りて行ったヤツが、翌02時にそれを全て返却してもう5巻借りていくとは思わなかっただろう。
「明日も仕事があるし、もう寝よう!」と思っても、続きが気になって見ざるを得ない。借りたDVDが全て見終わってしまうと、次の巻を借りるまでの時間を短く感じたいがためにやっとこ寝る始末。
これだけ“ヒキ”の強いテレビアニメ作品は、個人的には『新世紀エヴァンゲリオン』以来かも知れない。
全50話の中で無駄な話が一つもない。普通はどこかしらで中だるみがあるものだが、ずっと高いテンションを維持し続ける。あまりに絶賛するのもなんだけど、正直、凄い作品だと思う。

 
そして、肝心のその内容だが、やはりネタバレを避けると具体的な事はほとんど言えない。
上にも「ヒキが強い」と書いたが、毎回毎回、「次はどうなってしまうんだろう!?」というスリリングな終わり方をする。未見で興味のある方がいらっしゃった場合、バレがあっては申し訳がない。
 
一応、概要だけで話せば、【説明】の項にあるように、ルルーシュという一人の少年がある日突然超常的な力を手に入れ(目を見た相手に拒絶不可能な命令を下せる)、仮面の男「ゼロ」として超大国ブリタニアを相手に革命を起こしていくという話だ。
このアニメ、随分と欲張りで、大枠としての革命物語があり、学園を舞台とした青春モノの要素もあり、貴族社会による耽美な雰囲気もあり、戦術としては巨大ロボットが活躍し、その上超能力者同士がSF頭脳戦を繰り広げたりもする。そして、それらの肉付けの全てに手抜きがない。

 
この欲張りな大舞台で、主人公ルルーシュは様々な顔を使い分ける。
革命家「ゼロ」としてブリタニアと戦うルルーシュ。学園の生徒会で楽しげに過ごすルルーシュ。政略に巻き込まれてきた皇族としてのルルーシュ。ギアス(超能力)の宿命と戦う異能者としてのルルーシュ。プライドの高い一人の男としてのルルーシュ。妹・ナナリーの優しい兄としてのルルーシュ
ルルーシュは抜群に頭が切れる。その智力と自身のギアス「絶対遵守の力」を以て、世界を跳梁する。様々な顔を使い分け、全ての人を欺き、偽りの味方を増やし、自らの敵を排除していく。一見すると狡猾で冷徹な「戦略家」であり、彼自身も努めてそうなろうとしている。
…しかし、彼は自分で思っているほど器用な性格をしていない。
冷徹であろうとしても、自分の知り合いが悲劇に巻き込まれそうになれば一々情に流される。戦略的に誤りだと解っていても、プライドが邪魔をして最善の策が採れないこともある。そもそもが自分の妹・ナナリーが平和で幸せに暮らすための戦い、革命家「ゼロ」としての全てをなげうってナナリーの安全を優先させてしまったりもする。そして、気が付けばあらゆるモノを背負い込んでいて、その清算のために世界の全てを敵に回す…。

 
とにかく、ルルーシュがとんでもなく不器用でとんでもなく魅力的なのだ。ここまで利己的で性格が悪くて、ここまで憎めないアニメの主人公って、かつていただろうか。
そもそも戦争をしているのだから、彼も戦術・戦略的に大量に人を殺すし、それ以上に、本編中いくつかの“許されざる事”もしている。窮地に追い込まれ格好悪い場面も何度も見せる。しかし、それら全部を引っくるめても彼のことは憎めない。
 
…案の定、まともに感想を言い出すとネタの挟みようがなくなってくるので、ここは一度退却したい。
とりあえず、ピザハットと提携しているんで、ピザ好きにはオススメのアニメ。たまに出てくるピザが本当に美味しそう。
ピザはデブでも食ってろ。

 
つづく