WOWOW


【出典】…テレビ 衛星放送 WOWOW(本放送開始:1991-)
 
【説明】…日本を放送対象地域とする委託放送事業者、および電気通信役務利用放送(衛星役務利用放送)事業者
当初は自社で放送衛星日本放送協会(NHK)などと区分保有する形で放送を行っていたが、2007年11月以降はすべて放送衛星システムが保有する放送衛星、及びJSAT保有する通信衛星を経由し視聴者に届ける形態となっている。地上波キー局系のBSデジタル放送事業者と異なり、視聴料が必要な有料放送を行っている。そのため、リーガ・エスパニョーラ(スペインサッカー)やノンスクランブル放送、及びサッカー欧州選手権以外はCMを流さない。
1991年の開局当初のコンセプト「5つのS」は、スクリーン(映画)、サウンド(音楽)、ステージ(演劇)、スポーツ、ショッピングだった。その後、ショッピング番組を縮小したものの、映画や外国サッカーなどのスポーツ中継を中心に編成する基本方針は一貫している。
 
【独断】…先見の明はある!
私の実家はわりと早い段階(1992年)でWOWOWと契約して、私自身、子供の頃からちょくちょくその放送番組を見ていた。当時、我が家では映画視聴を主目的に契約していたと思うのだが、今考えると、さすが日本のペイテレビを先駆けただけあって、色々面白いコンテンツが多かった。
「多かった」というふうに過去形にすると、まるで今は違うかのようだが、今もそんなに指針としては変わっていないし、面白いことには違いない。ただ、WOWOWが目を付けたコンテンツを、現在ではあちこちの放送局が取り扱うようになった印象がある。
映画は元々メインでやっていることだから置いとくとして…。欧州サッカー、格闘技、オリジナルアニメ、海外ドラマ、音楽・演劇などのライブ映像、等々。どれもここ10年くらいの間に、日本のお茶の間でさりげなく市民権を得ているモノだが、その基盤はWOWOWが作り上げたと言っても過言ではないと思う。
…これは素人の戯れ言だが、地上波キー局、特にフジテレビって、WOWOWが丹誠込めて育てた実を横からモリモリモリモリ食ってるような気がするのだが……気のせいだろうか…。
 
それはともかく、二次元オタクとしてもWOWOWの存在は昔から大きかったわけである。なぜか知らんが、WOWOWはオタク好きのするモノばかり放送していた。
基本的には地上波で放送していないモノを流さないとしゃーないわけで、放送するのは他所様のOVA(オリジナルビデオアニメ)か、自社が先行放送するオリジナルアニメ、ということになる。必然的に濃いめの内容にはなるのだが…。
開局間もない頃から『機動警察パトレイバー』や『銀河英雄伝説』を全話放送したりと、結構ツボを突いたチョイスが多かった。上記2作品は超ビッグタイトルだからまだ分かるが、さり気なく『KO世紀ビースト三獣士』や『ここはグリーンウッド』などのわりとコアな作品を拾ってくるあたり、「WOWOW内部に真性のオタクが居る」ということを窺わせる。
1998年になると、『カウボーイビバップ』を全26話放送したり(先行したテレビ東京は実質12話しか放送できなかった)、『ブレンパワード』などの自社制作のオリジナルアニメを放送したり、いよいよ「アニメも本気なWOWOW!」という印象が強くなる。
…で、今、ウィキペディア先生の肢体をのぞき見ているのだが、改めてそのラインナップを見ると、WOWOWアニメはなかなか凄い。これまで特に意識したことはなかったが、ここまで濃い内容のモノが揃っているとは思わなかった。どれもこれも一癖二癖あってオタク好きのするものが多い。というか、ある意味ひどいラインナップだ。
一部を挙げると、『ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ』、『MAICO2010』、『南海奇皇ネオランガ)』、『ブレンパワード』、『デュアル!ぱられルンルン物語』(←本当に酔っぱらいが考えたタイトルとしか思えない)、『課長王子』、『魔法使いTai!』、『THE ビッグオー』、『星界の紋章』、『風まかせ月影蘭』、『BOYS BE…』、『ゲートキーパーズ』、『VANDREAD』、『フルメタル・パニック!』、『オーバーマン キングゲイナー』、『妄想代理人』、『TOKYO TRIBE2』、『砂沙美☆魔法少女クラブ』、『機神咆吼デモンベイン』、『シグルイ』……などがある。
濃い! メタボ検診に引っかかったオヤジの脂汗くらい濃い。
ロリからマッチョまでなんでもありか。
WOWOWはその独特なポジションから、「なんか流れ着いてしまった作品」が多いような気がする。富野御大のリハビリ所でもあり、今敏監督の実験場でもあり、梶島&黒田の宴会場でもあり、総じて言って怪獣墓場でもある。
言い方を変えれば、「フットワークが良い」ということかも知れない。富野御大も『ブレンパワード』の制作に当たって、「WOWOWだからやってみようかと思った」という旨の発言をしている。リップサービスもあろうが、実際のところ地上波よりも内容的な“制約”は少ないのだろうと思う。オモチャの販促に躍起にならなくてもいいし、ある意味完全に“わかってくれる人”向けの内容でもいいわけだ。
 
…しかしまぁ、結構色々と良いモノ放送していたんだな。WOWOW。加入していたくせに、私は上記の作品のほとんどをレンタルビデオで見てしまった。もっとよくチェックしておけば良かった。
アニメに限らず、WOWOWの先見性はこれからも要注意だと思う。
初期WOWOW加入者は未だに「前田日明が世界最強」だと思っているので、それもまた要注意だと思う。