天下を獲ったヒロインたち!


【出典】…二次元
 
【説明】…二次元ファンの間で、また、ときにはその枠を超えて、超知名度・超人気を誇った二次元ヒロインたちをさす
当代でのトップを獲ったと思われるキャラクターたちを、ただ無闇に挙げていくという企画。
選考基準は完全にT-260Gの独断。なので、1970年代以前の古い作品に関してはほとんど知らない。
 
【独断】…独断です(順番てきとう)

☆ 浅倉南 …「霊長類ヒト科最強のヒロイン」  出演作:マンガ『タッチ』(作:あだち充 1981-1986)
明石家さんま爆笑問題田中など、特別マンガが好きでない層をも捕まえて、「理想の女性」と言わしめた魔人。
あだち節全開で、高校生離れした瀟洒な(←某東方のおかげで最近憶えた)仕草やセリフが日本中の男を虜にした。
その人気は男性だけに留まらず、彼女に憧れて新体操を始める女子が続出し、女子新体操の認知度を一気高める立役者にもなった。
 

☆ ラム …「ルーミックの猛る虎」  出演作:マンガ『うる星やつら』(作:高橋留美子 1978-1987)
電撃を放つ程度の能力を持つ。仙台弁(亜流)が可愛いということを世に知らしめた鬼神。明石家さんまの「理想の女性」その2。
未だにオタク層・一般層の人気は根強く、ある意味日本で一番愛されている二次元ヒロインと言える。
ちなみに、『銀河お嬢様伝説ユナ』(1992)が発売されるまで、私の理想の女性は彼女であった。おお、キモイキモイ。
 

☆ 音無響子 …「ルーミックの怒れる龍」  出演作:マンガ『めぞん一刻』(作:高橋留美子 1980-1987)
めぞん一刻』はラブコメ漫画としては珍しく、半リアルタイムで時間が経過していく作品であった。このエントリーを書いている2009年現在で、響子さんは50歳になる。彼女なら凄く綺麗に歳を取っていそうだ。
ちなみに、響子さんは非常に嫉妬深い性格をしている。その辺、女性読者は共感が持てるかどうか微妙なところだが、男からするとそれが最高に可愛かったりする。
 

☆ 綾波レイ …「静かなる暴君」  出演作;アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(作:GAINAX 1995-1996)
エヴァブーム当時、「キミは、レイ派? アスカ派?」なんて問いかけをよくされたものである。どちらが好きかは別にして、エヴァンゲリオンの象徴的存在だったのは完全に綾波レイだった。本放送当時、物語の舞台である第三新東京市とヒロイン綾波レイが共に持つその虚ろな魅力に、一気に引き込まれてしまった憶えがある。
二次元ヒロインの歴史において、「綾波前」「綾波後」を作ってしまうほどのインパクトであった。
ちなみに、綾波レイのキャラクターの原案になったのは、ロックバンド『筋肉少女帯』の曲の歌詞に出てきた少女である。
 

☆ 鳴沢唯 …「全ての妹キャラを過去にした女」  出演作:ゲーム『同級生2』(作:エルフ 1995)
同級生2が発売される以前から、いわゆる「妹萌え」的なものは存在していたが、それら「妹キャラ」の決定版として誕生したのが、この鳴沢唯である。現在のステレオタイプ妹萌えは、そのほとんどが彼女を起源にしていると言っても過言ではない。
脂が乗っていた当時のエルフが、練りに練ったキャラ設定でギャルゲ界に送り込んできた最終兵器である。
ガンダムで言えば、F91的な存在だ。…ってことはエルフはサナリィなのか…?
 

☆ 藤崎詩織 …「ドン・フジサキ」  出演作:ゲーム『ときめきメモリアル』(作:コナミ 1994)
まつやんの嫁。恋愛シミュレーションゲームのパイオニアであるときめきメモリアルのラスボス。
容姿端麗で、成績優秀、スポーツ万能な上に、品行方正ときている。ただし、そんな完璧超人の自分と同格以上の男でないと全く振り向いてくれない冷淡さを併せ持つ。幼なじみであるはずの主人公(男)も能力値が低ければゴミムシ以下の扱いになる。特に嫌われ状態でのセリフはあまりに辛辣であり、恋愛云々以前に人格を疑いたくなるような発言もしばしば見られる。
…私は片桐さんの方がずっと好きだ。
 

☆ リン・ミンメイ …「伝説ではない!」  出演作:アニメ『超時空要塞マクロス』(作:スタジオぬえ 1982-1983)
超時空要塞マクロスの時代設定は2009年である。つまり、このエントリーを書いている今年がそうなのだ。現実にはバルキリーなんて全然できていないが…。ミンメイは1993年生まれなので、現在の日本の教育制度に照らし合わせると高校1年生になる。
アニメ内で歌った挿入歌がそのままポップソングとして人気を博すなど、バーチャルアイドルの先駆けになった。
その後のマクロスシリーズでも「伝説の歌姫」として半ば偶像崇拝的な扱いを受けているが、ミンメイの生き様を見られた我々視聴者は、もっと純粋に、生きた人間としての彼女を愛していきたいものである。
 

☆ パイ(パールバティー四世) …「一人核融合」  出演作:マンガ『3×3 EYES』(作:高田裕三 1987-2002)
ハッキリ言って反則キャラである。彼女はいわゆる二重人格設定で、天真爛漫な「パイ」と、ツンデレな「三只眼(さんじやん)」という二面性を持っている。天然でカワイイ「パイ」に萌えていると、突然「三只眼」が金玉を踏みつけてくる。そのチェンジオブペースに男性読者のハートはめった打ちにされたのである。天真爛漫ツンデレ挟みなんて美味いに決まっているだろう。
序盤、デレる気配が全くなかった「三只眼」だが、20巻辺りから少しずつデレが入るようになっていった。
アニメ版で声優をつとめた「閣下」こと林原めぐみさんの演技が人気を決定づけることとなった。
 

☆ 真宮寺さくら …「平成に咲き乱れた太正桜!」  出演作:ゲーム『サクラ大戦』(作:セガ 1996)
ゲームそのものが大人気だったのは言うまでもなく、各メディアでの発信も大盛況、ゲームに出演した声優陣がそのままのキャストで舞台(ミュージカル)を行う「サクラ大戦歌謡ショウ」なるものまであった。「歌謡ショウ」は1997年から始まり、ファイナル公演の2006年まで、10年に渡って行われた。
私は、その最後の年のファイナル公演だけひやかしで見に行ったのだが、予想外にもの凄い面白さで、「俺はこんな素晴らしいモノを10年もの間放置していたのか!」と、なんか逆に後悔しきりであった。
…そういえば、さくらの話をしていない。プレイ一周目はなぜかアイリス(ロリ)エンドでした。
 

☆ 涼宮ハルヒ …「ワールドイズマイン」  出演作:小説『涼宮ハルヒの憂鬱』(作:谷川流 2003)
二次元商業に限らず、2000年代に入ってから消費者の好みの細分化が激しくなり、何事においても「コレ!」という決定打が打ち出しにくくなっていった。各々が“嗜好”の細道を辿り、その中だけではっちゃける。良作は多いが大作がなかなか出ない。
そんな中で、明確にドカンとブームを作ったのが涼宮ハルヒシリーズであった。もちろん超クオリティでアニメ化を手がけた京都アニメーションの力も大きいが、“あの”内容で大ブームになるというのは「日本ってやっぱりHENTAIな国なんだなぁ」と思い知らされた感がある。
ハルヒは単なるツンデレキャラではなく、思春期に思考のドツボに填ってしまった者に対して強烈な共感を誘ってくる、ある意味「青春の象徴」のようなキャラクターと言える。…うーん、私は大好きです。
 

素晴らしい「ヒロイン」を描ききるのは、ある意味、素晴らしい作品を描ききることよりも難しいのではないだろうか。
というのも、そもそも前提条件として、出演作品のデキが良くないとヒロインの頑張りが空回りするからである。キャラだけ立っていても仕方がない。全体の質をクリアして、なおかつ、その作品の象徴的人物として、常に魅力的に描かれなくてはならないわけだ。
これが「ヒーロー」ならばある程度決まった“正解”があり、その中で無茶もしやすいのだが、「ヒロイン」は案外、正解がない。(逆説的に、「ヒーロー」をそのまま女性にして描いた例として、『攻殻機動隊』の草薙素子がいる)
人形のようにただキレイに微笑んでいればいいというものではないし、萌え要素がたっぷり詰め込まれていれば魅力的になるというものでもない。なんでもやっていい分、凄く難しい。
上記に挙げた、成功したヒロインたちに共通しているのは、作品内で「一生懸命生きている姿」が描かれていることである。
よく少年誌なんかでありがちなのが、ヒーローたちがバトルに一生懸命になってて、ついついヒロインを置き去りにしてしまうというパターンだ。置き去りにしてしまっているのは作家も自覚しているから、あの手この手でヒロインに重要なポストを預けようとする。だが、そんな取って付けたように与えられる役職では、出番の確保が関の山である。
ヒロインが常にその作品の前線で闘ったり、悩んだり、笑ったりしているからこそ、最終的にそれは生きた形で見ている人間の心を打つわけである。
 
…って、そんな大層なことを考えながらこの企画を出したわけではないのだが、何かしらオチをつけないと終われないからな…。
何せ友人のブログに「毎回キレイにエントリーを落とさないと殺す」と書き込んでしまったので、一応私も命がけでエントリーにオチを付けなければならないわけだ。
次回は、『天下を獲りそうだったヒロイン!』をやります。