サザエさん


【ネタ】…アニメ フジテレビ サザエさん(1969.10-) 制作:エイケン
 
【説明】…長谷川町子の同名の漫画『サザエさん』を原作とするテレビアニメ
放送初期はドタバタ調のギャグアニメであったが、それが当時の原作ファンから不評だったため1975年頃からホームドラマ路線に転換し現在に至る。また、放送当初はサザエなどキャラクターの顔が原作と同じだったが、年月が経つにつれて現在の顔になった。
内容は、季節に合ったものを原作から抽出し組み合わせて物語を構成しており、同じ原作を複数回使用することも一般的となっているが、その際は間隔を3年以上空け、内容も若干変更している。年中行事を題材とした回が必ず組み込まれ、家族旅行・ボーナスなどの話題は毎年繰り広げられている。

 
【独断】…Back Come On!!
二次裏で評判だったアニメ作品を見ていこうツアーその10。今回は粗筋の記載は不要だろう。あの『サザエさん』だ。
「評判だった」ではなく、現在進行形で大評判のアニメ作品。正確には、二次裏ではなく、二次元実況裏板で盛況になっている。
毎週日曜に実況スレッドが立つと、30分の放送時間中に500以上のレスが付く。
 
無職童貞の世紀末、荒廃したネットの最果てに住まうとしあきたちであっても、まだ『サザエさん』を見て楽しむような人の心は残っていたか…。
…と、思わせといて、ふたば☆ちゃんねるでの『サザエさん』の楽しみ方は、一般的なそれとは全く違う。古き良き日本社会への回帰などは微塵もない。としあきたちが『サザエさん』を見るのは、磯野家の人間をひたすらディスるためである。
善良な、一般的な『サザエさん』ファンが見たらちょっと引くくらいに、実況スレッドは罵詈雑言の嵐が吹き荒れる。
 
サザエが出てくれば「親ばか」「暴力姉」呼ばわり。波平は「ハゲ」。ノリスケは「タカリ」。マスオは「甲斐性なし」。
まぁ、もう、ヒドイ。
特にタラオに対する怨嗟、ディスりが半端ではなく、タラオが何か喋るたびに「タラオUZEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!」の書き込みがブワーっと並ぶ。
実際、よくよく見てみると、タラちゃんって言葉遣いが丁寧な感じがするだけで、良い子だというエピソードは実はあまりないのである。むしろ、良い子ぶろうとしている感じが、確かにウザいといえばウザいのだ。
  
 
タラちゃんが、何かに興味を持ってそれで遊び出す
としあき「タラオ回かよ! クソが!」

タラちゃんの遊びがエスカレートして、誰かに迷惑が掛かる
としあき「タラオUZEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!」

なんか知らんが、それがカツオのせいになる
としあき「タラオォォォォォォォオオオ!!!!!!」

波平がカツオに「Back Come On!!」(ばかもーん!!)
としあき「Back Come On!! キター!」

タラオも反省。「ごめんですぅ」
としあき「謝れば済むと思ってんのか、タラオ」

サザエ「カツオがタラちゃんに変なこと教えるからよー」
としあき「サザエが親ばかだから、タラオがクソなんだよ!」
 
…概ねこんな感じ。
言葉は荒いが、としあきもラップの流儀に則ってディスっているだけだから、心根では『サザエさん』を愛している。
この、『サザエさん』にハイテンションでツッコミを入れていく感じがハマれば、実況スレッドそのものをむちゃくちゃ楽しめる。
ノリスケの高性能すぎるタカリセンサー(おごってくれそうな人を発見する能力)とか、花沢さんの良妻ぶりとか、中島くんの狼狽えぶりとか、実況スレッドを介すると本当に見所満載のアニメになる。
  
 
…そもそも、アニメ版『サザエさん』の面白さの真髄ってなんなのだろうか?
先程「古き良き日本社会への回帰」とか書いてみたが、確かに、“そういう雰囲気”だけでもなんとなく見てしまう魅力はある。
しかし、『サザエさん』の話って、よくよく見てみると、ヤマなしオチなしイミなしなのだ。
カツオがいたずらをして、波平が「バカモーン」。そのあと特に教訓なし。
タラオが何かに興味を持って、一時それにのめり込む。そして飽きる。…だけ。
マスオと波平が呑んでいたら、ノリスケがたかりにくる。そのまま会話。アッハッハ。終わり。
…いや、実際、そんなんばっかといえばそんなんばっかだろう。
ギャグを主体としてるわけではないし、何か教訓めいたことを暑苦しく伝えようとするわけでもない。子供に夢を与えるわけでもなけりゃ、いかにもな公序良俗を見せつけるわけでもない。
「ホント、なんなんだよこのアニメ…」
そんなレスが付くほど、サザエさんというのは、その魅力を明文化しにくい作品なのである。
 
としあきたちは、そんな『サザエさん』に対する素朴な疑問、ツッコミを遠慮為しにエイヤッとぶつける。
当然、『サザエさん』はそんなもんじゃ動じない。富士山にドロ団子をぶつけてもビクともしないのと同じ事だ。日曜の夕飯時にはいつもそこに居てくれる。
 
ふたば☆ちゃんねるに普段は縁がない方も、興味を持たれたら、是非一度、二次元実況裏版にいらっしゃって欲しい。
別に一緒になってディスる必要はない。吹き荒ぶ悪口の中で、アニメ版『サザエさん』の魅力を再確認できるはずだ。 
 
おわり