ヤン・ウェンリー


【出典】…小説 銀河英雄伝説(1982-1989) 作:田中芳樹
 
【説明】…銀河英雄伝説自由惑星同盟側主人公
宇宙暦767年生まれ。15歳の時、無料で歴史を学べるという理由から、同盟軍士官学校戦史研究科に入学。しかし在学中に戦史研究科が廃止となり、戦略研究科に転科させられる。
士官学校卒業後、同盟軍に少尉の階級で任官。勤勉とは言えない勤務態度から、「ごくつぶしのヤン」「無駄飯食いのヤン」などと呼ばれるが、宇宙暦788年(21歳/中尉)、惑星「エル・ファシル」から300万人の民間人を救出したことで少佐に昇進し、「エル・ファシルの英雄」と賞賛されて世の注目を浴びることとなった。
その後も、本人の「退役し歴史研究家になる」という意志とは裏腹に、最前線において武勲を重ね軍人として栄達し、ついには自由惑星同盟の切り札になるまでその存在は大きくなっていった。
しかし、宇宙暦800年の「回廊の戦い」の後、銀河帝国皇帝ラインハルトとの会談に向かうが、その途上、地球教徒のテロリストに襲撃され、6月1日午前2時55分、ビーム銃による銃撃で左大腿部の動脈を損傷、出血多量のため死亡した。享年33。

 
【独断】…そんな人に、わたしはなりたい
「上司にしたい二次元キャラクター」というランキングがあるとしたら、『機動警察パトレイバー』の後藤隊長と並んでトップを争うであろうキャラクターだ。島耕作?あんなのはただのヤ○チンである。

普段は少し抜けたところのある冴えない男だが、切迫した状況下で判断を求められると、常軌を逸した天才的な戦術で、見事にピンチを切り抜けていく。部下思いで優しく、人情味に溢れる。そして常に「民主制とは何か?」という命題を抱えながら自分の戦いを続けていく。
銀河英雄伝説』の世界において、ヤンは戦術家として半ば仙人のような扱いを受けている。彼が戦況を読み違えて敗北することは絶対にないし、それどころか勝ち目がないと思われる戦いにもほぼ無傷で勝利してしまったりする。
いわゆる「主人公補正」のチートキャラなわけだが、同時に、「戦略レベルでは常に負けている」という業も背負っている。つまり、自由惑星同盟全体として見た場合、“勝利”することのない戦いに臨んでいるわけである。自滅を招く軍上層部の作戦、事態を悪化させる政治腐敗、ヤンはそれらを止めることは出来ずに前線へと赴くのだ。
私はアニメのヤンしか知らないが、小学生の頃、本当に彼に憧れたものである。
ヤンは総じて見た場合、偏狭的な左寄り右寄りという思想はない。ある意味「民主主義至上主義者」(早口言葉か)であり、そのための手段が戦争であることを呪わしく思いつつも、常に“最善”の選択を取ろうとしている。つまり元々の観点からして、俯瞰に近いのである。(それを是とするか否とするかは、作中の歴史家たちの中でも意見が分かれている)
私としては「ああいうバランスの取れた人になりたいなぁ」というように思っていたのだが、当時の私はすでに『美味しんぼ』の山岡さんに洗脳されていたので、かなり左寄りだった気もする。しかも『タモリの音楽は世界だ!』を見ていたせいで、持ってもいないのにマック信者だったような気もする。完全にリトル山岡だ。これで豆腐を鷲掴みにしてかっ喰らうようだったら、私は今頃朝日新聞の不良記者としてネットで話題の人物になっていたかも知れない。

わりと最近になって、アニメ全話を見直したのだが、やはりヤン・ウェンリーは格好いい。小学生時代よりも話の内容が解る分、より格好良く見える。あと、ユリアンが如何に頑張っていたかがよく分かる。
ゲーム『三国志』の最新作が出たら、また銀英伝メンバーでエディット武将を作ってみたい。
ただ、ヤンは「政治力」が低いから、君主としてはイマイチ勝手が悪い。というか、自由惑星同盟の君主は“あの”トリューニヒトか。…イヤだなぁ。しかもヤンを目の敵にしている同盟軍人も多いし。
対して銀河帝国メンバーの隙のない布陣と言ったらない…。君主のラインハルトが完璧超人な上に。右腕のキルヒアイスが死なないとなるとそれだけで強すぎる。参謀に冷徹超人オーベルシュタイン、前線にはロイエンタールとミッターマイヤー、いざというときの鉄壁ミュラー。…まだまだ有能な人材が大勢いる。
  
  
ヤン以外に帝国将軍を出し抜ける人物といったらメルカッツくらいだ…。うーん、やはり初めから勝ち目のない戦いだったのかも知れない…。
もしやるとしたら、ちゃんとラングさんもつくるよ!