あの素晴らしいクリームパンを二度三度


【出典】…パン

【説明】…パン工場で食べたできたてのクリームパン

【独断】…100%中の100%!
真の実力が発揮仕切れないというのは、何事に於いてももどかしいものである。
例えば、分かり易いところスポーツの場合、ケガや病気、競技環境などによって自身のパフォーマンスが低く見られてしまうことがあれば、それは当然不本意であろう。仕事でも、予算や期限、上司の好みなど、様々な制約を受けて、本来自分がしたかったことの数割しか実現できないのが世の常だったりする。
「それも含めて実力だ」と言えばそれまでなんだが、常に常に本来の実力の半分未満しか力を発揮できない哀しい連中も確かに存在する。しかも我々の日常生活の周囲にそれは満ち溢れているのだ。その最たるものが「出来合い食品」である。
当たり前だが食べ物というのは、作られてから消費者のお手元に届くまで腐ってはダメなのである。「腐ったモノ大好き!ハアハア…『腐り姫』サイコー!」などという輩もいるかも知れないが、そんなやつに付き合っていると食品会社は潰れてしまう。
聞くところによると、レトルト食品やコンビニの弁当なども、開発の段階ではかなり美味いのだそうだ。だが、ただでさえ作り置きというハンデがある上に、酸化との闘いで防腐剤やら何やらを入れざるを得ない。こうして本来の味から遠く離れた、我々が知っている“あの”味になるわけである。
菓子パンも然り。工場大量生産と侮るなかれ、本来の、出来たてフルパワーの状態はかなり美味いのである。
私は小学二年生の時に社会科見学でパン工場を訪れたのだが、そこで食べた出来たてのクリームパンほど美味しい菓子パンは後にも先にも食べたことがない。パン工場について説明してくれた冴えない工場長が、一瞬雑誌『LEON』に出てきそうなナイスミドルに見えたものである。
…まぁしかし、スーパーやコンビニで売ってるそれと“同じ”はずのクリームパンは、また全然美味しくなかったりするから不思議な感じがしたもんだ。ああいうのって「不味い!」というわけではないのだが、決して「美味く」はないんだよな。とりあえず「体裁としては間違いなくクリームパンである」という感じで。
とはいえ、それらのフルパワーを知らずに「菓子パンなんてこんなもんさ」と言うのは、使途との連戦で弱り切ったガッツを捕まえて「黒衣の剣士も大したことないな」とほざく聖鉄鎖騎士団の如き愚行である。ホントだったらドラゴン殺しをぶんぶん振り回しているのである。菓子パンも。
最近はレトルト食品も結構凝ったモノが多い。実在の有名店の味を再現しようとしたものもあり、下手をすればそこらのチェーン外食なんかより良くできてたりする。
…こういった食品の開発をしてる人って、「ホントはもっともっと美味いんだってばよ!」と思うことしきりだろうな。レトルト食品を手に取ることがあれば、是非とも一度彼らの努力を察していただきたい。
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