ウンコマン

【出典】…同人小説 ウンコマン(2003) 作:TERA

【説明】…私の友人がニート時代に書きつづった長編小説

【独断】…これはひどい
『ウンコマン』は一話完結式の等身大ヒーロー小説である。
私の友人が長いニート時代に書きつづった物語だ。彼はニトロプラスの大ファンで、この小説もその影響を多分に受けている。
であるからして、ボケ無し。こんなタイトルだが、大マジなヒーロー活劇なのである。
ただ、その“マジ”な部分があまりにもあんまりな内容だったため、もう基幹のストーリーが私の頭からすっ飛んでしまっている。
たとえば、特撮バトルでよく使われる戦闘用の特殊な空間、所謂「バトルフィールド」、普通なら暗闇にスモークが焚かれたような少し不気味な演出がなされるものだが、この作品の場合はあたり一面がウンコの海なのである。
駅の自動改札を通ろうとした主人公、改札を抜けた瞬間に空間の歪みに引き込まれ、ウンコの海に突き落とされる。もがく主人公(そのもがく姿はたっぷり1000文字遣って克明に描写されている)。これは、秘密結社「悪炎潰瘍チンチン」による無差別テロの幕開けであった。
結局、主人公はそこで一度絶命してしまう。だが、それと同時にウンコマンとして転生し、打倒チンチンを宿命として奮闘する。これが話の導入部である。
それで、美人OLの尻小玉を狙う怪人をやっつけたり、下水道で核融合を目論む悪の博士をやっつけたりするわけだ。七色のクソを操りながら。
確かに設定自体は明らかにツッコミ待ちの内容だが、話の進行に全くボケはない。むしろ『吸血殲鬼ヴェドゴニア』を彷彿とさせるスピーディーでバイオレンスなアクションが目を引く。
ともかく、これを思春期まっただ中の中高生が書くならともかく、就職活動する気もない21歳の男が大真面目に書いていたんだから泣けてくる。しかも、よく読むと意外と面白かったりするのが一層哀しい。力の注ぎどころはそれでいいのか。
そんな彼も25歳になった現在、立派な自衛官である。これからもウンコマン魂を忘れずに頑張って頂きたい。
…日本の国防は彼に、ウンコマンにかかっている。