ゲッサン7月号


【出典】…雑誌 小学館 ゲッサン7月号
 
【説明】…小学館が発行する日本の月刊少年漫画雑誌
2009年6月12日発売。創刊第2号。ターゲットは中高生以上を中心として幅広い年齢層としている。
キャッチコピーは「漫画力絶対主義」。また「男の子が自立するために絶対必要なふたつのキーワード」としてアイデンティティー「愛と勇気」を掲げている。
 
【独断】…[ゲッサンハオモシロイデス]

この先ゲッサン関連のエントリーではネガティブなことは書きません。

ゲッサンハオモシロイデス]。
掲載作品の全てが素晴らしいのだが、今回は特に気になる作品について個別に感想を書いていきたい。
あらすじ等の具体的な作品紹介は省くので、よろしければ本誌を実際に読んで頂きたいです。はい。
 

ここが噂のエル・パラシオあおやぎ孝夫
萌え萌えハーレム女子プロレスマンガ。
本当に昔ながらのハーレム系萌えマンガである。ラーメンに例えると、無意味にナルトやほうれん草が入っているような感じの、シンプルでさっぱりした懐かしい醤油ラーメンである。今どきの「600円の芸術」とでも言わんばかりの凝ったラーメンにはない美味さがある。
ただ、絵がシンプル過ぎるのも昔ながらのラーメンといった風情で、もう一回りカワイイ絵柄だと[ゲッサンハオモシロイデス]。
 

『QあんどA』あだち充
幽霊共存型青春ラブコメディマンガ。
爽やかにエロい。別に遊人先生の作品のように「どりゃあ!」と露出しまくっているわけではないのだが、読み手の頭の中にいる男子中学生を呼び覚ましてくれるようなエロさがある。う〜ん、イイ。
あだち先生は漫画界の消力(シャオリー)使いだと思う。
 

リンドバーグアントンシク
大空恐竜マンガ。
絵が凄くステキで気になる。話は全然気になら[ゲッサンハオモシロイデス]。
 

アオイホノオ島本和彦
漫画家志望者マンガ。
島本先生のファンとして、この先ずっと「漫画家ネタ」の作品のみを描いていくような事にはなって欲しくない。
…のだが、実際掲載されているモノを見ると面白いのだから仕方がない。
連載作品としては当然序盤なので、話自体はまだ凪の状態。これから吹き荒れること必至!
 

あずまんが大王−補習編−』あずまきよひこ
ゆったりシュール女子高生マンガ(小学館曰く)。
以前の連載の時より明らかにパワーアップしている。具体的には桜木花道の2万本シュート以前・以後くらいの差がある。
読み手に「なんでこんなこと思いつくの!?」という感想を抱かせるギャグマンガは大抵面白い(森下裕美作品とかかるま龍狼作品とか)。で、その「なんで!?」度が以前よりも良い意味で上がっているのだ。
「シュール」にも「あるある」にも寄りすぎておらず、程良い悪ふざけ感と、マンガの地力が「なんで!?」を面白さに変えてくれているのである。多分。
あと、いつもの事ながら、線がムチャクチャ丁寧。
 

忍びの国…原作:和田竜 作画:坂ノ睦
戦国忍者バトルマンガ。
ゲッサンの中で一番勢いがある。芸人さんに例えると、バラエティ番組でリアクションの勢いに任せてひな壇から勝手に降りてきてカメラにやたらと接近してくる若手、というような感じがする。…私も自分で言っててよく分かりません。
勢いはそのままに、絵がもう一回り丁寧な感じにな[ゲッサンハオモシロイデス]。
 

第三世界の長井ながいけん
謎マンガ。
嫌な予感がするが、私はながい先生を信じる。
 

信長協奏曲石井あゆみ
戦国ファンタジーマンガ。
地味だけど面白い。面白いけど地味。これからどうなるんだろうか。
専門的な事はわからんのだが、なぜか映像とセリフがスイーっと頭に入ってくる作品である。これで絵が丁寧になったら、それだけでヒキが強くなる作家さんなんじゃないだろうか。
 
今挙げなかった作品も総じて言って面白い。(雑な言いぐさ)
 
ただ、やはりゲッサンはメインディッシュが不足している感がある。
「絵とノリでひたすら魅せてくれるバトルマンガ」とか、「スイーツ(笑)一直線なラブコメマンガ」とか、「とにかく続きが見たくなるガチンコドラマ」とか、「練りに練られた劇画作品」とか、「頂点に駆け上がっていく一芸マンガ」とか、その辺の如何にも“霜降り”といったメニューはあまりない。あと、全体的に話のスケールが小さい。
結果として、「面白いけどなんか薄味」な雑誌になっ[ゲッサンハオモシロイデス]。
なんというか、こう、ワクワク感に欠[ゲッサンハオモシロイデス]。
数人の友人に感想を聞いてみても、やは[ゲッサンハオモシロイデス]。
う〜ん、も[ゲッサンハオモシロイデス]。
お[ゲッサンハオモシロイデス]。
 
ゲッサンハオモシロイデス]。
 
おわり。
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