サウンドノベル 街 -machi-


【出典】…ゲーム チュンソフト サウンドノベル 街 -machi-(1998)

【説明】…チュンソフトが制作したサウンドノベル式コンピュータゲーム
原作・監修は長坂秀佳
渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物が、物語を繰り広げる。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、あるシナリオで何気なく行った主人公の行為が、別の主人公の未来に重大な影響を与えることがある。また、ある主人公が途中でバッドエンドを迎えた場合、連鎖的に別の主人公に影響を与える場合がある。これを回避するために、ザッピング(zapping)を行ってシナリオを切り替え、バッドエンドを防いでシナリオを読み進めていく。

【独断】…なんだかんだで夢のゲーム
例によってプレイしたのは発売から随分経った2006年なのだが、いやー、面白かった。発売された1998年当時にやっていればもっと面白かったであろうソフトだ。ほぼ全てのゲーム画像が実写であるために、90年代半ばの空気が蘇ってくる感じがした。
舞台は渋谷。8人の主人公が取るそれぞれの行動が、互いに連鎖・影響しあって話が進行する、というゲームである。
説明だけじゃどうにも解りにくいので、ぜひ一度やってみることをオススメしたい。セガサターン版が初代だが、プレイステーションにも移植されている。PSP版も、iアプリ版もある。これだけ出ているならもうやるしかないでしょう。
やり始めた当初は「なるほど、こういうつくりか。でも今(2006年)だったらそんなに斬新でもないよな」とか思っていたのだが、読み進めていく内に、そのスマートな話の連鎖にどんどん引き込まれていく。時には3、4人の行動が同時進行で絡んでくるので、良い塩梅に頭が混乱してくる。「あぁー、またダンカン死んじゃったよ…。バカヤロウ!ダンカン!この野郎!」という具合に、一人でハイテンションになること必至である。
考えてみたら、この手のゲームは、圧倒的なシナリオ構成力と、途方もない労力が必要なのであって(しかも人海戦術があまり通用しない)、真似しようと思ってできるものでもないのだ。似たようなシステムを要所に取り入れたソフトは数あれど、それだけで一本通すのはかなりしんどい。思いついてもやらないのが普通だろう。
それを思いっきり全力投球でやってのけたチュンソフトはそれだけでエラい。

【追記】…続編
んで、当然誰もが期待した(する)のが続編『街2』。
が、しかし、労力と金がかかった割りに、意外なことに『街』はあまり売れなかったのである。セガサターンの末期に発売されたからかと思われたが、移植されたプレイステーション版もやはり振るわなかった。というのも当時としてはかなりの異色作品であったが故に、新品・定価で買われることがあまりなかったのである。発売後しばらく経って好評を聞いてからプレイするユーザーというのは、その多くがソフトを中古で買っていく。潜在的なファンは多数いるのだろうが、“売り上げ成績”としては非常に悪いソフトだったのだ。
しかも、『街』の原作・監修を行った長坂秀佳氏は、その他のソフトのシナリオ構成などによる意見対立から、喧嘩別れのような形でチュンソフトと離別してしまう。
そんなこんなで、『街2』開発の噂は浮かびは消え、浮かびは消えの連続なのである(現在進行形)。少なくともチュンソフト代表取締役中村光一氏は、インタビューなどで「続編」に関して訊かれるたびに、その制作に強い意欲を示し続けていた。
そしてついに、2008年5月、渋谷を舞台としたサウンドノベルシリーズ「428(仮題)」の制作が発表される!
…が、これは本当に続編なのかなぁ…、と思ってしまうのが10年来の浮き沈みしてきたファンの内心だろう。
2年来のファンとしては、力まずに待たせて頂きます。
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